上 下
380 / 427
◆番外編◆ 夫婦になって初めての☓☓☓

#15

しおりを挟む
そんな私の耳には、緩やかな快感のさざ波を起こしていた腰の動きをピタリと止めて、私の後頭部を包み込むようにして抱き直してくれた要さんの、いつになく真剣な声音が流れ込んできて。

「さっきは、ついムキになって大人げない言い方をしてしまったが。美菜が言ってくれたのと一緒で、俺も、ずっと美菜とこうしたいと思ってた。これからも、時間の許す限り一秒でも長く深く繋がりあっていたいって思ってる。別にそれはセックスに限ったことじゃない。美菜と少しでも同じ時間を共有したくて、美菜の家事を手伝っているくらいなんだから、少しでもキツイと思ったら無理せずに言ってほしい。

念願叶って、やっと手に入れることができた俺のこの幸せを守るためにも。美菜には自分の身体のことを一番に考えてほしい。それくらい美菜のことを大事に想ってるんだ。愛してるんだ。いくら大袈裟だって言われても、心配性だって言われても、これだけは譲れない」

驚いた私が、ガバッと要さんの胸から顔を上げると、声音と同じくらい怖いくらい真剣な表情をしている要さんの綺麗なお顔が待っていたものだから。

たちまち、キューンってときめいてしまった胸の鼓動は加速するばかりだ。

こうやって、愛おしい要さんと久々に深く繋がりあうことができたことも勿論嬉しいけれど。

忙しい仕事の合間に、私のことを手伝ってくれてた要さんが、私と同じことを想ってくれていたことが嬉しくて堪らなかった。

そこまで私のことを大事に想って、愛してくれていること、それをちゃんと言葉にして伝えてくれたこと、そのなにもかも全部に、ときめいてしまったものだから堪らない。

愛おしい要さんへの愛おしさが際限なく溢れてきて、もう抑えることなんてできそうにない。

ーーこの想いを要さんにもちゃんと言葉にして伝えたい。

私は、要さんの首に両手を絡めてぎゅっと抱き着きながら、そうっと要さんの唇へと自分から口づけていて。

「こーら。またそうやって可愛いことをする。本当に俺の言ったこと分かってくれてるのか?」

「はい。要さんの言うとおりにします。だから、思う存分た~っぷりと可愛がってくださいね?」

「あぁ、分かった。それじゃぁ遠慮なくそうさせてもらうから、覚悟しろ」

「はいっ!」

甘い甘いじゃれ合うような可愛いキスを交わしつつ、なんやかんや言い合いながら、どんどん深まっていくキスに身も心もとろっとろに蕩けてゆく。

また、どちらからともなく、ぴったりと隙なくくっつけあった腰を仲良く揺らし始めて。

緩やかな甘い快楽のさざ波のなかで仲良くいつまでも彷徨い続けた。

「美菜、愛してる」

甘いキスの合間に甘い愛の言葉を囁いてくれる要さんの言葉に、私が喜べば、私のナカがキュンと要さんの昂りにキュンと強く抱きつくように絡みついて、途端に要さんの余裕ない喘ぎが零れ始める。

「要さん、愛してます」

私が甘い愛の言葉を囁いて返せば、私のナカの要さんの昂りが元気に漲って、私のナカを突き上げる要さんの腰の動きが少しばかり激しさを増して。

「……あっ……はぁ……んぅ」

私の口からは少しばかり甘さを増した嬌声が零れては、絶え間なく響く水音に交ざっては溶けてゆく。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

腹黒御曹司の独占欲から逃げられません 極上の一夜は溺愛のはじまり

春宮ともみ
恋愛
旧題:極甘シンドローム〜敏腕社長は初恋を最後の恋にしたい〜 大手ゼネコン会社社長の一人娘だった明日香は、小学校入学と同時に不慮の事故で両親を亡くし、首都圏から離れた遠縁の親戚宅に預けられ慎ましやかに暮らすことに。質素な生活ながらも愛情をたっぷり受けて充実した学生時代を過ごしたのち、英文系の女子大を卒業後、上京してひとり暮らしをはじめ中堅の人材派遣会社で総務部の事務職として働きだす。そして、ひょんなことから幼いころに面識があったある女性の結婚式に出席したことで、運命の歯車が大きく動きだしてしまい――?  *** ドSで策士な腹黒御曹司×元令嬢OLが紡ぐ、甘酸っぱい初恋ロマンス  *** ◎作中に出てくる企業名、施設・地域名、登場人物が持つ知識等は創作上のフィクションです ◆アルファポリス様のみの掲載(今後も他サイトへの転載は予定していません) ※著者既作「(エタニティブックス)俺様エリートは独占欲全開で愛と快楽に溺れさせる」のサブキャラクター、「【R18】音のない夜に」のヒーローがそれぞれ名前だけ登場しますが、もちろんこちら単体のみでもお楽しみいただけます。彼らをご存知の方はくすっとしていただけたら嬉しいです ※著者が読みたいだけの性癖を詰め込んだ三人称一元視点習作です

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【R18】お兄ちゃんと契約結婚!?~不感症でオタクなちょいぽちゃの私がスパダリ御曹司に溺愛されて恋愛フラグ争奪戦~

