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6 ―1 周辺諸国オランダ

ヨーロッパに台風を呼んだ女

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到着して1日目はさとちゃん家に落ち着き、
2日目はオランダに連れて行ってくれた。

本来であれば、風車とその周辺の川下りを楽しむはずだったが、
あいにく台風のような天気で何もできなかった。

車から降りると息ができないほどの風が押し寄せる。
子供達は車から降りることを拒否した。
外は飛べそうじゃないかと思うぐらい強い風が止まらない。

風車は1台を残して停止していた。
その唯一回っている風車をさとちゃんは茫然と見つめる。
「あんな速さで回ってるの見たことない…」
漫画を見慣れている私には普通の速さに見えたが、ありえない速さらしい。

さとちゃんは、茫然としたまま、「引っ越して2年。こんな天気を見たことない」と続ける。
「やっぱまいすけ持ってるよね…」

一番運が悪くて漫画みたいな毎日を送っていた時期を知っているさとちゃんは
茫然としながらも少し笑っている。

「本当なら、ここにはたくさん人がいて、この広いのどかな場所をのんびり過ごしているんだよ」
普段は、絵本の中のような色鮮やかでほほえましい場所であるはずなのに、
暗い空に薄暗く染まった平面を鳥だけがゆったりと餌をついばんでいたのだった。


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