404 / 427
◆番外編◆ 新年に訪れた神宮寺家で☓☓☓
#23
しおりを挟む
結局あのまま寝起きの要さんによって、意地悪な言葉に攻め立てられ、言葉とは裏腹にゆるゆると時間をかけてじれったいくらいに可愛がってもらった私はいつしか深い眠りに堕ちてしまっていたようだった。
朝までぐっすりと寝入ってしまっていた私が次に目を覚ましたのは、ソファの上ではなくふかふかのベッドの布団の中で、勿論その隣には愛おしい旦那様である要さんの姿があって。
いつもの如く寝起きのいい要さんが先に起きていたようで、要さんは私の身体を腕枕したままで、寝起きでボーっとしたままでいる私の髪を愛おしそうに撫でたり、頬にそうっと優しい甘やかなキスを降らせてくれている。
徐々に覚醒していく頭の中では、昨夜の要さんとの情事のなんとも恥ずかしい映像が鮮明に蘇ってきてしまい。
たちまち私の全てを真っ赤に染め上げていく。
いくら離れだとは言え、家族全員が勢ぞろいしているご実家で、最初こそ声を必死に堪えてはいたけれど、途中からそんな余裕なんてなくなってしまったような気がする。
……というか、いつもよりもじれったくて緩やかだった筈の要さんの攻め立てに、ゆるゆると追い詰められて、気づけばじわじわと緩やかな快感に包み込まれてしまってて。
ただただ気持ち良すぎて、要さんにしがみついているのが精一杯で記憶が曖昧だけれど、そんな私が声を我慢できたとは到底思えない。
―ーそういえば、昨日、隼さんが要さんに余計なことをいう前、抱きとめてくてた時に耳打ちしてくれたっけ。
確か、意地悪な表情をした隼さんが、
『心配しなくても大丈夫ですよ? 毎年僕はこっちの本宅で寝起きしていますので、美菜さんの可愛い啼き声を聞くことはありませんからご安心ください』
とか言ってたから、その心配はないのかもしれないけれど。
でも、だからって、ここにはたくさんの使用人の方もいらっしゃる訳だし、誰かに聞かれている可能性は十二分にある訳で。
それを考えると恥ずかしさでどうにかなってしまうそうだ。
それなのに、要さんからはからかいの言葉がかけられて。
「美菜、どうした? そんなに真っ赤な顔をして、昨日俺に可愛がってもらったのを思い出して、また可愛がってほしくなってきたのか?」
「////……ち、違います」
もう恥ずかしくてどうしようもなかった私は逃げ込むようにして、要さんの胸にぎゅっとしがみついて顔を埋めて見られないようにすることしかできないでいた。
それを要さんは、嬉しそうな声音で、
「本当に美菜は出逢ったころと変わらないな? もう可愛くて可愛くてどうしようもなくて、食べてしまいたいくらいだ」
なんて冗談めかして言ってきたかと思えば、私のことを仰向けになった自身の逞しい胸に抱き上げて、優しく腕に包み込んでしばらくの間離してはくれなかった。
朝までぐっすりと寝入ってしまっていた私が次に目を覚ましたのは、ソファの上ではなくふかふかのベッドの布団の中で、勿論その隣には愛おしい旦那様である要さんの姿があって。
いつもの如く寝起きのいい要さんが先に起きていたようで、要さんは私の身体を腕枕したままで、寝起きでボーっとしたままでいる私の髪を愛おしそうに撫でたり、頬にそうっと優しい甘やかなキスを降らせてくれている。
徐々に覚醒していく頭の中では、昨夜の要さんとの情事のなんとも恥ずかしい映像が鮮明に蘇ってきてしまい。
たちまち私の全てを真っ赤に染め上げていく。
いくら離れだとは言え、家族全員が勢ぞろいしているご実家で、最初こそ声を必死に堪えてはいたけれど、途中からそんな余裕なんてなくなってしまったような気がする。
……というか、いつもよりもじれったくて緩やかだった筈の要さんの攻め立てに、ゆるゆると追い詰められて、気づけばじわじわと緩やかな快感に包み込まれてしまってて。
ただただ気持ち良すぎて、要さんにしがみついているのが精一杯で記憶が曖昧だけれど、そんな私が声を我慢できたとは到底思えない。
―ーそういえば、昨日、隼さんが要さんに余計なことをいう前、抱きとめてくてた時に耳打ちしてくれたっけ。
確か、意地悪な表情をした隼さんが、
『心配しなくても大丈夫ですよ? 毎年僕はこっちの本宅で寝起きしていますので、美菜さんの可愛い啼き声を聞くことはありませんからご安心ください』
とか言ってたから、その心配はないのかもしれないけれど。
でも、だからって、ここにはたくさんの使用人の方もいらっしゃる訳だし、誰かに聞かれている可能性は十二分にある訳で。
それを考えると恥ずかしさでどうにかなってしまうそうだ。
それなのに、要さんからはからかいの言葉がかけられて。
「美菜、どうした? そんなに真っ赤な顔をして、昨日俺に可愛がってもらったのを思い出して、また可愛がってほしくなってきたのか?」
「////……ち、違います」
もう恥ずかしくてどうしようもなかった私は逃げ込むようにして、要さんの胸にぎゅっとしがみついて顔を埋めて見られないようにすることしかできないでいた。
それを要さんは、嬉しそうな声音で、
「本当に美菜は出逢ったころと変わらないな? もう可愛くて可愛くてどうしようもなくて、食べてしまいたいくらいだ」
なんて冗談めかして言ってきたかと思えば、私のことを仰向けになった自身の逞しい胸に抱き上げて、優しく腕に包み込んでしばらくの間離してはくれなかった。
0
お気に入りに追加
1,141
あなたにおすすめの小説
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
ネカフェ難民してたら鬼上司に拾われました
瀬崎由美
恋愛
穂香は、付き合って一年半の彼氏である栄悟と同棲中。でも、一緒に住んでいたマンションへと帰宅すると、家の中はほぼもぬけの殻。家具や家電と共に姿を消した栄悟とは連絡が取れない。彼が持っているはずの合鍵の行方も分からないから怖いと、ビジネスホテルやネットカフェを転々とする日々。そんな穂香の事情を知ったオーナーが自宅マンションの空いている部屋に居候することを提案してくる。一緒に住むうち、怖くて仕事に厳しい完璧イケメンで近寄りがたいと思っていたオーナーがド天然なのことを知った穂香。居候しながら彼のフォローをしていくうちに、その意外性に惹かれていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる