トリップ先の私は既に他の人と結婚していた件

交流

「まあ、そうゆうことやな」
「ほー」

心無しか理解出来たことにより冒険で宝物を発見したような気持ちになった。

「ちっと頭かたくなってたんちゃうん？川神くんなら出来るやろ」


「いや、出来ん」

「ほうか」

「ああ」

「なんや、妬まれるんかと思っとったわ」

「まさか」


なんで妬まないといけないのだ。自分自身も沢山の時間を費やしやっとのことでこの成績を維持できているのだから人を妬む暇もない。

「ありがとう」
「ええで」

なんや、遥は可愛いなとか言いながら頭を撫でようとしたから拒否したがこいつとは上手く付き合えそうな気がした。

剛と関わっていく中で、自分自身の硬かった部分やあまり見地が出来なかったこと。未熟さや年相応ってことを如何にも痛感した。が、同時にそれが嬉しくもあった。

そんなこんなで、タイムスリップをしてきたことなんか忘れて夏が来た。


「はー、今日も暑いな」 

「な」


「2人いつも仲良いのね」

上を見上げると、同じクラスの確か。

「誰やっけ」

「俺の台詞」



「あんたたちね！聞こえてるのよ」

「おい、ここカフェやろ。店員さんなら優しくしてや。な？遥」

「ああ、あまり騒ぐのは良くないと思う」

「女の子の名前も覚えれないのに何の問題も解けるはずもないわよ」

そう言うとがんっとテーブルにアイスコーヒーを2つ置いていった。

「なんや悪いこと言ってしもうたか」
「さあ」

どうでもよい、ましてや学校外で話しかけてきた挙句に逆ギレする女なんてただの地雷だ。ほっておこう。