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第三謎:怪盗ドキからの予告状 IQ120(全二話)
怪しい二人
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ここ百済菜市で花見と言えば、桜ではなく菜の花だ。
市の外れにある弥勒寺の周辺は昔から菜の花栽培が盛んな地域で、早春には辺り一面が黄色い絨毯で埋め尽くされる。
県外からも大勢の観光客がやって来るけれど見ごろは短く、そのときにぴたりと合わせるのは難しい。その点、百済菜市で暮らし、かつ時間を持て余していると機を逃さずに花見を楽しめる。
先輩の愛車、デニムブルーメタリックのボルボV40――この前、青い車と言ったら怒られた――でドライブしながら春の風物詩を楽しんで事務所へと戻ってきた。
「満開の菜の花畑は壮観でしたね」
「今日は天気も良かったから、より鮮やかな黄色に感じたよ」
見てきたばかりの美しい景色を話しながらビルの階段を上っていくと、事務所の扉の前に見なれた若い女性が立っている。
「おや、美咲さん。何か御用ですか」
先輩、そんな言い方はマズいでしょ。用がなければ来なくていい、というように聞こえちゃいますよ。
「用がなくても遊びに来てはいけませんか?」
ほら、怒っちゃった。
彼女がなぜ急に怒ったのかが分からないみたいで、先輩はおろおろしている。
「お二人はどちらへ? まさかデートしていたわけではありませんよね」
鋭い。いや、男同士でデートする趣味は僕にはないけれど、平日の昼間から遊んでいたと疑われている。
「やだなぁ、そんなことあるわけないですよ。仕事で出掛けていたんです」
「いや、仕事じゃ――」と言いかけた先輩の背中をひじで小突く。
「痛いなぁ、鈴木くん」「はいはい、いいから中に入りましょう。美咲さん、お待ちになりましたか」
「いえ、それほどでも。五分ほど前について耕助さまへお電話したのですが、留守電になっていたので」
僕と美咲さんの視線を浴びて、先輩は慌てて胸ポケットからスマホを取り出した。
「マナーモードにしていて気づかなかった……」
謎を解くときの冴えた顔とは別人のように、すまなそうに肩を落とすところが憎めないんだよな。
扉の鍵を開けて中へ入り、美咲さんにソファを勧めると先輩はミニキッチンへと向かった。
「すぐに美味しい珈琲を淹れますから」
お詫びと名誉挽回の気持ちはあるらしい。
「耕助さまの淹れる珈琲がわたくしは大好きです」
「その辺りの喫茶店で飲むよりも美味しいですよね」
「世界一かもしれませんわ」
「それは言い過ぎですよ。私より爺やが淹れてくれる珈琲の方が美味しいので、世界で二番目かもしれません」
美咲さんと僕が褒めるものだから、お世辞と謙遜を知らない、いつもの先輩に戻った。たしかに、先輩が淹れた珈琲が格別なのは間違いないけれど。
珈琲を待つあいだに僕もスマホをチェックしようと思ったら見当たらない。どうやら車の中に忘れてきてしまったみたい。
先輩から鍵を借りて駐車場へと急いだ。
やっぱり助手席のシートにスマホがあった。すぐに事務所へと戻ると道の反対側から怪しい二人連れが歩いてくる。
がっちりとした人相の悪いおじさんと細身のチャラそうな若い男だ。どちらもスーツ姿だけれど、目つきが鋭い。
不審に思っていたら目があってしまい、僕の方へと近づいてきた。
ちょうど事務所があるビルの入り口の前で僕たち三人は立ち止まった。
「ちょっとよろしいですか」
おじさんの方が声をかけてきた。人相の割に物腰は柔らかく、言葉も丁寧だ。
「なんでしょうか」
「失礼ですが、こちらの探偵事務所の方ですか」
二階の窓ガラスに大きく貼られた文字をおじさんは見上げた。
うちの事務所に来たのか。でも依頼人には見えない。
もしかして、気づかない間に僕たちはヤバいことへ首を突っ込んでいたのか。
どう答えたらいい。
ほんの短い時間のあいだに頭をフル回転させた結果、正直に答えることにした。
「はい、そうです。何か御用でしょうか」
「武者小路先生はいらっしゃいますか」
「ええ、さっき帰ってきたところです」
「そうですか。お邪魔させて頂いてもよろしいですか」
「あのぉ、何かご依頼でしょうか」
「ええ。そんなところです」
ずっとおじさんだけが話をしている。チャラい若者、と言っても僕と同じくらいかな。彼の方はむすっとしたまま興味がなさそうに少し離れて立っていた。
僕が先に立って階段を上がる。
