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女装男子とまさかの熱夜!?

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 ほうっと見蕩れてしまっている恋の隙でも突くかのように、何とも嬉しそうな声音で放たれた。この。

「再会して以来、ずっとずっとこうして触れたいって思っていたんだ。一度でも触れたら、もう後戻りなんかできない。否、後戻りなんかして堪るか。もう絶対に離したりしない。何があっても絶対に」

 カレンからの要領を得ない言葉の意味を恋が理解するよりも先に。

 ……否、カレンには端からそのつもりなどないのだろう。

 続けざまに、あたかも恋に思考する余地など与えないとばかりに、何やらたっぷりと含みを持たせた意味深な台詞が放たれた。

「そのためにも、今はのこ素直な身体に嫌ってほど教え込んでおかないとな。恋が誰のものであるかってことを」

 それらを恋が耳にしたときには、身の危険を察する暇も与えられないままに、カレンによって、包み込まれていない方の胸の先にむしゃぶりつかれてしまっていて。

「あっ、や、ひゃんっ」

 強烈な快感に身体を貫かれてしまった恋は、雷でも打たれてしまったかのような大きな衝撃に背中が弓なりに仰け反り、のたうつように身悶える。

 呼吸はもちろん心臓の鼓動までもが、停まってしまったのかと錯覚するほど凄まじいものだった。

 相変わらずカレンの見かけは綺麗な女性そのものではあるが、言動は男性そのものだ。

 女装男子だとは思えぬほどに、とりわけ男性らしい、猛々しさをこれでもかと前面に打ち出してくる。

 まさに可愛らしいワンコから、荒々しい野獣にでもなってしまっているかのよう。

 あたかも、これまで女性として接してきた、恋の中で定着してしまっていた、カレンの概念をことごとく打ち砕いてでもいるかのように。

 本来の恋であったなら、怖いとしか思わなかったはずだ。

 それがどういう訳だか、怖いなんて感情はこれっぽっちもない。

 あるのは最大限に膨れ上がった期待感だけ。

 恋にとってカレンが本当に稀有で特別な存在であるのか確かめてみたいーー藁にも縋る想いだった。

 カレンの起こす、凄まじい快楽という荒れ狂う大きな波間に揺蕩いながら、身悶えつつもカレンにすべてを委ねるように必死に縋りついている。

 そんな恋の切実な心情を知ってか知らずか。

 カレンは飽きることなく、恋の張りのある膨らみを中央に寄せ、そのあわいに愛おしそうに埋めた顔を左右に振りつつ、両の突起をまんべんなく舐り立てている。

 時折、赤子が夢中になって乳を吸い上げるように、じゅるっじゅるる、ちゅぱちゅぱと強く吸引する。

 そのたびに、ふわふわとした意識と身体とが宇宙にでも吹き飛ばされてしまいそうなほどの、強烈な快感が脳髄を貫いてゆく。

「あっ、あんっ……そ、そんな、吸っちゃ、やあぁあんッ!」

 さっきから胸だけを執拗に攻め立てられているはずなのに、離れた下腹部の奥深くがズクズクと疼いて、どうにも堪らない。

 はじめて味わう甘美な快楽に犯されているうち、おかしな感覚に囚われていく。いつしか。

 ーー今すぐに、カレンの長い指で奥の深いところまでグチャグチャに掻き乱してほしい。

  なんともはしたない欲求を抱いてしまっていた。

 自覚した途端、凄まじい羞恥に襲われ、全身が煮え滾る。

 カレンの愛撫によって、膨れに膨れ、業火の如く滾りに滾った、劣情のマグマが今にも爆発してしまいそうだ。

 恋は無意識に顔を両手で覆い隠していた。

 と、同時に、胸に顔を埋めていたカレンが身を起こす。

 そのことに寂しさを覚えてしまった恋が戸惑っていると、頭からすっぽりと包み込むようにして、カレンによってふわりと包み込まれていた。

 たちまち羞恥も戸惑いも不安も跡形なく霧散する。

「恋、隠すな。俺に知ってほしいって言ったよな。だったら俺に何もかも見せろ。この俺が何もかも全部引き受けてやる」

 代わりにカレンの傲慢としかとれない口吻とは裏腹に、恋の抱えているものを見透かしてでもいるかのような言葉に、カレンのあたたかな体温と一緒に優しさがじんわりと伝わってくるようだ。


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