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一難去ったその後で
#12
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要さんがのしかかってきたことで、ぴったりと密着した身体に直に伝わってくる要さんの昂ぶりは、さっきよりも硬度を増していて、今にも弾けてしまいそうなほど元気にそそり立っているご様子だ。
一月ほど前までEDだったなんて思えないような、その元気な昂ぶりに、私にちゃんと反応してくれてるんだ、という嬉しさがこみ上げる。
そして、それまで愛おしいと思ってしまう私も、要さんに感化されて、可笑しなスイッチが入ってしまっているのかもしれない。
昨日に引き続き、要さんの自分に対する愛情をめいっぱい実感できたことで、どうやら可笑しなスイッチが入ってしまっているらしい私は、
「要さん? いつも要さんに気持ちよくしてもらってばかりなんで、今夜はお仕置きも兼ねて、私にさせてください」
今から私のことを可愛がろうと、私の肩までの薄茶色の猫っけの髪を耳に掛けて撫でつけ、優しいキスの雨を降らしつつ、今まさにバスローブの腰紐に手をかけようとしていた要さんに、そう言い放ったのだが……。
まさか私がそんなことを言うとは夢にも思っていなかったのだろう要さんは、驚いているのか、手にした腰紐を持ったまま瞠目して、私の顔を見つめ返してくるだけで、返答がない。
――嫌なのかな?
勢いで言ってはみたものの、心配になってきた私が、
「……ダメ、ですか?」
恐る恐る要さんの顔を上目遣いに見つめながら、遠慮気味にお伺いを立ててみれば。
心なしか、首から顔に掛けてほんのりと色づけてフリーズしてしまわれた要さん。
――わっ、可愛い。
もしかして、照れちゃってるのかな?
珍しい反応を見せる要さんの貴重な姿に萌えた私が、釘付け状態になっているところへ、フリーズ状態だった要さんは、私の顔の横の布団の上へと崩れこむようにして顔面からダイブし、
「……タイム」
力なくそう言うと、うつ伏せになったままの体勢で動かなくなってしまわれた。
それからおよそ数十秒。
「要さん? どうしちゃったんですか? ねぇ、要さん、大丈夫ですか?」
布団に突っ伏したまま、なんの反応も見せない要さんのことが心配になってきた私が、起き上がって、要さんの背中を何度かゆすっていると、
「……大丈夫だ、心配ない。美菜の上目遣いで危うくイキそうになっただけだ。
それより美菜、確かにお仕置きするとは言ったが、美菜に無理をさせようとは思ってない。だから余計な気遣いは無用だ。美菜はただ俺に黙って抱かれていればいい」
さっきの私の上目遣いのどこにそんな要素があったのか、私にはさっぱり理解できないけれど……。
要さんがムクリと起き上がって、そう言ってくると、さっきの私の言葉をきっぱりと断ってきた。
そして、私の身体を再び布団の上で横たえ、その上にそうっとのしかかって組み敷こうとする要さん。
けれど、可笑しなスイッチ全開になってしまっている私は、そうはさせるかと、要さんの身体を押しやって、逆に組み敷く体勢へと持ち込むことに成功し、
「無理なんかしてません。いっつも要さんにしてもらうばっかりは嫌です。私も要さんに気持ちよくなってもらいたいんです……けど、……そんなに嫌ですか?」
尚も食い下がりかけたものの。
想いを告げたあの日、バスルームで処理を手伝って以来、何度か手ではやったことはあっても、いつもしてもらってばかりいたため、上手くやれる自信もなく……。
要さんが嫌がっているのかもと思うと、強く言い切ることもできない。
さっきまでの勢いが嘘だったかのように、気落ちしてシュンとしてしまい、要さんの胸の上に置いた自分の手を、俯きぎみに見つめたままでいる。
そんな私の耳に、
「俺はただ美菜に無理をさせたくなかっただけで、いやなわけじゃない。そこまでいうなら、美菜に任せる」
シュンとした私の様子に見兼ねてか、考えを改めてくれたらしい要さんの声が届いた。
嫌がってるわけじゃないんだ、と分かった私は、要さんのバスローブを肩からずらすと、そのまま要さんの露になった胸の先へと唇を寄せて口に含み、ちゅうっと強く吸い付いた。
「……ぅっ……」
途端に、要さんの悩まし気に呻くような艶っぽい声が聞こえてきて。
――良かった。男の人も気持ちいいものなんだ。
気をよくしてしまった私は、胸の先を含んだままで、バスローブの腰紐を解いて合わせの隙間から要さんの昂ぶりへとそうっと手を伸ばした。
それからゆっくりと包み込むようにして手中に収めると、滾るように熱くなった昂ぶりが、脈を打っている感触が手に直に伝わってきて。昂ぶりを受け入れた時の感覚を思い出し、下腹部がキュンと疼いた。
同時に、蜜が滲み出るその感触に、また妙な気持ちになってくる。
それを知ってか知らずか、私の隙をつくように、急に要さんに腕を強い力で引かれ、気づいた時には、組み敷いた要さんの上で、私は要さんの顔の前に脚を開いて四つん這いになっていて。
私の目の前には、私の下で、同じように脚を開いている要さんの昂ぶりが、元気な反応を示している雄々しい姿がそこにあるという、なんとも恥ずかしすぎる光景が視界いっぱいに映し出されている。
「俺も美菜を気持ちよくさせたいから、これでおあいこだ」
「////」
そしてそこへ、要さんの妙案を思いついたと言わんばかりの、誇らしげな声が響き渡るのだった。
一月ほど前までEDだったなんて思えないような、その元気な昂ぶりに、私にちゃんと反応してくれてるんだ、という嬉しさがこみ上げる。
そして、それまで愛おしいと思ってしまう私も、要さんに感化されて、可笑しなスイッチが入ってしまっているのかもしれない。
昨日に引き続き、要さんの自分に対する愛情をめいっぱい実感できたことで、どうやら可笑しなスイッチが入ってしまっているらしい私は、
「要さん? いつも要さんに気持ちよくしてもらってばかりなんで、今夜はお仕置きも兼ねて、私にさせてください」
今から私のことを可愛がろうと、私の肩までの薄茶色の猫っけの髪を耳に掛けて撫でつけ、優しいキスの雨を降らしつつ、今まさにバスローブの腰紐に手をかけようとしていた要さんに、そう言い放ったのだが……。
まさか私がそんなことを言うとは夢にも思っていなかったのだろう要さんは、驚いているのか、手にした腰紐を持ったまま瞠目して、私の顔を見つめ返してくるだけで、返答がない。
――嫌なのかな?
