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甘くて苦いビターチョコのように

#25

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要さんの熱くて甘い口づけによってとろっとろに溶かされた私が、口づけから解放された刹那、蕩けた身体で要さんの首にしがみついた状態でしなだれかかれば……。

「そんなにくっつかれたら、美菜の可愛い顔が見えないだろ?」

そう言ってきた要さんによって、私の身体はあっけなく要さんの身体から引き剥がされてしまって。

当然、私の目の前には、可笑しなスイッチ全開になってしまった要さんの、怖いくらい綺麗な、あの妖艶な微笑が待ち構えてて。

「ほら、こっち見てろ」

まっすぐに見据えられて、そんなことを言われても、とてもじゃないけど要さんとまともに視線なんて合わせられる筈がない。

さっきは、安心できるって思ったけど、大好きな要さんにこんなにぴったりとくっつかれて。

しかも、こんな至近距離で、ずっと要さんに見られてると思うと、どうしても意識しちゃって、メチャクチャ恥ずかしいんだもん。

「……む、無理です。恥ずかしい」

しがみついてた要さんの首に飛び付くようにして再び抱きついて、恥ずかしくて堪らない旨を伝えてみるも……。

「なら、恥ずかしいなんて思うような余裕なんて、なくしてやらなきゃな」

なんの躊躇もなく、そう言ってきた要さんによって、私の無防備だった左胸の膨らみを大きな手でそっと優しく包み込まれて。

やわやわと揉みしだかれて、手で軽く撫でられてるだけで、敏感な胸の尖りが手に触れて擦れてしまうから堪らない。

「……あっ……やっ、……んぅっ」

それだけで粟立ってしまう身体が自分の意思とは関係なく、要さんに支えられた腕の中で、弓なりにビクビクと小刻みに仰け反ってしまう。

それを、やっぱり、可笑しなスイッチ全開になってしまった要さんによって、言葉でも攻められて。

「ちょっと触れただけで、そんなに気持ちいいのか? じゃぁ、もっと良くしてやる」

それだけでも充分追い詰められているというのに……。

「もう、手だけじゃ物足りないんだろう?」

愉しそうに、そんなことを言ってきた要さんによって、今度は私の無防備だった右の胸の尖りを口に含まれて。

熱い舌先で何度も執拗に、ねぶって捏ねられてしまっては、甘すぎる愉悦に抗うことなんてできず、自分のものとは思えないくらいの甘ったるい嬌声が静かな寝室に響いていく。

それに伴い、要さんの巧みな腰の動きまでもが合わさって、二ヶ所同時に攻め立てられて……。

要さん自身で最奥を軽くノックするようにしてソフトに優しく、でも軽快なそのリズムに、身体が揺さぶられる度に。

えもいわれぬ愉悦に襲われ、なんとか保っている意識が飛んでしまいそうになる。

「……やぁっ、……あんっ……やっ、ひゃっ……んぅっ……」

けれども、それは、どうやら要さんも同じようで。

私の胸の尖りを攻め立ててた筈の舌の動きが疎かになってしまった要さんの口からも、時折、呻くような、刹那げな声が、微かに零れ落ちてくるもんだから。

そんな余裕なさげな要さんのことが愛おしくて堪らなくなって。

無性に抱き締めたくなって、要さんの身体にギュッと抱きつけば……。

そしたら、同じように要さんも私のことをギュッと力強く抱き締めてくれて。

「美菜」

そう言って何度も何度も愛しげに名前を呼んでくれるから、もうそれだけで幸せで、蕩けて昇天してしまいそうになる。

こんな風に、誰かのことを愛おしいなんて思う日が来るなんて思わなかったし。

こんな風に、誰かに愛おしいと思ってもらえることが、こんなにも幸せなことだなんて、知らなかった。

その相手が、こんなにも大好きになった要さんだなんて、幸せすぎて、夢を見てるみたいで。

ーーいつかこの夢が醒めちゃうんじゃないかって、怖くもなる。
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