扉を開けると芳ばしい香りが漂ってきた。
「鈴木くんの分はサーバーに残してあるから、自分で入れてね」
「先輩、お客様です」
僕が横に一歩動いて、後ろにいた二人を紹介した。
「やぁ、御手洗さんじゃないですか。どうしたんですか?」
どうやら人相の悪いおじさんは先輩の知り合いのようだ。
「ちょっと相談がありましてね」
おじさんが笑みを浮かべて先輩へ歩み寄った。若い男は扉の前に立ったまま、難しい顔をしてその二人を見ている。
「連絡をくださればよかったのに」
「事務所へお電話したのですが、お留守だったので」
「あぁすいません、出掛けていたもので。スマホの番号もお教えしておきますね」
などと二人が話をしている間に、すぅっと美咲さんがソファから立って先輩の隣へ移動する。また助手が座るべき席を奪われてしまった。
御手洗さんが先輩と向き合って座った。あいかわらず厳しい視線で先輩をにらみつけている若い男にも「どうぞ」とソファを勧めると無言のまま腰を下ろした。
お客様と僕の分の珈琲を入れて、仕方なく自分のデスクに座る。
「私と組んでいる捜査一課の伊集院です」
えっ、と言うことは刑事さんたちなのか。
伊集院と紹介された若い男はなぜか敵意を隠さず、鋭い視線を先輩に向けたまま軽く頭を下げる仕草をした。
「はじめまして、武者小路です。こちらは豪徳寺さんと助手の鈴木くん」
美咲さんが先だったけれど、僕は助手として紹介されたぞ。
よし、と思いながら僕も黙って会釈をする。
「御手洗さんが部下を連れてお越しになったとなると、何か事件ですか?」
「これから事件になりそう、と言う案件なんですがね。ぜひ先生の知恵を借りたくて」
「やだなぁ、先生なんて呼ばなくていいですよ」
僕には「先輩じゃなく、先生と呼びなさい」と言ってるくせに。
「今日は仕事でお伺いしてますから、耕ちゃんという訳にはいきません」
後で聞いたところによると、御手洗刑事は先輩のお父さんの学生時代からの友人で、先輩が小さい頃からよく遊んでもらっていたそうだ。
「で、早速ですが」
御手洗刑事が一枚のコピー紙をスーツの内ポケットから取り出し、テーブルに広げた。
『四月三日、時計の針がDからEに変わるとき 王の土器を頂戴する
怪盗ドキ』
え、まさか……。
「これは?」
先輩が上半身を前に倒したまま顔だけを上げて御手洗さんに確認の視線を送る。
「怪盗ドキからの予告状です」
美咲さんが息をのみ、隣に座る先輩の横顔を見つめた。
市の外れにある弥勒寺の周辺は昔から菜の花栽培が盛んな地域で、早春には辺り一面が黄色い絨毯で埋め尽くされる。
県外からも大勢の観光客がやって来るけれど見ごろは短く、そのときにぴたりと合わせるのは難しい。その点、百済菜市で暮らし、かつ時間を持て余していると機を逃さずに花見を楽しめる。
先輩の愛車、デニムブルーメタリックのボルボV40――この前、青い車と言ったら怒られた――でドライブしながら春の風物詩を楽しんで事務所へと戻ってきた。
「満開の菜の花畑は壮観でしたね」
「今日は天気も良かったから、より鮮やかな黄色に感じたよ」
見てきたばかりの美しい景色を話しながらビルの階段を上っていくと、事務所の扉の前に見なれた若い女性が立っている。
「おや、美咲さん。何か御用ですか」
先輩、そんな言い方はマズいでしょ。用がなければ来なくていい、というように聞こえちゃいますよ。
「用がなくても遊びに来てはいけませんか?」
ほら、怒っちゃった。
彼女がなぜ急に怒ったのかが分からないみたいで、先輩はおろおろしている。
「お二人はどちらへ? まさかデートしていたわけではありませんよね」
鋭い。いや、男同士でデートする趣味は僕にはないけれど、平日の昼間から遊んでいたと疑われている。
「やだなぁ、そんなことあるわけないですよ。仕事で出掛けていたんです」
「いや、仕事じゃ――」と言いかけた先輩の背中をひじで小突く。
「痛いなぁ、鈴木くん」「はいはい、いいから中に入りましょう。美咲さん、お待ちになりましたか」
「いえ、それほどでも。五分ほど前について耕助さまへお電話したのですが、留守電になっていたので」
僕と美咲さんの視線を浴びて、先輩は慌てて胸ポケットからスマホを取り出した。
「マナーモードにしていて気づかなかった……」
謎を解くときの冴えた顔とは別人のように、すまなそうに肩を落とすところが憎めないんだよな。
扉の鍵を開けて中へ入り、美咲さんにソファを勧めると先輩はミニキッチンへと向かった。
「すぐに美味しい珈琲を淹れますから」
お詫びと名誉挽回の気持ちはあるらしい。
