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教師の話①
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「アンゼリカ様は物覚えが大変よろしゅうございます。これでしたら数か月もあれば宮廷における礼儀作法を全て習得されるのではないかと」
礼儀作法の教師はアンゼリカの物覚えの良さに感嘆のため息を漏らした。
一度説明し、手本を見せただけで彼女はそれを完璧にこなす。教師は今まで何十人もの貴族子女を指導してきたが、ここまで物覚えのよい生徒は存在しなかった。
「お褒め頂き光栄です」
こちらが手放しに褒め称えても驕ることなく控えめに微笑むアンゼリカ。
そんな彼女に教師はいたく感服し、先ほど語学の教師が興奮気味に話していたことを思い出す。
────アンゼリカ様は百年に一度の逸材です! これほど頭の優れたご令嬢を他に知りません!
たったの一日、しかも一時間もしないうちに終了した語学の授業。
聞けばすでにアンゼリカは王妃教育に必要な言語は全て習得済だと言うではないか。
流石に礼儀作法は宮廷の作法を含むので一から全て学ぶ必要があるものの、アンゼリカの類まれな物覚えの速さに全てを習得するまでそう時間はかからないと判断された。
「きりもいいですし、そろそろ休憩に致しましょう。お茶をご用意させていただきます」
教師が王城のメイドに頼むとすぐに温かいお茶が用意された。
テーブルで二人は優雅にそれを飲みつつたわいもない会話を続ける。
その時、教師がぽつりとあることを呟いた。
「……アンゼリカ様は、殿下が以前の婚約者ミラージュ様にした所業をご存じでいらっしゃいますか?」
そこまで言った後、教師はしまったとばかりにハッと自分の口を押さえた。
教師としてはアンゼリカが同じ目に遭ってほしくなくてつい漏らしてしまったのだが、こんなことを言うべきではなかったと思い直す。
「いいえ、わたくしも噂程度しか知りませんの。でも、王城にいらっしゃった先生はご存じなのですね? よろしければ聞かせてくれませんか?」
「あ、いえ……ですが……」
「……先生は、わたくしもミラージュ様のようになるのではないかと心配していらっしゃるのではないですか? だからつい口にしてしまった……かのように思えます」
見透かすようなアンゼリカの視線に教師はごくりと喉を鳴らした。
何故か彼女の前では隠し事など出来ないと、そう思わせる圧がある。
「はい、その通りでございます。私はミラージュ様が日に日に衰弱していく様をただ見守ることしか出来ず、それを悔いているのです。今更ですがあの時何か出来ることがあったのではないかと……後悔しない日はありません」
ぽつぽつと語り始めた教師をアンゼリカは慈愛を込めた目で優しく見つめた。
それはまるで信者の懺悔を聞く告解室の牧師のよう。
教師は自分が哀れな子羊になったかのように己の心情を吐露したい衝動に駆られ、知りうる全てを彼女に伝えた。
「……初めから殿下はミラージュ様をお気に召していませんでした。ミラージュ様は美貌も家柄もお人柄も全てが優れた非の打ちどころのない御令嬢でしたが、殿下にとっては政略で定められた婚約者というだけで嫌悪の対象だったのです」
「成程、親に決められた婚約が嫌だと」
「ええ、その通りです。ミラージュ様はそれでも未来の王太子妃として努力を重ねておりました。いじらしくも殿下と必死に仲を深めようと自ら進んでご挨拶をしたり手紙や贈り物をかかさなかったりと……」
アンゼリカは先ほど王太子が放った戯言の意味を理解した。
おそらく前の婚約者であるミラージュはいつも王城に来ると王太子に挨拶に向かっていたのだろう。
だから新しい婚約者であるアンゼリカにも同じような対応を求めたのだ。あたかも、それが当然であるかのように……。
(傲慢だこと……)
ミラージュとアンゼリカは全く違う人間なのに、何故同じ対応を求めるのかさっぱり理解できない。
そもそも、アンゼリカには王太子と仲を深めるつもりなど毛頭ないというのに。
「ミラージュ様の努力の甲斐あってか、お二人は仲が良いとはいかなくとも、会えば話す程度の関係性とまで発展しました。このままいけばご結婚されても対面上はまあ問題ないだろうと思われたのです。ですが……あの男爵令嬢が現れてからというもの、全てが悪い方へと向かってしまったのです」
「男爵令嬢……ああ、殿下がご執心の男爵家の庶子のことですね」
