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31 俺の姫プレイとコラボカフェ 7

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 <土曜日 17:16> 

 お腹のパフェを消化がてら、俺達は辺りをぶらつき、時計の針が17時を過ぎた頃。
 このまま解散するか、どうしようか、という流れになった。

「もし皆さんお時間あれば、居酒屋なんてどうですか?」

 糸目のマサト兄がニコリと笑って言う。

 歩き回って小腹も空いてきた。
 せっかくゲームで遊んでる奴らと会ったんだし、まだ話をしたい気もする。

「俺はいいですよ」
「僕も」
「……ああ」

 満場一致で、もう少し一緒にいることになった。
 俺達はマサト兄に連れられて、居酒屋へ入る。

「いらっしゃいませ~! 四名様ですね。一番奥のお席へどうぞ~!」

 個室のあるお店でありがたい。
 多少、慣れてきたとはいえイケメン二人を連れていると、周りの視線が凄くて少々疲れた。

 俺達は掘りごたつのテーブルにつく。
 レンとトモヤ、マサト兄と俺の順で腰をおろした。

 温かいおしぼりが気持ちいい。
 とりあえず、皆ビールで乾杯だ。

 お通しの煮物を食べつつ、ビールを飲む。
 揚げ出し豆腐に焼き鳥、チヂミに枝豆、だし巻き玉子など、適当に選び注文して食べた。
 ゲームの話をしながら呑む酒は、正直美味い。

 ***


「あ。そーだ! レン! お前さっさと、赤竜返せよ」

 コラボカフェでボス戦前に装備チェックした時の事を思い出し、俺はレンに告げた。

「ん? ああ……そういや、返してなかったな」
「えっ? まだ返してなかったの? だからあの時、僕から返すって言ったのに……」
「俺とチヒロのことだ。お前には関係ないだろ?」

 レンとトモヤの間にピリッとしたものを感じる。
 突然のヒリついた空気感に、酔いも醒めそうだ。

 蛇対マングース? いや、この二人なら蛇対蛇か?

(えー……何? 怖っ……近寄らんとこ)

 俺は逃げるようにグビグビと酒を喉に流し、目の前の空気を誤魔化した。
 ただ、この行動はあまり良くなかったのかもしれない。


「……チヒロ君、ペース早くないですか? 大丈夫ですか?」
「ん~? 大丈夫ぅ~!」

 マサト兄が心配そうに声をかけてきた。
 俺はヘラリと答える。

(うーん。少し飲みすぎた……かな)

 俺はふわふわと気持ちよくなり、テーブルへ寄りかかるように肘をつき顎を支える。
 トロリとした目で、正面にいるトモヤの顔を見やった。

(は~……やっぱイケメンだよな~。こういうの何て言うんだ? 艶? があるって言うのかな~?)

 俺の視線に気付いたトモヤが声をかける。

「チヒロ、大丈夫? 顔がちょっと赤いね」
「なぁ~トモヤ~」
「ん? 何?」
「お前、イケメンだよなぁ……」
「そうかな? イケメンってのは、レンみたいのを指すんじゃない?」
「いやいやいや~お前も、じゅーぶんイケメンだから」
「そう? ありがと」

 クスッと笑ったトモヤがグラスに口を付ける。
 口元のホクロが色っぽい。エロい。
 俺はカップル部屋あのときの事をふと思い出し、思わずポロリと漏らした。

「はぁ……そうなんだよなぁ~……俺はあの時、このイケメンちんぽを扱いたんだよなぁ~。あ~……俺って……すげぇ」
「ブッ!!」

 ゲホゲホと咳き込み出すトモヤ。気管にでも入ったのか、咳がなかなか止まらないようだ。

「なっななななに言って!!」

 トモヤの顔が真っ赤だ。
 咳き込んだ影響で、目も潤んでる。

「トモヤ、大丈夫かぁ?」
「だ……れのせいだと……ッ!!」

 ギロリと俺を睨みつけてくる。

「おや? トモヤ君とチヒロ君は、そういう関係なんですか? ……でも、会ったのは今日が初めてなんですよね??」

 マサト兄が俺達に聞いてきた。
 レンもグラスを傾けながら、俺のことをジッと見ている。

「違います! そんな関係じゃありません! このクソ酔っ払いの戯れ言です!」
「何だよ~! シゴいたのは本当のことじゃんかー!」
「チヒロッ! ほんっっと黙って!」
「おい。詳しく話を聞かせろ」
「レンまで何言ってんの!? あーもう最悪なんだけど!」

 眼鏡を外し、片手で顔を覆っているトモヤを他所に、俺は二人にDFO宿屋のカップル部屋のバグについて教えた。

 トモヤがオナニーする事になった流れも、俺がそれを手伝った事も二人に伝わる。
 トモヤはこれ以上ないという位に、真っ赤になり「嘘でしょ……」とつぶやいている。

 さすがに気の毒に思ったのか、レンがトモヤの肩をポンと叩き、励ましていた。
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