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#8 ~直樹side~
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「直樹にいつ聞いても、元気だったらどっちが生まれても嬉しいって言ってるけど……。もし、どっちか選ばなきゃいけないってなったら。直樹は、男の子と女の子だったら、どっちがいい?」
「またその話かよ? 本当に元気に無事に生まれてきてくれたらどっちだろうと嬉しいから、そんなの選べない」
「えー、例えばでいいからぁ……。ちょっと考えてみてよ? ね?」
臨月を迎えお腹も随分と目立ってきて、本当は性別も判別できているらしいのだが……。
けどそれは、俺たちの元へ天使が生まれてきてくれた時の楽しみに取っておくことにする……って決めた俺と愛。
けれどどうにも気になって仕方ないらしい愛が、ダイニングソファに座ってお腹を愛おしそうに摩りながら、よくこうやって聞いてくるのだが……。
そんな愛の穏やかな幸せそうな表情を眺めているだけで、俺は十分幸せで、いつまでもこうやって眺めていたいなんて思っているくらいだった。
そりゃ俺だって気にはなるが、本当に、元気に生まれてきてくれればそれだけで嬉しい、と思っているのだけれど……。
ーー正直なところ、呆れられてしまいそうで、愛には言えないのだが……。
俺的には子供にさえも、頼むから愛の負担にならないように、おとなしく無事に生まれてきて欲しい、なんて思ってもいたのだった。
どうやら、いつ生まれてきてもおかしくない時期になったせいか、愛は少しナーバスになっているようで、今日はやけに食いついてくる。
そんな愛の気持ちを少しでも落ち着かせてやりたくて、何気なく零した言葉だったのだ。
「……それなら、男の子がいい」
「えっ!? どうして?!」
「こら、危ないだろ?」
初めて言った俺の言葉に、身を乗り出し気味に窺ってくる愛が落ちないかと心配した俺が慌てて、愛の身体を支えるように優しく抱きしめると。
愛が上目づかいで、大きく見開いた瞳を輝かせてくるのが可愛らしくて、思わず唇にキスを落としていて。
そしたら腕の中には結婚しても未だに、恥ずかしそうにして頬をほんのり赤く染める愛がいて。
そんな愛のことが、もう可愛くて愛おしくて仕方がない俺は、またキスをしたくなってしまう。
だから俺は愛を見詰めたままで、もう一度だけ、そう思っていたんだけれど……。
「……もう、ダメ。早く聞きたい」
そんな俺に早く理由が聞きたいらしい愛が、頬もまだ赤いままに、少しムッとした表情で先を促してくる。
そんな表情でさえも俺にとっては、可愛くて愛おしくて堪らないのだから仕方がない。
なんて思ってしまってた俺は、ついうっかり本音を漏らしてしまうことになってしまうのだった。
「だって女の子だったら、愛みたいに可愛くなって、いつか知らない男にとられちゃうだろ? 俺はそんなこと絶対、嫌だし。だから男の子がいい」
「ふふっ……直樹ってば可愛いー」
「今、呆れただろ?
……だから、言いたくなかったんだよ」
結果、愛に笑われてしまうことになってしまった俺が、バツ悪くてちょっと不貞腐れてしまってたら……。
「呆れて笑ったんじゃないもん。こうやって、直樹とこの子のこと話すことができて、幸せだなぁって思ったんだもん。ねぇ、直樹、大好きだよ?」
そう嬉しそうに微笑みながら、今度は、愛の方から、俺の唇に愛おしそうに口づけてくる。
すぐにこうやって、俺のことを宥めてくれる愛。
そんな時にいつも俺は、もう、一生、愛には敵わないんだろうなって、思わされることになるのだった。
「またその話かよ? 本当に元気に無事に生まれてきてくれたらどっちだろうと嬉しいから、そんなの選べない」
「えー、例えばでいいからぁ……。ちょっと考えてみてよ? ね?」
臨月を迎えお腹も随分と目立ってきて、本当は性別も判別できているらしいのだが……。
けどそれは、俺たちの元へ天使が生まれてきてくれた時の楽しみに取っておくことにする……って決めた俺と愛。
けれどどうにも気になって仕方ないらしい愛が、ダイニングソファに座ってお腹を愛おしそうに摩りながら、よくこうやって聞いてくるのだが……。
そんな愛の穏やかな幸せそうな表情を眺めているだけで、俺は十分幸せで、いつまでもこうやって眺めていたいなんて思っているくらいだった。
そりゃ俺だって気にはなるが、本当に、元気に生まれてきてくれればそれだけで嬉しい、と思っているのだけれど……。
ーー正直なところ、呆れられてしまいそうで、愛には言えないのだが……。
俺的には子供にさえも、頼むから愛の負担にならないように、おとなしく無事に生まれてきて欲しい、なんて思ってもいたのだった。
どうやら、いつ生まれてきてもおかしくない時期になったせいか、愛は少しナーバスになっているようで、今日はやけに食いついてくる。
そんな愛の気持ちを少しでも落ち着かせてやりたくて、何気なく零した言葉だったのだ。
「……それなら、男の子がいい」
「えっ!? どうして?!」
「こら、危ないだろ?」
初めて言った俺の言葉に、身を乗り出し気味に窺ってくる愛が落ちないかと心配した俺が慌てて、愛の身体を支えるように優しく抱きしめると。
愛が上目づかいで、大きく見開いた瞳を輝かせてくるのが可愛らしくて、思わず唇にキスを落としていて。
そしたら腕の中には結婚しても未だに、恥ずかしそうにして頬をほんのり赤く染める愛がいて。
そんな愛のことが、もう可愛くて愛おしくて仕方がない俺は、またキスをしたくなってしまう。
だから俺は愛を見詰めたままで、もう一度だけ、そう思っていたんだけれど……。
「……もう、ダメ。早く聞きたい」
そんな俺に早く理由が聞きたいらしい愛が、頬もまだ赤いままに、少しムッとした表情で先を促してくる。
そんな表情でさえも俺にとっては、可愛くて愛おしくて堪らないのだから仕方がない。
なんて思ってしまってた俺は、ついうっかり本音を漏らしてしまうことになってしまうのだった。
「だって女の子だったら、愛みたいに可愛くなって、いつか知らない男にとられちゃうだろ? 俺はそんなこと絶対、嫌だし。だから男の子がいい」
「ふふっ……直樹ってば可愛いー」
「今、呆れただろ?
……だから、言いたくなかったんだよ」
結果、愛に笑われてしまうことになってしまった俺が、バツ悪くてちょっと不貞腐れてしまってたら……。
「呆れて笑ったんじゃないもん。こうやって、直樹とこの子のこと話すことができて、幸せだなぁって思ったんだもん。ねぇ、直樹、大好きだよ?」
そう嬉しそうに微笑みながら、今度は、愛の方から、俺の唇に愛おしそうに口づけてくる。
すぐにこうやって、俺のことを宥めてくれる愛。
そんな時にいつも俺は、もう、一生、愛には敵わないんだろうなって、思わされることになるのだった。
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