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◆番外編◆ かなわないもの~side要~
#14
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「……えっ? 今、なんて言ったんですか?」
それを美菜に訊き返されてしまっても、今さら何か言ったところで、言い訳にしかならない。
そう思いながらも、このまま何も言わないでいれば、美菜が不安になるかも知れないしと思い美菜を見れば……。
キョトとしてて、その目尻には透明な雫が滲んでいて。それを指で拭ってやると、心地がいいのか美菜は目を細めてうっとりとし始めた。
「……ん? あぁ……いや、別に、只の独り言だ。気にしなくていい」
俺の掛けた言葉にも、反応が薄くなるほどに……。
あんまり心地良さ気にするもんだから、そんな美菜が愛おしくて可愛くて、見惚れてしまう俺は、きっと美菜が望むことならなんだってしてしまうんだろうと思う。
だから、せめて、今さらだって思われるかもしれないが、美菜のことを大事にさせてほしい。
「それより、美菜」
「はい」
「今日はここまでにさせてほしい」
そんな想いで言った俺の言葉に、
「嫌です。続けてくだしゃい……」
いつもは素直な筈の美菜からは、今日は、かたくななこんな言葉しか返ってこない。
数日間、入院していた所為なのかも知れないけれど、聞き分けのない小さな子供が泣きながら訴えてくるようなそんな口調の美菜。
こういう美菜も可愛いけれど、やっぱり笑ってて欲しいと思う俺は、なんとかして泣き止ませたくて……。
「美菜、どうした? そんなに泣かなくてもいいだろう?」
でも、雫を拭いながら、そんなことぐらいしか言えなくて。
「……だって」
「ん? どうした?」
そんな俺の気持ちが伝わったのか、やっと、何かを返そうとしてくれる美菜のことを優しく促してやると。
「ど、どうしてですか? どうして……途中でやめるなんて、そんなこと……言うんですか?」
ようやく、美菜が疑問に思っていたらしいことを口にしてくれた。
「どうしてって……それは、今までさんざん無理をさせてきた俺が言うのも説得力に欠けるし、今さらなんだが……。これからは、美菜のことを大事にしたい……そう思ってのことだ」
だから、美菜には、今さらだと呆れられることを覚悟で、それでも、この想いが少しでも伝わってくれることを祈りながら伝えた。
「それでも、美菜はどうしても続けたいのか?」
けど、もし、そうであるのなら、それも叶えてやりたいとも思う。
俺は、美菜が望むことなら、なんだって叶えてやりたいのだから。
「……そういうことなら、我慢します」
そんな風に思っていた俺の想いが届いたのか、俺の言葉を聞いた美菜が俺の胸に飛びつくようにしてしがみついてきて、首を左右に何度か振りながら、ちゃんと受け入れてくれたことにホッと胸を撫で下ろすことができた。
「そうか、なら良かった。実は、まだ三分の一も挿入できてなかったから、どっちにしろ、あれ以上は無理だっただろうけどな」
「……へ?」
「あぁ、悪い。美菜に分かりやすく言えば、人より少しばかりサイズが大きくて、処女の美菜には、一度じゃ無理ってことだから、そんなにがっかりすることはないってことだ」
「……えっ!?」
「そんなに心配しなくても、時間をかけてたーっぷりと、大事に優しく慣らしていくから安心しろ。それに、美菜はこーいうことに興味があるようだから、色々手取り足取り教えてやるから。安心しろ」
「////」
俺の言葉を美菜に聞き入れてもらえて、ホッとしたのも束の間。
こういうことに不慣れで知識の乏しい美菜に、俺は分かりやすく説明してから、恥ずかしそうに真っ赤になって身悶えている美菜をそっとベッドに寝かせると、
「まだ夕飯には早いから、ゆっくり寝てるんだぞ?」
