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縁(えん)①
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高校進学に自分の意志はなかった。希望は、親に経済的負担のかからない公立校 だけだった。両親も何も言わなかった。おばあちゃんだけ、高校には行っておきなさい と言っていた。
進路指導の先生の言われるがままの高校を受験し、合格した。同じ中学からその高校に進学したのは僕を含め5名ほどだった。誰とも話しをしたことは無く、名前すら知らない子もいた。
高校生活は、全然つまらなかった。話の合う(気の合う)男子はゼロだった。可愛い女の子もゼロだった。英語を担当する先生のレベルが低いと言い、僕以外の生徒は授業をボイコットし、先生を休職に追い込むという、どうしようもない超進学校だった。毎日窓の外を眺めていた。
小・中と何も持たずに登校していた。教科書は全て学校に置いていた。高校でも同じだった。
ある日登校すると、教科書が全て無くなっていた。僕のことを良く思わない先生が、焼却炉で燃やしたことを聞いた。どうしようもないアホさ加減に腹も立つことなく、自主退学した。親には、「つまらないからやめた」とだけ言った。両親もおばあちゃんも何も言わなかった。
何もすることがなくなり、何日か家に籠っていた。
電話が鳴り、母親が出た。小学校1年の担任であまり好きではなかった女の先生からだった。先生の旦那さんが高校の教師をやっており、少し偉いさんらしい。編入試験を受けろという。救われた。
今になってやっと、『縁』の不思議さと、古き良き『時代』というものがあったことに感謝し、唾を飲み込む。
進路指導の先生の言われるがままの高校を受験し、合格した。同じ中学からその高校に進学したのは僕を含め5名ほどだった。誰とも話しをしたことは無く、名前すら知らない子もいた。
高校生活は、全然つまらなかった。話の合う(気の合う)男子はゼロだった。可愛い女の子もゼロだった。英語を担当する先生のレベルが低いと言い、僕以外の生徒は授業をボイコットし、先生を休職に追い込むという、どうしようもない超進学校だった。毎日窓の外を眺めていた。
小・中と何も持たずに登校していた。教科書は全て学校に置いていた。高校でも同じだった。
ある日登校すると、教科書が全て無くなっていた。僕のことを良く思わない先生が、焼却炉で燃やしたことを聞いた。どうしようもないアホさ加減に腹も立つことなく、自主退学した。親には、「つまらないからやめた」とだけ言った。両親もおばあちゃんも何も言わなかった。
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電話が鳴り、母親が出た。小学校1年の担任であまり好きではなかった女の先生からだった。先生の旦那さんが高校の教師をやっており、少し偉いさんらしい。編入試験を受けろという。救われた。
今になってやっと、『縁』の不思議さと、古き良き『時代』というものがあったことに感謝し、唾を飲み込む。
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