【R18】訳あり御曹司と秘密の契約【本編完結・番外編不定期更新中】

煌めく未来へ

#５

相変わらず仕事の忙しい要さんの帰宅時間は遅いから一緒に居られる時間は限られるけれど、以前と変わらずその分家事だって手伝ってくれている。

その家事にしたって、お腹が大きくなっていくのに伴い、私の手伝いだったのがやがて要さんの役目になってきて、初めは危なっかしくて目が離せなかったのに、今では料理の手際も腕前も上達してすっかりベテラン主夫になってしまっている。

そういう要さんの優しい気遣いは非常に嬉しいし、非常に助かっているのだけれど、忙しい要さんの身体が心配で堪らない。けれど、要さんが聞いてくれる筈もなく、それに加えて、確かに大きくなってきたお腹の所為でできないことも増えてきたため、ありがたく甘えさせてもらっていた。

……が、しかし、さっきも言った通り、それは家事だけには留まらなかっのだ。

それは、ある日の夕食時にいつものように要さんと一緒に夕飯の準備をしていた時だった。

動きづらくなってきた私がダイニングテーブルにトレイに乗せた食器類を運んでいてお箸を落としてしまい、それをしゃがんで取ろうとしてもなかなか取ることができなくて。

それを見ていた要さんが、『しゃがむのも大変だな？　これからは風呂に入るのも手伝ってやるから、安心しろ』そんなことを言い出したのが事の発端だった。

それ以来、要さんが家に居る間中、私が何をするのにも要さんがずっとべったり状態の日々が続いている。

他の人たちがどうかは知らないけど、新婚だし、こういうものかなとも思うんだけど、さすがに毎日お風呂に一緒に入って、『洗いにくいだろうから洗ってやる』そう言って、恥ずかしがる私なんてスルーして、身体の隅から隅まで丁寧に洗われて、そのうち可笑しなスイッチ全開になってしまった意地悪な要さんによって、毎晩私は喘がされているのだった。

さすがに、毎晩立派な要さんのアレで可愛がるのは身重の身体に負担になるだろうと言って、私だけを気持ちよくしてくれるのだけれど、それがまた余計に恥ずかしくて仕方なかった。

＊＊＊

要さんにお姫様抱っこされて運ばれたパウダールームであっという間に身ぐるみはがされてしまった私は、バスルームの椅子へと座らされている。

要さんがいつものようにバスタブになみなみと張ったお湯に、ブクブクと粟立つタイプの入浴剤を入れると、シャワーを出し始めた。そうして当たり前のように私の髪の毛をお湯で濡らしつつ、甘やかな声で湯加減を訪ねてくれる要さん。

「美菜、熱くないか？」
「はい、気持ちいいです」
「そうか、良かった」

私の返事を聞いた要さんは無茶苦茶嬉しそうに鼻歌交じりに返事を返すとシャンプーを流しにかかる。が、ここからが問題だった。

トリートメントまでしてくれた要さんは、タオルで私の髪をまとめ上げると、今度は身体を洗い始めるのだけれど、身重でデリケートになった肌に悪いからと、手に直接ボディーソープをとって泡立てたその手で洗ってくれるものだから、ちょっと胸を触れられただけで、私はいつも甘えるような声を漏らしてしまい。

「…………っ……あっ……ふぅ」
「そんな可愛い声を聞かされたらもっと聞きたくなるだろう？　それとも美菜は俺に、もっと触れてほしくてわざとそんな声を出すのか？」
「――ええっ!?　ちがっ―ーあっ……ひゃんッ⁉」

大抵決まって、このあたりから要さんの可笑しなスイッチが全開になってしまうのだ。

背後から椅子に座っている私の胸の膨らみを両手で愛おしそうに両手でそれぞれを包み込んだ要さんの手が次第に官能的になっていく。