4 / 182
未来の旦那遥君との出会い
しおりを挟む
パチっと目が覚めたその時に私は既に痛みどころか背中と体全体に柔らかいものを感じた。
「ん?ここは、何処なの」
目の前には茶色いドアに金色のドアノブがある。そして、何よりも気になったのは私が知らないベッドで寝ていることだ。ふと、横を見るとクリーム色の髪の毛をした美形の知らない男の人が隣ですやすや寝てた。こちらに顔を向けていて両手が顔の近くにあり、左手が上にある。
「え、誰なの。楓先輩じゃないし」
思わず布団を自分の方に手繰り寄せる時に視界に入ったのは私自身の左の薬指にはめている指輪。
「もしかして」
視線を隣の男の人に移すと同じ指輪を薬指にしていた。
「絶対これは夢だ、夢よ!楓先輩だけを本当に思ってるかのチェックの夢に違いない」
と一人頷き目を閉じてみた。最初は、自分でも分かるくらい目が瞼の裏で開眼していたけれどいつの間にか疲れて眠ってしまっていた。それからどのくらい時間が経ったのか分からない。
「ねえ、みみ。起きて、ご飯作ったよ」
その言葉通り、美味しそうな匂いが漂ってくる。お母さんかなと思ったけど違う。それどころか、薄ら目を開けると先程横に寝ていた男の人が私に跨って見下ろしてる。
「みみ、起きてるの知ってるよ。今日は、本当はみみが作る番だったのにね。ほら、起きて」
と彼が私の上半身を抱き起こす。そして、覗き込んできたと思ったらほっぺにキスをしてきた。
「きゃあっ」
思わず叫んでしまったと同時に目を開けてしまった。
「どうしたの、みみ。何か今日いつもと違う。もしかして、浮気でもしたの?」
浮気どころか貴方の名前すら分からないと言いたい。
「あの、貴方誰ですか。私には、楓先輩という大切な人がっ!」
そう叫ぶと
「誰それ、冗談のつもりだったのに。みみそんな子だったの、それに名前が分からないふりなんて痛いよ。ちゃんと話して貰おうか」
相手は、至って真剣所か怒ってる。
「取り敢えず、ご飯食べてからね」
スタスタ歩いてドアを開けて先に行ったその人。
「あっ、待って」
何故か、変な喪失感に駆られて追い掛けた。楓先輩では無い相手にどうしてこんな気持ちが湧くのだろうか。変なもやもやを抱えたままリビングに行く。
「みみ、座って」
向かいに既に座っているその人の前に腰を落とす。 目の前には、私が好きなメニューばかりだ。スクランブルエッグに、フレンチトースト、コーンスープに米粉パン。ちゃんと私が好きなチョコ味のシリアルまで置いてある。
「あの、貴方は私の何なんですか」
夢に違いない、こんなに望み通りの食べ物が出てきてかつ全く相手のことを知らないのだから。
「何って、何?自分の旦那も忘れたの。みみ」
だから、お酒なんて飲まないでって言ったのにと呟く。
「お名前は、何ですか」
恐る恐る聞く。もしかしたら楓先輩だったりして。外見も違うけど一縷の望みを掛けて言ってみた。
「遥、川神遥」
ムスッとした顔で、その後みみのばかと呟く。
「かわかみ……はるか」
違った、けれどもなんとも言えない不思議な気持ちになっていた。
「まるで初めて聞くみたいな顔だけど、本当にみみどうしたの」
そう言って口にスクランブルエッグを運ぶ。もぐもくしながらずっとこっちを見てる。
「川神さん、あの良かったら私は誰か教えて下さると嬉しいのですが」
口にあるスクランブルエッグを飲み込んだ川神さん。
「これなんかのゲーム?良いよ、川神みみ、22歳。そして、俺の奥さんだよ。キスは、毎朝行ってきますの時してるし、仕事から帰ってきてもしてる。ご飯は、2人で分担しててみみの作るご飯は最高に美味しいよ」
からかうように答え始めた川神さんだけど、柔らかい表情で最後の言葉を言うと私の頭を撫でた。
「何があったの、みみ。困った事あったら言うんだよ。俺が、一番力になってあげたい」
本当だったら、走り去って楓先輩を探しに行きたい。22歳ということは楓先輩は23歳。今何してるのか気になる。でも、私は今そんなことより目の前にいるこの人に行く手を阻まれている感じがする。それに無理矢理じゃなくて小さな子供に玄関で靴を履いているとシャツを掴まれてる感じ。置いていったら泣いてしまいそうで、放っておけない雰囲気。楓先輩とはまた違うタイプの人だな。
「ん?ここは、何処なの」
目の前には茶色いドアに金色のドアノブがある。そして、何よりも気になったのは私が知らないベッドで寝ていることだ。ふと、横を見るとクリーム色の髪の毛をした美形の知らない男の人が隣ですやすや寝てた。こちらに顔を向けていて両手が顔の近くにあり、左手が上にある。
「え、誰なの。楓先輩じゃないし」
思わず布団を自分の方に手繰り寄せる時に視界に入ったのは私自身の左の薬指にはめている指輪。
「もしかして」
視線を隣の男の人に移すと同じ指輪を薬指にしていた。
「絶対これは夢だ、夢よ!楓先輩だけを本当に思ってるかのチェックの夢に違いない」
と一人頷き目を閉じてみた。最初は、自分でも分かるくらい目が瞼の裏で開眼していたけれどいつの間にか疲れて眠ってしまっていた。それからどのくらい時間が経ったのか分からない。
「ねえ、みみ。起きて、ご飯作ったよ」
その言葉通り、美味しそうな匂いが漂ってくる。お母さんかなと思ったけど違う。それどころか、薄ら目を開けると先程横に寝ていた男の人が私に跨って見下ろしてる。
「みみ、起きてるの知ってるよ。今日は、本当はみみが作る番だったのにね。ほら、起きて」
と彼が私の上半身を抱き起こす。そして、覗き込んできたと思ったらほっぺにキスをしてきた。
