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episoudo:8
#6*愛side*
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甘い甘いキスの合間……
これからの主任との甘いひとときを思うと、やっぱりどうしても恥ずかしくて……。
私は、主任のシャツの胸の辺りを強く握りしめながら、瞼を閉ざしたまま主任にしがみついていた。
いつも主任と交わすキスは、マシュマロみたいにふんわり柔らかで甘くって。
主任の優しさに包んでもらってるような幸せなキスに。
私はいつもすぐに蕩けてしまって頭がポウッとしてしまう。
けれど、今夜のキスはいつもに増して、深くて甘くって。
もうどうしようもないくらいに膨らんでしまった緊張感に、私の心臓は押し潰されちゃうんじゃないかってくらいの状態になっていた。
そんな、極度の緊張感に襲われてた私の頭の中では、思い出したくもないあの忌々しい光景が、フッラッシュバックしてしまったのだった。
また、あの時のように、強張って震えだした身体を自分じゃどうすることもできずに。
けど恐怖心なんかよりも、ただ主任に申し訳ないって気持ちで一杯で、
「ご……ごめんっ、な……さい」
そう震える声で繰り返すことしかできなくて。
そんな時に、
「……ぃ」
「……い」
「あ…い……。愛」
何度も私の名前を愛おしそうに呼び続ける、主任のとっても優しい声が耳に流れ込んできた。
どこまでも続く真っ暗な冷たい冬の世界に、明るく暖かい太陽の光が射しこむように。
主任のとっても優しい声に応えようと、固く閉ざしていた瞼をゆっくり押し上げて見てみれば。
私にとっても優しい眼差しを向けて、ふわりと柔らかな微笑みを零しながら……
「恥ずかしいの解るけど、目、開けてねぇと俺のこと見えねぇだろ」
ちょっと拗ねたように、そんなことを言ってきた。
そして、ヒョイっと私の身体を横抱きに抱き直したかと思ったら。
何故かベッドの上で両脚を投げ出すようにして座って。
その嫌味なくらいに長い脚の間に器用に私を挟んで、背後からお腹の前へと両手を忍ばせクロスさせ、スッポリと包み込むようにして抱きしめられてしまって。
何がどうなってこういう状態になってしまってるかがよく掴めない私は、主任の腕の中でオロオロするばかり……。
そんな私の無防備なうなじに、あろうことか唇を寄せてきた主任は、熱い吐息をわざと吹きかけるようにして擽りつつ、
「これなら目開けてても恥ずかしくないだろうし……。俺も愛のこと攻めやすいから一石二鳥だろ?」
なぁんて楽しげに、まるでイタズラっ子が新しいイタズラを思いついたように、とっても楽しそうに甘い声でそんなことを囁いてくる。
ついさっきまで、私の頭の中でフラッシュバックされた筈の光景なんて、ありえない程の羞恥とくすぐったさで、どこかに吹き飛んでしまうくらい、恥ずかしいなんてもんじゃない。
主任の腕の中の私は、頭から脚のつま先に至るまで、火を吹くんじゃないかってくらい真っ赤っかにされてしまった。
「……せっ、"攻めやすい"って…」
主任の言葉の意味をなんとなぁく、ニュアンスで感じ取った私が思わずそう漏らせば。
恋愛初心者で、しかも処女である私のことを、一瞬にして真っ赤っかにさせた張本人はというと……。
「ん? あぁ、こうやってって……意味だけど」
私が理解できてないと思っているのか。
さっきと同じイタズラっ子のような声で囁きながら、お腹のとこでしっかりとクロスさせてた手を、あろうことか、少し上へとゆっくり移動させてきた。
驚いた私が匕ャッと声をあげる間もなく、その手は軽く優しく服の上から、イタズラっ子なんて程遠い大人な少しやらしい手つきで、胸の膨らみの敏感な場所を探るようにして官能的に動き出してしまって。
「……ヤッ……あんっ!」
生まれて今まで聞いたこともない、とても自分が出したとは思えないような、色っぽい艷やかな甘い声を零してしまった。
