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めくるめく初夜を

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 クルーザーで夜の東京湾を周遊した穂乃香と奏は、ラグジュアリーなホテルの最上階にあるスイートルームへと赴いている。

 船上で極上のキスに溺れ酔い痴れていた二人は、部屋に着くなり、縺れあうようにしてバスルームへと雪崩れ込んだ。

 ガラス張りのバスルームには大きな窓があり、眼下に広がる煌びやかな夜景を臨むことができる。

 だがそれを優雅に堪能しているような余裕などない。

 ほのかに白い湯煙が立ちこめるなか、穂乃香は雄と化した奏により淫らに乱され、あられもない姿を晒していた。

 互いの想いが通じ合い、名実ともに本物の夫婦となった二人にとっては、今夜が初夜であるのだ。

 奏が盛ってしまうのも当然だろう。

 それは穂乃香も同じで、早く奏と深く繋がり合いたい。そう思っていた。

 けれども心が通じ合えたことで、より羞恥と感度が高まっている気がする。

 おかげで奏にちょっと触れられただけで、秘部は溢れた愛蜜でぐっしょりと濡れていた。

 まるで奏を欲しいと涎でも垂らすかのように。

 奏に下着を脱がされる際に、ニチャッといういやらしい音とともに糸が引いたほどだ。

 屋上デッキで奏との甘やかなキスに酔い痴れていた時から自覚していたのだが、これほどまでに濡れているとは思いもよらなかった。

 奏に衣服を脱がされているだけでも恥ずかしいのに、奏は羞恥に身を捩り両膝を擦り寄せる穂乃香をマジマジと見下ろしながら、羞恥をこれでもかと煽ってくる。

「まだ触れてもいないのに、凄いな。キスの合間にも、甘い蜜の香りを感じてはいたが。これほどとは……驚いたな」
「や、やだ。そんなに見ないで……!」

 たちまち穂乃香は、茹で蛸のごとく真っ赤になってしまう。

 発火してそのまま蒸発でもしそうなほど、全身に熱が及び、今にも逆上せ上がってしまいそう。

 対して奏は、えらく嬉しそうに、なおも穂乃香の羞恥を煽る台詞を放ってくる。

「今夜の穂乃香は一段と可愛い反応を見せてくれるな。それを見るなと言われても無理だ」

 そうして続け様に、少々照れくさそうに自嘲するように申告しながら。

「おかげでもう痛いぐらいだよ。ほら、もうこんなになってる」

 すでに衣服を脱ぎ去り半裸となっていた奏がボクサーパンツを脱ぎ捨てる。

 刹那、猛々しい奏の昂りがぶるんと勢いよく跳ね上がる。

 その様を目の当たりにした穂乃香は、思わずゴクリと喉を鳴らしていた。

 そんな穂乃香のことを愛おしげに見遣った奏がおもむろに長身を屈めてくる。

 何をされるのかと身を竦めた穂乃香の身体を奏がヒョイと横抱きにする。

 突然の出来事に頭が回らない。されるがままの穂乃香の耳元に、奏が魅惑の甘い美声で宣言してくる。

「今夜は寝かせるつもりはないから、覚悟して」

 こうして二人にとっての初夜が幕を上げたのである。
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