勢いで言ってはみたものの、心配になってきた私が、
「……ダメ、ですか?」
恐る恐る要さんの顔を上目遣いに見つめながら、遠慮気味にお伺いを立ててみれば。
心なしか、首から顔に掛けてほんのりと色づけてフリーズしてしまわれた要さん。
――わっ、可愛い。
もしかして、照れちゃってるのかな?
珍しい反応を見せる要さんの貴重な姿に萌えた私が、釘付け状態になっているところへ、フリーズ状態だった要さんは、私の顔の横の布団の上へと崩れこむようにして顔面からダイブし、
「……タイム」
力なくそう言うと、うつ伏せになったままの体勢で動かなくなってしまわれた。
それからおよそ数十秒。
「要さん? どうしちゃったんですか? ねぇ、要さん、大丈夫ですか?」
布団に突っ伏したまま、なんの反応も見せない要さんのことが心配になってきた私が、起き上がって、要さんの背中を何度かゆすっていると、
「……大丈夫だ、心配ない。美菜の上目遣いで危うくイキそうになっただけだ。
それより美菜、確かにお仕置きするとは言ったが、美菜に無理をさせようとは思ってない。だから余計な気遣いは無用だ。美菜はただ俺に黙って抱かれていればいい」
さっきの私の上目遣いのどこにそんな要素があったのか、私にはさっぱり理解できないけれど……。
要さんがムクリと起き上がって、そう言ってくると、さっきの私の言葉をきっぱりと断ってきた。
そして、私の身体を再び布団の上で横たえ、その上にそうっとのしかかって組み敷こうとする要さん。
けれど、可笑しなスイッチ全開になってしまっている私は、そうはさせるかと、要さんの身体を押しやって、逆に組み敷く体勢へと持ち込むことに成功し、
「無理なんかしてません。いっつも要さんにしてもらうばっかりは嫌です。私も要さんに気持ちよくなってもらいたいんです……けど、……そんなに嫌ですか?」
尚も食い下がりかけたものの。
想いを告げたあの日、バスルームで処理を手伝って以来、何度か手ではやったことはあっても、いつもしてもらってばかりいたため、上手くやれる自信もなく……。
要さんが嫌がっているのかもと思うと、強く言い切ることもできない。
さっきまでの勢いが嘘だったかのように、気落ちしてシュンとしてしまい、要さんの胸の上に置いた自分の手を、俯きぎみに見つめたままでいる。
そんな私の耳に、
「俺はただ美菜に無理をさせたくなかっただけで、いやなわけじゃない。そこまでいうなら、美菜に任せる」
シュンとした私の様子に見兼ねてか、考えを改めてくれたらしい要さんの声が届いた。
嫌がってるわけじゃないんだ、と分かった私は、要さんのバスローブを肩からずらすと、そのまま要さんの露になった胸の先へと唇を寄せて口に含み、ちゅうっと強く吸い付いた。
「……ぅっ……」
途端に、要さんの悩まし気に呻くような艶っぽい声が聞こえてきて。
――良かった。男の人も気持ちいいものなんだ。
気をよくしてしまった私は、胸の先を含んだままで、バスローブの腰紐を解いて合わせの隙間から要さんの昂ぶりへとそうっと手を伸ばした。
それからゆっくりと包み込むようにして手中に収めると、滾るように熱くなった昂ぶりが、脈を打っている感触が手に直に伝わってきて。昂ぶりを受け入れた時の感覚を思い出し、下腹部がキュンと疼いた。
同時に、蜜が滲み出るその感触に、また妙な気持ちになってくる。
それを知ってか知らずか、私の隙をつくように、急に要さんに腕を強い力で引かれ、気づいた時には、組み敷いた要さんの上で、私は要さんの顔の前に脚を開いて四つん這いになっていて。
私の目の前には、私の下で、同じように脚を開いている要さんの昂ぶりが、元気な反応を示している雄々しい姿がそこにあるという、なんとも恥ずかしすぎる光景が視界いっぱいに映し出されている。
「俺も美菜を気持ちよくさせたいから、これでおあいこだ」
「////」
そしてそこへ、要さんの妙案を思いついたと言わんばかりの、誇らしげな声が響き渡るのだった。
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