美男美女があふれるヨーロッパの街へ行ってきた。

1 行く前

もう、来年帰るからベルギーに来る？

親友であるさとちゃんが、ベルギーに住むことになった。
日本人の旦那であるひろさんが転勤することになったからである。

ラインでお知らせを受け、「石畳ばっかりで絵本の中みたいな国よ」という感想に別世界を感じて「へー」と思って数年。

さとちゃんからラインが来た。
「もう来年帰るからベルギーに来る？」

数日迷った。
ただ、幸運なことに、当時の私は果てしないホワイト企業に転職したばかりだった。

理由もなく怒鳴られ続けるパワハラ職場や
人をロボットのように扱い、適性に合わないなら使い捨てるような職場で
心と体をボロボロにしていた私がたどりついたオアシスである。

「もしも、長期休暇するとしたら、どれぐらい休めますか」
「申請してくれれば、いくらでも大丈夫ですよ」
と快諾。

やさしすぎて不安になる「不幸が染みついた私」に上司はダメ押しを一言をつけた。
「自分がまいすけさんなら行きますね」
この言葉で行くことを決めた。