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◆番外編◆ 新年に訪れた神宮寺家で☓☓☓
#10
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あっちへフラフラ~、こっちへフラフラ~、そんな状態に陥っていた私の元へ、相変わらず必死な様子の要さんから声が放たれた。
「美菜、頼むから機嫌を直してくれないか? そんなに怒ったら胎教にも悪いだろう? 美菜が俺のことをそんなに怒ってたら、お腹の子まで俺のことを怒って、生まれてきたら、きっと美菜のことを独り占めしてしまうに違いない。そんなことになったら、俺は一体どうすればいいんだ? いや、もうきっと、生きてはいけない。美菜は、俺が死んでしまってもいいのか?」
きっと要さんは、ずっとそっぽ向いた状態で無視を決め込んでいた私の態度に、不安を最大限に膨らませてしまったのだろう。
それをそのまま言葉にしちゃったもんだから、可笑しな方向にいってしまったちょっと妙なものになってしまったんだろうと思う。
それほど、要さんが必死だったということだろう。
でも、それがまるで、小さな子供が拗ねた時に言うようなものだったから、私は、もう、怒っているのがバカバカしくなってきて、気づいた時には、ふっと笑みを零してしまっていた。
知らず知らずのうちに力が入っていた身体からも、ふっと憑き物でも落ちるかのように、力と一緒に余分なものまで抜けていくような、そんな心地がする。
以前から私と要さんは、何かあってすれ違ってしまったりした時には、決まって、要さんがこんな風に我儘な子供のようなことを言ってきて、そのたびに、私はいつもコロッと許してしまっていたんだっけ……。
まだ結婚して一月も経ってないから、その時からも、まださほど月日も経ってはいないけれど、酷く懐かしく感じられる。
要さんに後ろからすっぽりと包み込まれている腕の中で、思い出し笑いをしてしまってたらしい私のことを、要さんは、自分のことを笑われたとでも思ってしまったのだろう。
もうすっかり機嫌を損ねてしまったらしい要さんは、私を怒らせてしまってたことなど、もうすっかり棚に上げて、
「そうか、よ~く分かった。美菜は俺のことなんてもうどうなってもいいんだな? もういい。さっさと皆のところにいけばいい。俺はここで一人ぼっちで寝る。途中で目を覚まして、ベランダから落っこちても知らないからな? じゃぁ、おやすみ」
そんなまたまた拗ねた子供のようなことを言ってきて、私の身体をヒョイと立ち上がらせると、そのままソファにゴロンと寝転んでふて寝を決め込んでしまった。
本当に、小さな子供みたいで、私は危うくクスッと笑いそうになってしまい、慌てて口を手で塞いでなんとか笑いを凌いだ。
「美菜、頼むから機嫌を直してくれないか? そんなに怒ったら胎教にも悪いだろう? 美菜が俺のことをそんなに怒ってたら、お腹の子まで俺のことを怒って、生まれてきたら、きっと美菜のことを独り占めしてしまうに違いない。そんなことになったら、俺は一体どうすればいいんだ? いや、もうきっと、生きてはいけない。美菜は、俺が死んでしまってもいいのか?」
きっと要さんは、ずっとそっぽ向いた状態で無視を決め込んでいた私の態度に、不安を最大限に膨らませてしまったのだろう。
それをそのまま言葉にしちゃったもんだから、可笑しな方向にいってしまったちょっと妙なものになってしまったんだろうと思う。
それほど、要さんが必死だったということだろう。
でも、それがまるで、小さな子供が拗ねた時に言うようなものだったから、私は、もう、怒っているのがバカバカしくなってきて、気づいた時には、ふっと笑みを零してしまっていた。
知らず知らずのうちに力が入っていた身体からも、ふっと憑き物でも落ちるかのように、力と一緒に余分なものまで抜けていくような、そんな心地がする。
以前から私と要さんは、何かあってすれ違ってしまったりした時には、決まって、要さんがこんな風に我儘な子供のようなことを言ってきて、そのたびに、私はいつもコロッと許してしまっていたんだっけ……。
まだ結婚して一月も経ってないから、その時からも、まださほど月日も経ってはいないけれど、酷く懐かしく感じられる。
要さんに後ろからすっぽりと包み込まれている腕の中で、思い出し笑いをしてしまってたらしい私のことを、要さんは、自分のことを笑われたとでも思ってしまったのだろう。
もうすっかり機嫌を損ねてしまったらしい要さんは、私を怒らせてしまってたことなど、もうすっかり棚に上げて、
「そうか、よ~く分かった。美菜は俺のことなんてもうどうなってもいいんだな? もういい。さっさと皆のところにいけばいい。俺はここで一人ぼっちで寝る。途中で目を覚まして、ベランダから落っこちても知らないからな? じゃぁ、おやすみ」
そんなまたまた拗ねた子供のようなことを言ってきて、私の身体をヒョイと立ち上がらせると、そのままソファにゴロンと寝転んでふて寝を決め込んでしまった。
本当に、小さな子供みたいで、私は危うくクスッと笑いそうになってしまい、慌てて口を手で塞いでなんとか笑いを凌いだ。
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