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◆番外編◆ なにより愛しいもの~side要~
#9
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そう言った後で、俺の言葉を聞いた美菜が一体どう思って、なんと言ってくるかが、怖くて仕方なくなって。
そんな弱い自分に辟易しながら、美菜からの反応を待っているのに堪えきれなくなって……。
でも、言ってしまった以上は、美菜が何を言ってこようが、それを受け入れることになってしまう訳で。
今更ながらに、自分のしてきたことを悔いたところで、どうにかなる訳もない。
それでも、いや、だからこそ、美菜の反応が怖くて堪らない俺は、言い逃げする気はなかったのだけれど、なんともいたたまれない気持ちになってしまって。
結局は、美菜の視線から逃れるために組み敷いていた美菜から離れると。
美菜に背を向けるようにして、ベッドの淵へと移動し腰を下ろして、力なく頭こうべを垂れて。
そうこうしているうち、ベッドで横たわっていた美菜が身動ぎする気配がして、堪らず俺は瞼を強く閉ざした。
こんな状況に追い込まれることなど生まれて一度もなかったため、もうどうしていいか分からなくなってしまって、テンパってしまってる情けない俺は、
「……今さら、そんなこと謝れても困るよな? 最低だよな? 軽蔑されても、仕方ないって思ってる。ごめん」
きっと美菜が思っているだろうことを先回りするように放って、また謝って。
後はもう運や天に身を任せるしかないなんて、今まで美菜に見せてきた傍若無人な俺には、おおよそ似つかわしくないような、本当に情けないことを思ってしまっていた。
そんな情けない姿を晒してしまっている俺の背中に、起き上がってきたらしい美菜が抱きついてきて。
「……ご、ごめんなさい。まだ、頭の中、混乱してて……。あれ? どうしちゃったんだろ? 涙が止まんない」
急に、俺が色々言った所為で話の内容の理解と整理が追い付いていない様子の美菜が謝ってきたかと思えば、折角泣き止んでたっていうのに、再び泣き出してしまったらしい美菜。
またまた泣かしてしまった様子の美菜のことが心配で、焦った俺が、
「美菜、ごめん」
そう声をかけながら、美菜に向き直って顔を覗き込もうとした瞬間ときに、また美菜の方からまた俺に抱きついてきて。
「……ち、違う。ごめんなさい。まさか、そんな風に、言って貰えると、思ってなくて、嬉しくて……。泣いっちゃって、ごめん、なさい。そ、それに、軽蔑なんて、する訳、ない。こんなに、大好き、なんだもん」
あんなに酷いことをしてしまった俺に、泣きながらに、それでもなんとか自分の気持ちを俺に伝えようと、懸命に言葉を紡ぎ出そうとしてくれている美菜に、胸が熱くなってくる。
少しでも気を抜いてしまったら、俺も美菜と同じように泣してしまいそうで、でもこれ以上、男として、美菜に情けない姿を見せたくなくて。
「美菜、分かった。分かったから、もう泣くな」
けれど、そんなことぐらいしか声をかけることもできずに、俺の腕の中で、泣き続ける美菜の涙は止まるどころかどんどん溢れて勢いは増すばかりで。
ただただ俺は美菜を抱き締めて背中を擦ってやることしかできないのだった。
そんな弱い自分に辟易しながら、美菜からの反応を待っているのに堪えきれなくなって……。
でも、言ってしまった以上は、美菜が何を言ってこようが、それを受け入れることになってしまう訳で。
今更ながらに、自分のしてきたことを悔いたところで、どうにかなる訳もない。
それでも、いや、だからこそ、美菜の反応が怖くて堪らない俺は、言い逃げする気はなかったのだけれど、なんともいたたまれない気持ちになってしまって。
結局は、美菜の視線から逃れるために組み敷いていた美菜から離れると。
美菜に背を向けるようにして、ベッドの淵へと移動し腰を下ろして、力なく頭こうべを垂れて。
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こんな状況に追い込まれることなど生まれて一度もなかったため、もうどうしていいか分からなくなってしまって、テンパってしまってる情けない俺は、
「……今さら、そんなこと謝れても困るよな? 最低だよな? 軽蔑されても、仕方ないって思ってる。ごめん」
きっと美菜が思っているだろうことを先回りするように放って、また謝って。
後はもう運や天に身を任せるしかないなんて、今まで美菜に見せてきた傍若無人な俺には、おおよそ似つかわしくないような、本当に情けないことを思ってしまっていた。
そんな情けない姿を晒してしまっている俺の背中に、起き上がってきたらしい美菜が抱きついてきて。
「……ご、ごめんなさい。まだ、頭の中、混乱してて……。あれ? どうしちゃったんだろ? 涙が止まんない」
急に、俺が色々言った所為で話の内容の理解と整理が追い付いていない様子の美菜が謝ってきたかと思えば、折角泣き止んでたっていうのに、再び泣き出してしまったらしい美菜。
またまた泣かしてしまった様子の美菜のことが心配で、焦った俺が、
「美菜、ごめん」
そう声をかけながら、美菜に向き直って顔を覗き込もうとした瞬間ときに、また美菜の方からまた俺に抱きついてきて。
「……ち、違う。ごめんなさい。まさか、そんな風に、言って貰えると、思ってなくて、嬉しくて……。泣いっちゃって、ごめん、なさい。そ、それに、軽蔑なんて、する訳、ない。こんなに、大好き、なんだもん」
あんなに酷いことをしてしまった俺に、泣きながらに、それでもなんとか自分の気持ちを俺に伝えようと、懸命に言葉を紡ぎ出そうとしてくれている美菜に、胸が熱くなってくる。
少しでも気を抜いてしまったら、俺も美菜と同じように泣してしまいそうで、でもこれ以上、男として、美菜に情けない姿を見せたくなくて。
「美菜、分かった。分かったから、もう泣くな」
けれど、そんなことぐらいしか声をかけることもできずに、俺の腕の中で、泣き続ける美菜の涙は止まるどころかどんどん溢れて勢いは増すばかりで。
ただただ俺は美菜を抱き締めて背中を擦ってやることしかできないのだった。
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