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揺らめく心と核心~後編~
#5
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――いつもいつもどうして私はこんな反応しかできないんだろう?
もっとスマートに、もっと大人に、なんてできないのは仕方ないにしても、『はい』といってにっこり頷くぐらい、できただろうに……。
……なんて、ひとり脳内反省会を繰り広げていた私の耳に、
「……美菜が嫌なら、今すぐでなくてもいいんだ。急かしてしまい悪かった」
要さんのさっきまでとは明らかに違う、シュンとした暗い声が流れ込んできた。
その声にハッとした私が顔を上げると、そこには、声同様に、シュンとした暗い表情の要さんの姿があって。
たちまち私の胸は、キューって強く締め付けられたように苦しくなってくる。
――あーぁ、まったやってしまった。
焦った私は、シュンとしてしまっている要さんに、ぎゅうと抱きつきながら、
「嫌じゃないですっ! もしかしてキスでもされるんじゃないかって期待しちゃって。だから、ビックリしちゃっただけなんですっ」
勢い任せに、言わなくてもいいことまで口走ってしまうのだった。
それを聞いた要さんは、数秒間、呆気にとられたようにポカンとしていたものの。
すぐに気を取り直したように、いつもの如く、少々可笑しなスイッチが入ってしまったらしく。
「……そうか。なら、一刻も早く期待に応えないといけないなぁ」
「////」
要さんに甘く囁かれ、耳朶まで唇で食むようにして擽られてしまえば……。
ぶり返した胸のドキドキと期待感に、あらぬ妄想までが押し寄せてきてしまうから。
もうそれだけでふにゃってしまった私は、妖艶さマシマシの要さんによって、蕩けるような甘い口づけで、時間をかけてゆっくりと、骨抜きにされてしまうのだった。
そして、数分が経た頃には……。
要さんとソファで隣り合って座っていた筈の私は、気づいた時には、何故か要さんに膝枕されていて。
なんだか、身体がふわふわとしていて、まるで空に浮かぶ雲の上にでも寝転んでいるようで、とっても心地いい。
ポーっとしてしまっている私は、どうやら放心してしまっているようで、視界もぼやけてしまってて、要さんの綺麗なお顔もよく見えない。
――それが、無性に寂しくて堪らない。
そしたら、そこへ……
「美菜? 大丈夫か?」
なんとも絶妙なタイミングで、要さんの心配そうな声が降ってきて、そこでようやく私は正気を取り戻したのだった。
それと同時に、少し前、キスの合間に、要さんが身重の私のことを気遣ってくれて、
「……これ以上は、身体に障ったら大変だ」
そう言って、私の身体から離れていこうとする要さんの首に、絡めていた腕をグイと引き寄せつつ、
「……やだ、もっと」
なんて、駄々っ子のようなことを言って”キスのおねだり”をしてしまってたことまで思い出してしまった私は、返す言葉もなく、
「////」
これ以上にないってくらい真っ赤になって見悶えることになってしまったのだった。
――恥ずかしすぎる。消えてしまいたい……。
なんてことを思ったところで、消えてしまえる筈もなく、膝枕してくれている要さんの身体に抱きついて顔を隠すのが関の山だった。
そんな私のことを見ていた要さんが、不意に身じろぎする気配がして、からかわれるとばかり思っていた私が身構えようとした、ちょうどその瞬間、
「なぁ、美菜? さっきの入籍のことなんだが……。美菜の誕生日である十二月三日はどうだろう? その頃なら安定期に入っているし、悪阻も落ち着いてるだろうから、式もその頃に挙げないか?」
今度は、入籍に加えて、結婚式まで加わった、この要さんからの提案に、私はまたまた肩透かしを食らう羽目になった。
もっとスマートに、もっと大人に、なんてできないのは仕方ないにしても、『はい』といってにっこり頷くぐらい、できただろうに……。
……なんて、ひとり脳内反省会を繰り広げていた私の耳に、
「……美菜が嫌なら、今すぐでなくてもいいんだ。急かしてしまい悪かった」
要さんのさっきまでとは明らかに違う、シュンとした暗い声が流れ込んできた。
その声にハッとした私が顔を上げると、そこには、声同様に、シュンとした暗い表情の要さんの姿があって。
たちまち私の胸は、キューって強く締め付けられたように苦しくなってくる。
――あーぁ、まったやってしまった。
焦った私は、シュンとしてしまっている要さんに、ぎゅうと抱きつきながら、
「嫌じゃないですっ! もしかしてキスでもされるんじゃないかって期待しちゃって。だから、ビックリしちゃっただけなんですっ」
勢い任せに、言わなくてもいいことまで口走ってしまうのだった。
それを聞いた要さんは、数秒間、呆気にとられたようにポカンとしていたものの。
すぐに気を取り直したように、いつもの如く、少々可笑しなスイッチが入ってしまったらしく。
「……そうか。なら、一刻も早く期待に応えないといけないなぁ」
「////」
要さんに甘く囁かれ、耳朶まで唇で食むようにして擽られてしまえば……。
ぶり返した胸のドキドキと期待感に、あらぬ妄想までが押し寄せてきてしまうから。
もうそれだけでふにゃってしまった私は、妖艶さマシマシの要さんによって、蕩けるような甘い口づけで、時間をかけてゆっくりと、骨抜きにされてしまうのだった。
そして、数分が経た頃には……。
要さんとソファで隣り合って座っていた筈の私は、気づいた時には、何故か要さんに膝枕されていて。
なんだか、身体がふわふわとしていて、まるで空に浮かぶ雲の上にでも寝転んでいるようで、とっても心地いい。
ポーっとしてしまっている私は、どうやら放心してしまっているようで、視界もぼやけてしまってて、要さんの綺麗なお顔もよく見えない。
――それが、無性に寂しくて堪らない。
そしたら、そこへ……
「美菜? 大丈夫か?」
なんとも絶妙なタイミングで、要さんの心配そうな声が降ってきて、そこでようやく私は正気を取り戻したのだった。
それと同時に、少し前、キスの合間に、要さんが身重の私のことを気遣ってくれて、
「……これ以上は、身体に障ったら大変だ」
そう言って、私の身体から離れていこうとする要さんの首に、絡めていた腕をグイと引き寄せつつ、
「……やだ、もっと」
なんて、駄々っ子のようなことを言って”キスのおねだり”をしてしまってたことまで思い出してしまった私は、返す言葉もなく、
「////」
これ以上にないってくらい真っ赤になって見悶えることになってしまったのだった。
――恥ずかしすぎる。消えてしまいたい……。
なんてことを思ったところで、消えてしまえる筈もなく、膝枕してくれている要さんの身体に抱きついて顔を隠すのが関の山だった。
そんな私のことを見ていた要さんが、不意に身じろぎする気配がして、からかわれるとばかり思っていた私が身構えようとした、ちょうどその瞬間、
「なぁ、美菜? さっきの入籍のことなんだが……。美菜の誕生日である十二月三日はどうだろう? その頃なら安定期に入っているし、悪阻も落ち着いてるだろうから、式もその頃に挙げないか?」
今度は、入籍に加えて、結婚式まで加わった、この要さんからの提案に、私はまたまた肩透かしを食らう羽目になった。
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