そういって、未だ燻りつづける可哀想な俺自身を慰めてやるために、バスルームにでも行こうかと、美菜から離れようとしたら、羽織ったばかりのバスローブの裾が何故か引っ張られて歩みを阻まれてしまった。
それを美菜に訊き返されてしまっても、今さら何か言ったところで、言い訳にしかならない。
そう思いながらも、このまま何も言わないでいれば、美菜が不安になるかも知れないしと思い美菜を見れば……。
キョトとしてて、その目尻には透明な雫が滲んでいて。それを指で拭ってやると、心地がいいのか美菜は目を細めてうっとりとし始めた。
「……ん? あぁ……いや、別に、只の独り言だ。気にしなくていい」
俺の掛けた言葉にも、反応が薄くなるほどに……。
あんまり心地良さ気にするもんだから、そんな美菜が愛おしくて可愛くて、見惚れてしまう俺は、きっと美菜が望むことならなんだってしてしまうんだろうと思う。
だから、せめて、今さらだって思われるかもしれないが、美菜のことを大事にさせてほしい。
「それより、美菜」
「はい」
「今日はここまでにさせてほしい」
そんな想いで言った俺の言葉に、
「嫌です。続けてくだしゃい……」
いつもは素直な筈の美菜からは、今日は、かたくななこんな言葉しか返ってこない。
数日間、入院していた所為なのかも知れないけれど、聞き分けのない小さな子供が泣きながら訴えてくるようなそんな口調の美菜。
こういう美菜も可愛いけれど、やっぱり笑ってて欲しいと思う俺は、なんとかして泣き止ませたくて……。
「美菜、どうした? そんなに泣かなくてもいいだろう?」
でも、雫を拭いながら、そんなことぐらいしか言えなくて。
「……だって」
「ん? どうした?」
そんな俺の気持ちが伝わったのか、やっと、何かを返そうとしてくれる美菜のことを優しく促してやると。
「ど、どうしてですか? どうして……途中でやめるなんて、そんなこと……言うんですか?」
ようやく、美菜が疑問に思っていたらしいことを口にしてくれた。
「どうしてって……それは、今までさんざん無理をさせてきた俺が言うのも説得力に欠けるし、今さらなんだが……。これからは、美菜のことを大事にしたい……そう思ってのことだ」
だから、美菜には、今さらだと呆れられることを覚悟で、それでも、この想いが少しでも伝わってくれることを祈りながら伝えた。
「それでも、美菜はどうしても続けたいのか?」
けど、もし、そうであるのなら、それも叶えてやりたいとも思う。
俺は、美菜が望むことなら、なんだって叶えてやりたいのだから。
「……そういうことなら、我慢します」
そんな風に思っていた俺の想いが届いたのか、俺の言葉を聞いた美菜が俺の胸に飛びつくようにしてしがみついてきて、首を左右に何度か振りながら、ちゃんと受け入れてくれたことにホッと胸を撫で下ろすことができた。
「そうか、なら良かった。実は、まだ三分の一も挿入できてなかったから、どっちにしろ、あれ以上は無理だっただろうけどな」
「……へ?」
「あぁ、悪い。美菜に分かりやすく言えば、人より少しばかりサイズが大きくて、処女の美菜には、一度じゃ無理ってことだから、そんなにがっかりすることはないってことだ」
「……えっ!?」
「そんなに心配しなくても、時間をかけてたーっぷりと、大事に優しく慣らしていくから安心しろ。それに、美菜はこーいうことに興味があるようだから、色々手取り足取り教えてやるから。安心しろ」
「////」
俺の言葉を美菜に聞き入れてもらえて、ホッとしたのも束の間。
こういうことに不慣れで知識の乏しい美菜に、俺は分かりやすく説明してから、恥ずかしそうに真っ赤になって身悶えている美菜をそっとベッドに寝かせると、
「まだ夕飯には早いから、ゆっくり寝てるんだぞ?」
そういって、未だ燻りつづける可哀想な俺自身を慰めてやるために、バスルームにでも行こうかと、美菜から離れようとしたら、羽織ったばかりのバスローブの裾が何故か引っ張られて歩みを阻まれてしまった。
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