「アンゼリカ様もご存じでしたか……。ええ、貴族としての礼儀を弁えていない平民あがりの小娘のことです。貴族令嬢にはない魅力があるとかどうとかで殿下を含め側近の方々も彼女に骨抜きになりました」
アンゼリカは教師の言葉の意味が分からず首を傾げた。
「先生、その“貴族令嬢にはない魅力”とは具体的にどういったものでしょうか? 一口に貴族令嬢とは言っても皆性格が違うと思われますし、平民の女性もそうではないかと。大人しい女性や気の強い女性と、性格で区分するなら分かるのですが、貴族と平民で区分できるものでしょうか?」
公爵家の邸には平民の使用人がいるし、領地にいるのは平民ばかりだ。
アンゼリカは彼女達と交流する機会はあるし、一口に平民といってもその性格も考え方も様々だと思っている。
だからこそ分からないのだ。貴族女性になくて、平民女性にはあるという謎かけのような言葉の意味が。
「ああ……確かにそうですよね。殿下が仰るには“天真爛漫で喜怒哀楽がはっきりしている”と……。それと誰でも平等に物怖じせずに話しかけ、仲を深めようとするらしいです。なんでも貴族令嬢の張り付けたような笑みが気に入らないと……」
「あら、変ですこと、わたくしが接する平民の方々は子供を除いて皆余所行きの笑顔を貼り付けておりますのに。殿下が仰る”貼り付けた笑み”というのは貴族令嬢に限らず平民の方にも見られる表情ですよ?」
アンゼリカの返答に教師は「え?」と首を傾げた。
「だって平民達にとって貴族は“畏れの象徴”ですもの。平民が貴族の機嫌を損ねれば首をはねられると理解しておりますから、失礼のないよう振る舞うものです。ああ、勿論子供は別ですわ、彼等はまだ幼いからそういう分別がついておりませんもの。成程、つまり殿下は幼い子供のような女性がお好みなのですね? あらあら……それではわたくしも殿下の好みとは言えませんわね……」
この辛辣ながらも的確な表現に教師は非常に驚いたが、同時に腑に落ちた。
教師は貴族家出身だが、平民と接する機会もあった。だが、誰も彼もが件の男爵令嬢のように馴れ馴れしく話しかけてくることなどない。それをするのはせいぜい子供くらいだ。
平民だって馬鹿じゃない。自分の身を守るため、貴族に失礼のないよう接するものだ。
それなのに誰彼構わず無邪気に振る舞う件の男爵令嬢は、計算でそうしているか余程の馬鹿かのどちらかということになる。
礼儀作法の教師はアンゼリカの物覚えの良さに感嘆のため息を漏らした。
一度説明し、手本を見せただけで彼女はそれを完璧にこなす。教師は今まで何十人もの貴族子女を指導してきたが、ここまで物覚えのよい生徒は存在しなかった。
「お褒め頂き光栄です」
こちらが手放しに褒め称えても驕ることなく控えめに微笑むアンゼリカ。
そんな彼女に教師はいたく感服し、先ほど語学の教師が興奮気味に話していたことを思い出す。
────アンゼリカ様は百年に一度の逸材です! これほど頭の優れたご令嬢を他に知りません!
たったの一日、しかも一時間もしないうちに終了した語学の授業。
聞けばすでにアンゼリカは王妃教育に必要な言語は全て習得済だと言うではないか。
流石に礼儀作法は宮廷の作法を含むので一から全て学ぶ必要があるものの、アンゼリカの類まれな物覚えの速さに全てを習得するまでそう時間はかからないと判断された。
「きりもいいですし、そろそろ休憩に致しましょう。お茶をご用意させていただきます」
教師が王城のメイドに頼むとすぐに温かいお茶が用意された。
テーブルで二人は優雅にそれを飲みつつたわいもない会話を続ける。
その時、教師がぽつりとあることを呟いた。
「……アンゼリカ様は、殿下が以前の婚約者ミラージュ様にした所業をご存じでいらっしゃいますか?」
そこまで言った後、教師はしまったとばかりにハッと自分の口を押さえた。
教師としてはアンゼリカが同じ目に遭ってほしくなくてつい漏らしてしまったのだが、こんなことを言うべきではなかったと思い直す。
「いいえ、わたくしも噂程度しか知りませんの。でも、王城にいらっしゃった先生はご存じなのですね? よろしければ聞かせてくれませんか?」
「あ、いえ……ですが……」
「……先生は、わたくしもミラージュ様のようになるのではないかと心配していらっしゃるのではないですか? だからつい口にしてしまった……かのように思えます」
見透かすようなアンゼリカの視線に教師はごくりと喉を鳴らした。
何故か彼女の前では隠し事など出来ないと、そう思わせる圧がある。
