9 / 39
久方ぶりの甘い夜 #2 ✱
しおりを挟む否、一瞬でも意識が途切れてくれた方が良かったかもしれない。
そうすれば、一時の間でも、羞恥を感じずに済んだのだから。
そう思ってしまうくらい、一ヶ月ぶりの情交に加えて、プロポーズ直後の気持ちの昂りが影響していたのだろう。
窪塚による攻め立てはいつにも増して凶暴さを孕んでいた。
……私がそう感じてしまうのも、久方ぶりだからかもしれないけれど、兎にも角にも、窪塚はこれまで以上のドSっぷりを遺憾なく発揮していたように思う。
飢えた獣のように胸の突起ばかりを嬲り続ける窪塚の容赦ない愛撫に、羞恥と甘すぎる強烈な快感に身悶える私のことを窪塚は見据えて、ジッと熱い視線を注いだままでいる。
あたかも自分の愛撫により腕の中で身悶え乱れに乱れていた私の痴態の一部始終を目に焼き付けるかのように。
窪塚のその様子からは、私の微かな機微さえも逃さないというような徹底した気概がひしひしと伝わってくる。
なんとか視線から逃れたい一心で切れ切れに声を放つも。
「////……やぁ……だッ……み、ないッーーや、ぁあんっ」
窪塚は、欲情にまみれた熱い眼差しを注いだままで、どこか妖艶さと鋭さを思わせる微笑を零すと、いつしか胸を愛撫していたはずの窪塚の右手が下腹部をまさぐっていた。
ワンピースの裾を割って侵入した窪塚の指先は、薄い茂みを掻き分けすぐにお目当ての場所に這わされていて、下着越しに厭らしい手つきで秘裂を撫で上げる。
その瞬間、ゾクゾクとした戦慄が背筋に走り、下腹部の奥がキューンと切なく疼く感触がして。
ーー一刻も早く触れて欲しい。もっともっと奥深くまでその指で掻き混ぜて欲しい。昂ぶりで一杯突いて満たして欲しい。
心と身体がそう訴えかけてくる。
理性が欲望に傾きかける寸前、私の胸から僅かに唇を浮かせた窪塚の意地の悪い声音が放たれ、羞恥心をことごとく煽ってくる。
「見ないでって言う割にはすっげー濡れてんじゃん。本当は視姦されんの好きなんじゃねーの? 鈴ちゃん、やらし~」
僅かに踏みとどまっていた理性がストッパーとなり、意地悪な窪塚にいつもの調子で反撃を返したのだが。
「……ちっ、ちがーー」
「ーーへぇ、こんなになってんのに? じゃあ、もっと鈴のこっちの口もぐちゃぐちゃにして、俺のことを欲しいって、素直に言えるくらい一杯苛めてやんねーとな」
「ーーあっ、や、んんぅーーッ!?」
言い終えないうちに言葉を遮られた上に、下着をずらした僅かな隙から忍ばされた指を根元まで一気に泥濘んだ秘裂にズブズブと穿たれ、わざと、ぐちゅっ、グチャッ、と淫猥な水音を立てられてしまう。
そして窪塚は、これまで以上に意地の悪さが増した言葉攻めも欠かさない。
この二年という交際期間で、本人である私よりも、私の身体の何もかもすべてを知り尽くしている窪塚のゴッドハンドと唇によって、容赦なく攻め立てられてしまっては、私の反撃など、何の意味もなさないのだった。
窪塚の腕の中で、揺らめく素肌の胸を曝け出し、窪塚の熱い唇と蠢く舌とで、胸の尖りを吸い尽くされ嬲り倒され。
長く節くれだった指では、夥しい蜜で溢れかえった蜜洞で蠕動する媚壁を絶えず引っ掻き攪拌されて……。
混沌と白んだ意識のなか、窪塚の首に両の腕を絡ませ必死にしがみついたままでいる私は、髪を振り乱し、身体を踊るようにくねらせ、甘く艶めいた嬌声を放つことしかできないでいる。
もうここがリビングダイニングのソファだとか、照明の煌々とした灯りが降り注いでいるだとか、そういうことを気にしているような余裕など完全に霧散してしまっているのだった。
0
お気に入りに追加
212
あなたにおすすめの小説
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
恋とキスは背伸びして
葉月 まい
恋愛
結城 美怜(24歳)…身長160㎝、平社員
成瀬 隼斗(33歳)…身長182㎝、本部長
年齢差 9歳
身長差 22㎝
役職 雲泥の差
この違い、恋愛には大きな壁?
そして同期の卓の存在
異性の親友は成立する?
数々の壁を乗り越え、結ばれるまでの
二人の恋の物語
上司は初恋の幼馴染です~社内での秘め事は控えめに~
けもこ
恋愛
高辻綾香はホテルグループの秘書課で働いている。先輩の退職に伴って、その後の仕事を引き継ぎ、専務秘書となったが、その専務は自分の幼馴染だった。
秘めた思いを抱えながら、オフィスで毎日ドキドキしながら過ごしていると、彼がアメリカ時代に一緒に暮らしていたという女性が現れ、心中は穏やかではない。
グイグイと距離を縮めようとする幼馴染に自分の思いをどうしていいかわからない日々。
初恋こじらせオフィスラブ
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
ダブル シークレットベビー ~御曹司の献身~
菱沼あゆ
恋愛
念願のランプのショップを開いた鞠宮あかり。
だが、開店早々、植え込みに猫とおばあさんを避けた車が突っ込んでくる。
車に乗っていたイケメン、木南青葉はインテリアや雑貨などを輸入している会社の社長で、あかりの店に出入りするようになるが。
あかりには実は、年の離れた弟ということになっている息子がいて――。
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
あまやかしても、いいですか?
藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。
「俺ね、ダメなんだ」
「あーもう、キスしたい」
「それこそだめです」
甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の
契約結婚生活とはこれいかに。
10 sweet wedding
国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる