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甘くて苦いビターチョコのように

#15

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副社長への想いを告げて、そのお返しに副社長からは寵愛をたーっぷりと頂戴して、濃厚で甘~い一時を過ごしたあの日から、数日間は特に何もなかった。

実はあの日、副社長の『美菜のことを大事にしたい』っていうお言葉で納得した筈の私は、それでもどうしても副社長の傍から離れたくなくって。

直後シャワーを浴びると言い出してあっけなく私の元から離れようとしていた副社長に、『一緒に行っちゃダメ、ですか?』と駄々っ子と化した私が食い下がると。

泣く泣く事情を話してくれた副社長。

話によると、元気になってしまったご自身のアレの処理に行くつもりだったらしい。

そのことを聞いた私は、どうやって処理するのかもよく分からずに、処理のお手伝いを申し出て、副社長に先にバスルームに行くようお願いしたまでは良かったのだけど……。

ネットで検索した私はその内容に絶句しフリーズする羽目になったのだった。

それでも、麗しい副社長のためならと、恥ずかしいのを我慢して、ネットで見た『彼を悦ばせる方法』というのを実践することに。

いくら麗しい副社長のためとはいえ、まさか自分があんなことをすることになるなんて、思いもしなかったから、ちゃんとできるか不安だった。

不安ながらも、なんとか副社長のアレの処理を無事済ませて、いつも余裕な副社長の余裕のない可愛い姿を拝むことができたのだけれど……。

それからの副社長は、仕事の忙しさの所為か、寝るときも私には指一本触れずにさっさと寝入ってしまっていたから。

やっぱり、ネットのように上手にできなかったから、避けられてるのかも……とか。

処女の癖に、あんな高度なことするんじゃなかったっていう風に、落ち込んじゃったりもした。

けれどそれは、風邪で高熱を出して入院していた私のことを気遣ってのことだったらしい。

そうなのかなと思いながらも、その間、欲張りな私は、『寂しいなぁ』なんて思っていたのだけれど……。

麗しの副社長は、仕事の合間のほんの僅かな時間の隙を見つけては、

「美菜、少しだけ」

そう言って、私のことを自身の程よく鍛えられた厚い胸板へと引き寄せて、優しく包み込んでくれたりなんかして。

もう、それだけで、単純な私の身も心もとろっとろに蕩けてしまうのだった。

そして、そんな時には決まって、

「美菜とこうしてると、とても癒される。ずっとこうしてたい」

なーんて嬉しいお言葉を掛けて下さる激甘モードの副社長。

単純な私は、嬉しすぎて、蕩けて骨抜きになるどころか、蒸発して跡形もなく消え去ってしまいそうだ。

そんな激甘モードの副社長の言動に、私のことを本当に好きになってくれてるんじゃないかって、毎回、勘違いしてしまいそうになるくらいだった。

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