「きゃあっ」
思わず叫んでしまったと同時に目を開けてしまった。
「どうしたの、みみ。何か今日いつもと違う。もしかして、浮気でもしたの?」
浮気どころか貴方の名前すら分からないと言いたい。
「あの、貴方誰ですか。私には、楓先輩という大切な人がっ!」
そう叫ぶと
「誰それ、冗談のつもりだったのに。みみそんな子だったの、それに名前が分からないふりなんて痛いよ。ちゃんと話して貰おうか」
相手は、至って真剣所か怒ってる。
「取り敢えず、ご飯食べてからね」
スタスタ歩いてドアを開けて先に行ったその人。
「あっ、待って」
何故か、変な喪失感に駆られて追い掛けた。楓先輩では無い相手にどうしてこんな気持ちが湧くのだろうか。変なもやもやを抱えたままリビングに行く。
「みみ、座って」
向かいに既に座っているその人の前に腰を落とす。 目の前には、私が好きなメニューばかりだ。スクランブルエッグに、フレンチトースト、コーンスープに米粉パン。ちゃんと私が好きなチョコ味のシリアルまで置いてある。
「あの、貴方は私の何なんですか」
夢に違いない、こんなに望み通りの食べ物が出てきてかつ全く相手のことを知らないのだから。
「何って、何?自分の旦那も忘れたの。みみ」
だから、お酒なんて飲まないでって言ったのにと呟く。
「お名前は、何ですか」
恐る恐る聞く。もしかしたら楓先輩だったりして。外見も違うけど一縷の望みを掛けて言ってみた。
「遥、川神遥」
ムスッとした顔で、その後みみのばかと呟く。
「かわかみ……はるか」
違った、けれどもなんとも言えない不思議な気持ちになっていた。
「まるで初めて聞くみたいな顔だけど、本当にみみどうしたの」
そう言って口にスクランブルエッグを運ぶ。もぐもくしながらずっとこっちを見てる。
「川神さん、あの良かったら私は誰か教えて下さると嬉しいのですが」
口にあるスクランブルエッグを飲み込んだ川神さん。
「これなんかのゲーム?良いよ、川神みみ、22歳。そして、俺の奥さんだよ。キスは、毎朝行ってきますの時してるし、仕事から帰ってきてもしてる。ご飯は、2人で分担しててみみの作るご飯は最高に美味しいよ」
からかうように答え始めた川神さんだけど、柔らかい表情で最後の言葉を言うと私の頭を撫でた。
「何があったの、みみ。困った事あったら言うんだよ。俺が、一番力になってあげたい」
本当だったら、走り去って楓先輩を探しに行きたい。22歳ということは楓先輩は23歳。今何してるのか気になる。でも、私は今そんなことより目の前にいるこの人に行く手を阻まれている感じがする。それに無理矢理じゃなくて小さな子供に玄関で靴を履いているとシャツを掴まれてる感じ。置いていったら泣いてしまいそうで、放っておけない雰囲気。楓先輩とはまた違うタイプの人だな。
1
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
国王陛下は愛する幼馴染との距離をつめられない
迷い人
恋愛
20歳になっても未だ婚約者どころか恋人すらいない国王ダリオ。
「陛下は、同性しか愛せないのでは?」
そんな噂が世間に広がるが、王宮にいる全ての人間、貴族と呼ばれる人間達は真実を知っていた。
ダリオが、幼馴染で、学友で、秘書で、護衛どころか暗殺までしちゃう、自称お姉ちゃんな公爵令嬢ヨナのことが幼い頃から好きだと言うことを。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。
ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい
えーー!!
転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!!
ここって、もしかしたら???
18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界
私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの???
カトリーヌって•••、あの、淫乱の•••
マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!!
私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い••••
異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず!
だって[ラノベ]ではそれがお約束!
彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる!
カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。
果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか?
ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか?
そして、彼氏の行方は•••
攻略対象別 オムニバスエロです。
完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。
(攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる