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◆番外編◆ なにより愛しいもの~side要~

#13

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いくら余裕がないとはいえ、あんまりな言い方だったと自分でも思う。

それなのに、俺に組み敷かれている美菜は、なんの躊躇いもなく、いつもの素直さですぐに「はい」なんて返事を返してくる。

俺は、美菜が自分のおかれているこの状況が分かっているのかと心配になって。

「『はい』なんて言って、どうなっても知らないぞ?」

ちょっと抜けてるところのある可愛い美菜に最後の確認として、情けをかける俺に対し。

「要さんにならどんなことされてもいい」

美菜が放ってきたものはそんな言葉で。

俺の言葉の意図するものがどういうことなのかを美菜が分かって言ってることが窺えた。

単純な俺は、美菜への愛しさが込み上げてきて胸がキューンとなる。

その所為で、さっきまでの勢いを削がれてしまった俺は、高圧的な物言いからうって変わって優しい口調になっていて。

「そんなこと言われたら、手加減なんかしてやれなくなるだろう?」

「その方がいい。私が知らない要さんのこと、もっともっと知りたい」

「なら、手加減なんてしない。イヤってくらい教えてやる。俺も、もっともっと美菜のことが知りたい。美菜の初めてだけじゃなく、これから先も、最後に抱くのも、美菜の何もかも全部、俺だけのものにしたい。それでも、いいのか?」

「はい」

「……美菜には敵わないな」

「……え?」

俺が放つ言葉に対して、なんの躊躇いもなく、どこまでも可愛いことを言って返してくる美菜。

俺が思わずこぼしてしまった言葉に、聞こえなかったのか、意味が分からないのか、美菜がキョトンとして首を傾げるその様さままでもが堪らなく愛おしい。

ついさっき、美菜が俺から離れられなくしてやる、なんて思ったけれど、実際には、俺の方が美菜から離れられなくなってるんだということに、気づかされた瞬間だった。

そんな可愛くて愛おしくて堪らない美菜を俺は今一度腕の中に閉じ込めぎゅっと強く抱き締めて。

不思議そうな声を出す美菜に、「いや、なんでもない」なんてことを言いながら。

これから先の未来でも、美菜にずっと好きで居てもらえるような男になりたい。

もっともっと好きになって欲しい。

――俺が美菜のことを想っているように、愛して欲しい。

美菜の身体にそんな想いを刻み込むようにして、抱き締める腕にさらに力を籠めて強く強く抱き締めると。

俺と同じように、腕の中の美菜がギュッと俺の胸にしがみついてくる。

暫く抱き締めあって、美菜のことを間近で見つめれば、また同じように見つめ返してくる美菜の綺麗な瞳が艶っぽく潤んでいるように見える。

美菜の瞳にスーっとまるで引き寄せられるようにして近づくと、美菜がゆっくりと瞼を伏せるのが見えて。

俺はこれからの美菜との甘い一時に、逸る気持ちと、高鳴り続ける鼓動を自分ではどうすることもできないまま、まるで童貞のような気持ちで美菜の柔らかな唇に口づけを降らせた。

この時の俺は、柄にもなく、少しでも気を抜くと震えてしまいそうになるのを、美菜に気取られないようにするのに必死だった。

さっきは、愛しい美菜のことが大事すぎて、童貞並みに、このまま自分をコントロールできないんじゃないかと心配で。

だからこそ、夢中になり過ぎて、加減できずに、美菜のことを壊してしまいそうで、触れてしまうのが怖くて堪らなかった。

けれど美菜にかかれば、俺は簡単にどうとでもなってしまうため、愛しい美菜と口づけを交わして、愛しい美菜の柔肌にやわやわと優しく触れて解している間に、俺はいつもの調子を取り戻していて。

――本当に、自分でも単純なヤツだなと呆れてしまう。

一方の美菜はといえば、変わらず恥ずかしがり屋の可愛い美菜ではあるが、俺の与える愉悦に甘い声を雫して、恥ずかしそうに身を捩りながらも……。

俺のアレがもっと元気になるように、懸命に手で優しく包み込んでたどたどしい手つきでゆっくりと撫で上げてくるものだから。

美菜の可愛い手の中で、俺のアレはみるみる元気に膨張し、それに伴い硬度もグングン増して、元気に蠢くもんだから窮屈で仕方ない。

さっき削がれてしまった勢いを完全に取り戻した俺の元気なアレは、もうそれだけで、危うく達してしまいそうになる。

「みっ、美菜、もう……充分だ。ありがとう」

俺はアレが役目を果たさないうちに達してしまわないように、美菜に待ったをかけ。

愛しい美菜にお礼をかねて、美菜の柔らかな唇に何度か優しく口づけてから、首筋を辿って胸の膨らみも隈くまなく丁寧に愛撫して。

「……あっ……や、あんっ……ンン」

下腹部や茂みを抜けて花芯や泥濘へとたどり着いた俺は、最後の仕上げとばかりに。

潮を吹くまで丹念に、クチュクチュと派手な水音を立てながら、それぞれ舐めたり吸ったりを繰り返した。

「いやぁああああ――!!」

結果として、美菜に、悲鳴のような嬌声を上げさせて、見事にイカせることができたのだった。
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