「耕助さまの淹れる珈琲がわたくしは大好きです」
「その辺りの喫茶店で飲むよりも美味しいですよね」
「世界一かもしれませんわ」
「それは言い過ぎですよ。私より爺やが淹れてくれる珈琲の方が美味しいので、世界で二番目かもしれません」
美咲さんと僕が褒めるものだから、お世辞と謙遜を知らない、いつもの先輩に戻った。たしかに、先輩が淹れた珈琲が格別なのは間違いないけれど。
珈琲を待つあいだに僕もスマホをチェックしようと思ったら見当たらない。どうやら車の中に忘れてきてしまったみたい。
先輩から鍵を借りて駐車場へと急いだ。
やっぱり助手席のシートにスマホがあった。すぐに事務所へと戻ると道の反対側から怪しい二人連れが歩いてくる。
がっちりとした人相の悪いおじさんと細身のチャラそうな若い男だ。どちらもスーツ姿だけれど、目つきが鋭い。
不審に思っていたら目があってしまい、僕の方へと近づいてきた。
ちょうど事務所があるビルの入り口の前で僕たち三人は立ち止まった。
「ちょっとよろしいですか」
おじさんの方が声をかけてきた。人相の割に物腰は柔らかく、言葉も丁寧だ。
「なんでしょうか」
「失礼ですが、こちらの探偵事務所の方ですか」
二階の窓ガラスに大きく貼られた文字をおじさんは見上げた。
うちの事務所に来たのか。でも依頼人には見えない。
もしかして、気づかない間に僕たちはヤバいことへ首を突っ込んでいたのか。
どう答えたらいい。
ほんの短い時間のあいだに頭をフル回転させた結果、正直に答えることにした。
「はい、そうです。何か御用でしょうか」
「武者小路先生はいらっしゃいますか」
「ええ、さっき帰ってきたところです」
「そうですか。お邪魔させて頂いてもよろしいですか」
「あのぉ、何かご依頼でしょうか」
「ええ。そんなところです」
ずっとおじさんだけが話をしている。チャラい若者、と言っても僕と同じくらいかな。彼の方はむすっとしたまま興味がなさそうに少し離れて立っていた。
僕が先に立って階段を上がる。
扉を開けると芳ばしい香りが漂ってきた。
「鈴木くんの分はサーバーに残してあるから、自分で入れてね」
「先輩、お客様です」
僕が横に一歩動いて、後ろにいた二人を紹介した。
「やぁ、御手洗さんじゃないですか。どうしたんですか?」
どうやら人相の悪いおじさんは先輩の知り合いのようだ。
「ちょっと相談がありましてね」
おじさんが笑みを浮かべて先輩へ歩み寄った。若い男は扉の前に立ったまま、難しい顔をしてその二人を見ている。
「連絡をくださればよかったのに」
「事務所へお電話したのですが、お留守だったので」
「あぁすいません、出掛けていたもので。スマホの番号もお教えしておきますね」
などと二人が話をしている間に、すぅっと美咲さんがソファから立って先輩の隣へ移動する。また助手が座るべき席を奪われてしまった。
御手洗さんが先輩と向き合って座った。あいかわらず厳しい視線で先輩をにらみつけている若い男にも「どうぞ」とソファを勧めると無言のまま腰を下ろした。
お客様と僕の分の珈琲を入れて、仕方なく自分のデスクに座る。
「私と組んでいる捜査一課の伊集院です」
えっ、と言うことは刑事さんたちなのか。
伊集院と紹介された若い男はなぜか敵意を隠さず、鋭い視線を先輩に向けたまま軽く頭を下げる仕草をした。
「はじめまして、武者小路です。こちらは豪徳寺さんと助手の鈴木くん」
美咲さんが先だったけれど、僕は助手として紹介されたぞ。
よし、と思いながら僕も黙って会釈をする。
「御手洗さんが部下を連れてお越しになったとなると、何か事件ですか?」
「これから事件になりそう、と言う案件なんですがね。ぜひ先生の知恵を借りたくて」
「やだなぁ、先生なんて呼ばなくていいですよ」
僕には「先輩じゃなく、先生と呼びなさい」と言ってるくせに。
「今日は仕事でお伺いしてますから、耕ちゃんという訳にはいきません」
後で聞いたところによると、御手洗刑事は先輩のお父さんの学生時代からの友人で、先輩が小さい頃からよく遊んでもらっていたそうだ。
「で、早速ですが」
御手洗刑事が一枚のコピー紙をスーツの内ポケットから取り出し、テーブルに広げた。
『四月三日、時計の針がDからEに変わるとき 王の土器を頂戴する
怪盗ドキ』
え、まさか……。
「これは?」
先輩が上半身を前に倒したまま顔だけを上げて御手洗さんに確認の視線を送る。
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