「はい、その通りでございます。私はミラージュ様が日に日に衰弱していく様をただ見守ることしか出来ず、それを悔いているのです。今更ですがあの時何か出来ることがあったのではないかと……後悔しない日はありません」
ぽつぽつと語り始めた教師をアンゼリカは慈愛を込めた目で優しく見つめた。
それはまるで信者の懺悔を聞く告解室の牧師のよう。
教師は自分が哀れな子羊になったかのように己の心情を吐露したい衝動に駆られ、知りうる全てを彼女に伝えた。
「……初めから殿下はミラージュ様をお気に召していませんでした。ミラージュ様は美貌も家柄もお人柄も全てが優れた非の打ちどころのない御令嬢でしたが、殿下にとっては政略で定められた婚約者というだけで嫌悪の対象だったのです」
「成程、親に決められた婚約が嫌だと」
「ええ、その通りです。ミラージュ様はそれでも未来の王太子妃として努力を重ねておりました。いじらしくも殿下と必死に仲を深めようと自ら進んでご挨拶をしたり手紙や贈り物をかかさなかったりと……」
アンゼリカは先ほど王太子が放った戯言の意味を理解した。
おそらく前の婚約者であるミラージュはいつも王城に来ると王太子に挨拶に向かっていたのだろう。
だから新しい婚約者であるアンゼリカにも同じような対応を求めたのだ。あたかも、それが当然であるかのように……。
(傲慢だこと……)
ミラージュとアンゼリカは全く違う人間なのに、何故同じ対応を求めるのかさっぱり理解できない。
そもそも、アンゼリカには王太子と仲を深めるつもりなど毛頭ないというのに。
「ミラージュ様の努力の甲斐あってか、お二人は仲が良いとはいかなくとも、会えば話す程度の関係性とまで発展しました。このままいけばご結婚されても対面上はまあ問題ないだろうと思われたのです。ですが……あの男爵令嬢が現れてからというもの、全てが悪い方へと向かってしまったのです」
「男爵令嬢……ああ、殿下がご執心の男爵家の庶子のことですね」
「アンゼリカ様もご存じでしたか……。ええ、貴族としての礼儀を弁えていない平民あがりの小娘のことです。貴族令嬢にはない魅力があるとかどうとかで殿下を含め側近の方々も彼女に骨抜きになりました」
アンゼリカは教師の言葉の意味が分からず首を傾げた。
「先生、その“貴族令嬢にはない魅力”とは具体的にどういったものでしょうか? 一口に貴族令嬢とは言っても皆性格が違うと思われますし、平民の女性もそうではないかと。大人しい女性や気の強い女性と、性格で区分するなら分かるのですが、貴族と平民で区分できるものでしょうか?」
公爵家の邸には平民の使用人がいるし、領地にいるのは平民ばかりだ。
アンゼリカは彼女達と交流する機会はあるし、一口に平民といってもその性格も考え方も様々だと思っている。
だからこそ分からないのだ。貴族女性になくて、平民女性にはあるという謎かけのような言葉の意味が。
「ああ……確かにそうですよね。殿下が仰るには“天真爛漫で喜怒哀楽がはっきりしている”と……。それと誰でも平等に物怖じせずに話しかけ、仲を深めようとするらしいです。なんでも貴族令嬢の張り付けたような笑みが気に入らないと……」
「あら、変ですこと、わたくしが接する平民の方々は子供を除いて皆余所行きの笑顔を貼り付けておりますのに。殿下が仰る”貼り付けた笑み”というのは貴族令嬢に限らず平民の方にも見られる表情ですよ?」
アンゼリカの返答に教師は「え?」と首を傾げた。
「だって平民達にとって貴族は“畏れの象徴”ですもの。平民が貴族の機嫌を損ねれば首をはねられると理解しておりますから、失礼のないよう振る舞うものです。ああ、勿論子供は別ですわ、彼等はまだ幼いからそういう分別がついておりませんもの。成程、つまり殿下は幼い子供のような女性がお好みなのですね? あらあら……それではわたくしも殿下の好みとは言えませんわね……」
この辛辣ながらも的確な表現に教師は非常に驚いたが、同時に腑に落ちた。
教師は貴族家出身だが、平民と接する機会もあった。だが、誰も彼もが件の男爵令嬢のように馴れ馴れしく話しかけてくることなどない。それをするのはせいぜい子供くらいだ。
平民だって馬鹿じゃない。自分の身を守るため、貴族に失礼のないよう接するものだ。
それなのに誰彼構わず無邪気に振る舞う件の男爵令嬢は、計算でそうしているか余程の馬鹿かのどちらかということになる。
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