弓はあと
恋愛
※R18シーンは予告なく(冒頭から)入ります。ご注意ください。 私のお兄ちゃんは自分がハイスぺ男子だという自覚が無くて、小さい頃からベタな恋愛フラグを無自覚に立てまくる。 悪い女にひっかかりそうで、妹としては心配でたまらない。 え?その妹なら私もさぞかし容姿端麗、文武両道、高潔無比なお嬢様だろうですって? 残念ながら、うちの両親はお兄ちゃんに優秀な遺伝子をすべて使い切ってしまったようで。 私、佐藤琴莉(ことり)はそこらへんに石を投げれば当たるようなレベルのいたってフツーの女の子。 もうッ!お兄ちゃんッ、隙だらけで危ないよ!無駄な恋愛フラグ、私がすべてへし折ってみせるから。 ……そう思っていたのに。 ……え?うそでしょ?お父さんとお母さんが子連れ同士の事実婚で婚姻届も出してない、なんて。 それって私とお兄ちゃんが、赤の他人って事!!?? 私と結婚したいって、お兄ちゃん、冗談でしょう!?!?!? しかも流行り(?)の契約婚!?

sinful relations

雛瀬智美
恋愛
「もう会うこともないだろうが……気をつけろよ」 彼女は少し笑いながら、こくりと頷いた。 それから一緒に眠りに落ち、目覚めたのは夜が明けた頃。  年上男性×年下少女の重ねる甘く危険な罪。すれ違いじれじれからハッピー甘々な展開になります。 階段から落ちたOLと医師のラブストーリー。

【R-18】残業後の上司が甘すぎて困る

熊野
恋愛
マイペースでつかみどころのない上司とその部下の話。【R18】

【R18】男嫌いと噂の美人秘書はエリート副社長に一夜から始まる恋に落とされる。

夏琳トウ(明石唯加)
恋愛
真田(さなだ)ホールディングスで専務秘書を務めている香坂 杏珠(こうさか あんじゅ)は凛とした美人で26歳。社内外問わずモテるものの、男に冷たく当たることから『男性嫌いではないか』と噂されている。 しかし、実際は違う。杏珠は自分の理想を妥協することが出来ず、結果的に彼氏いない歴=年齢を貫いている、いわば拗らせ女なのだ。 そんな杏珠はある日社長から副社長として本社に来てもらう甥っ子の専属秘書になってほしいと打診された。 渋々といった風に了承した杏珠。 そして、出逢った男性――丞(たすく)は、まさかまさかで杏珠の好みぴったりの『筋肉男子』だった。 挙句、気が付いたら二人でベッドにいて……。 しかも、過去についてしまった『とある嘘』が原因で、杏珠は危機に陥る。 後継者と名高いエリート副社長×凛とした美人秘書(拗らせ女)の身体から始まる現代ラブ。 ▼掲載先→エブリスタ、ベリーズカフェ、アルファポリス(性描写多め版)

快楽のエチュード〜父娘〜

狭山雪菜
恋愛
眞下未映子は、実家で暮らす社会人だ。週に一度、ストレスがピークになると、夜中にヘッドフォンをつけて、AV鑑賞をしていたが、ある時誰かに見られているのに気がついてしまい…… 父娘の禁断の関係を描いてますので、苦手な方はご注意ください。 月に一度の更新頻度です。基本的にはエッチしかしてないです。 こちらの作品は、「小説家になろう」でも掲載しております。

俺様エリートは独占欲全開で愛と快楽に溺れさせる

春宮ともみ
恋愛
旧題:愛と快楽に溺れて ◆第14回恋愛小説大賞【奨励賞】受賞いたしました  応援頂き本当にありがとうございました*_ _) --- 私たちの始まりは傷の舐めあいだった。 結婚直前の彼女にフラれた男と、プロポーズ直前の彼氏に裏切られた女。 どちらからとなく惹かれあい、傷を舐めあうように時間を共にした。 …………はずだったのに、いつの間にか搦めとられて身動きが出来なくなっていた。 肉食ワイルド系ドS男子に身も心も溶かされてじりじりと溺愛されていく、濃厚な執着愛のお話。 --- 元婚約者に全てを砕かれた男と 元彼氏に"不感症"と言われ捨てられた女が紡ぐ、 トラウマ持ちふたりの時々シリアスじれじれ溺愛ストーリー。 --- *印=R18 ※印=流血表現含む暴力的・残酷描写があります。苦手な方はご注意ください。 ◎タイトル番号の横にサブタイトルがあるものは他キャラ目線のお話です。 ◎恋愛や人間関係に傷ついた登場人物ばかりでシリアスで重たいシーン多め。腹黒や悪役もいますが全ての登場人物が物語を経て成長していきます。 ◎(微量)ざまぁ&スカッと・(一部のみ)下品な表現・(一部のみ)無理矢理の描写あり。稀に予告無く入ります。苦手な方は気をつけて読み進めて頂けたら幸いです。 ◎作中に出てくる企業、情報、登場人物が持つ知識等は創作上のフィクションです。 ◆20/5/15〜(基本)毎日更新にて連載、20/12/26本編完結しました。  処女作でしたが長い間お付き合い頂きありがとうございました。 ▼ 作中に登場するとあるキャラクターが紡ぐ恋物語の顛末  →12/27完結済 https://www.alphapolis.co.jp/novel/641789619/770393183 (本編中盤の『挿話 Our if story.』まで読まれてから、こちらを読み進めていただけると理解が深まるかと思います)

処理中です...