甘い声だけじゃなくって、今まで感じたこともない蕩けるような熱い甘い痺れを体感しながら……。
これからの主任との甘いひとときを思うと、やっぱりどうしても恥ずかしくて……。
私は、主任のシャツの胸の辺りを強く握りしめながら、瞼を閉ざしたまま主任にしがみついていた。
いつも主任と交わすキスは、マシュマロみたいにふんわり柔らかで甘くって。
主任の優しさに包んでもらってるような幸せなキスに。
私はいつもすぐに蕩けてしまって頭がポウッとしてしまう。
けれど、今夜のキスはいつもに増して、深くて甘くって。
もうどうしようもないくらいに膨らんでしまった緊張感に、私の心臓は押し潰されちゃうんじゃないかってくらいの状態になっていた。
そんな、極度の緊張感に襲われてた私の頭の中では、思い出したくもないあの忌々しい光景が、フッラッシュバックしてしまったのだった。
また、あの時のように、強張って震えだした身体を自分じゃどうすることもできずに。
けど恐怖心なんかよりも、ただ主任に申し訳ないって気持ちで一杯で、
「ご……ごめんっ、な……さい」
そう震える声で繰り返すことしかできなくて。
そんな時に、
「……ぃ」
「……い」
「あ…い……。愛」
何度も私の名前を愛おしそうに呼び続ける、主任のとっても優しい声が耳に流れ込んできた。
どこまでも続く真っ暗な冷たい冬の世界に、明るく暖かい太陽の光が射しこむように。
主任のとっても優しい声に応えようと、固く閉ざしていた瞼をゆっくり押し上げて見てみれば。
私にとっても優しい眼差しを向けて、ふわりと柔らかな微笑みを零しながら……
「恥ずかしいの解るけど、目、開けてねぇと俺のこと見えねぇだろ」
ちょっと拗ねたように、そんなことを言ってきた。
そして、ヒョイっと私の身体を横抱きに抱き直したかと思ったら。
何故かベッドの上で両脚を投げ出すようにして座って。
その嫌味なくらいに長い脚の間に器用に私を挟んで、背後からお腹の前へと両手を忍ばせクロスさせ、スッポリと包み込むようにして抱きしめられてしまって。
何がどうなってこういう状態になってしまってるかがよく掴めない私は、主任の腕の中でオロオロするばかり……。
そんな私の無防備なうなじに、あろうことか唇を寄せてきた主任は、熱い吐息をわざと吹きかけるようにして擽りつつ、
「これなら目開けてても恥ずかしくないだろうし……。俺も愛のこと攻めやすいから一石二鳥だろ?」
なぁんて楽しげに、まるでイタズラっ子が新しいイタズラを思いついたように、とっても楽しそうに甘い声でそんなことを囁いてくる。
ついさっきまで、私の頭の中でフラッシュバックされた筈の光景なんて、ありえない程の羞恥とくすぐったさで、どこかに吹き飛んでしまうくらい、恥ずかしいなんてもんじゃない。
主任の腕の中の私は、頭から脚のつま先に至るまで、火を吹くんじゃないかってくらい真っ赤っかにされてしまった。
「……せっ、"攻めやすい"って…」
主任の言葉の意味をなんとなぁく、ニュアンスで感じ取った私が思わずそう漏らせば。
恋愛初心者で、しかも処女である私のことを、一瞬にして真っ赤っかにさせた張本人はというと……。
「ん? あぁ、こうやってって……意味だけど」
私が理解できてないと思っているのか。
さっきと同じイタズラっ子のような声で囁きながら、お腹のとこでしっかりとクロスさせてた手を、あろうことか、少し上へとゆっくり移動させてきた。
驚いた私が匕ャッと声をあげる間もなく、その手は軽く優しく服の上から、イタズラっ子なんて程遠い大人な少しやらしい手つきで、胸の膨らみの敏感な場所を探るようにして官能的に動き出してしまって。
「……ヤッ……あんっ!」
生まれて今まで聞いたこともない、とても自分が出したとは思えないような、色っぽい艷やかな甘い声を零してしまった。
甘い声だけじゃなくって、今まで感じたこともない蕩けるような熱い甘い痺れを体感しながら……。
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