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極道の妻として
極道の妻として⑭
しおりを挟むその隙を突くようにして、尊は美桜の無防備な唇へと優しく甘美な口づけを降らせた。
尊は美桜のことを甘美なキスで翻弄しながら浴衣を乱し、あわいから手を忍ばせてくる。そのまま美桜の透けるように白い柔肌を味わうように、官能的な厭らしい手つきで身体をまさぐり始める。
「んっ、ぁう……ふぅ……んんッ」
重なり合う唇の角度が変わるたび、唇の僅かなあわいから自分のものとは思えないような、鼻から抜けた甘ったるい艶のある声が零れ落ちる。
恥ずかしくて声を我慢しようにも、尊の手にガッチリと後頭部を固定されているため叶わない。ぐにゃりと力が抜け切った身体では、身動ぎさえもままならない。
美桜の唇の柔らかな感触を味わうかのような、優しく啄むだけだったものが、やがて美桜の吐息と唾液とを貪り尽くすかのような、より一層濃厚なものへと変化していく。
こうなってしまっては、尊によって女としての悦びを幾度となく身体の深部まで刻み込まれている美桜には、もう抵抗するような気力も、恥じらっているような余裕もない。
ただただ尊の腕のなかで淫らに乱されてすべてを曝け出すことしかできない。
いつしかソファに座している尊に背後から抱きすくめられた体勢で、滾りに滾って今にも爆ぜてしまいそうなほどに、熱く硬い欲望の塊を最奥まで穿たれ、尊と濃厚に交じり合っていた。
尊に腰を激しく突き上げられるたびに、交わりはより深まり、もたらされる愉悦もまた凄まじい。
美桜は快楽の狭間で白く細い喉と身体を弓なりにしならせ、豊かな胸を淫らに揺らめかせる。
尊に背後から回された両手では、悩ましく弾む熟れた果実を弄ぶようにしてふにゃふにゃと滅茶苦茶に揉みしだかれる。
美桜の反応を窺いながら、より弱いところを攻め立てるようにして、散々嬲られて痛いぐらいに敏感になり硬く勃起した乳首を指で絞り出すようにしてキューッと摘ままれる。
瞬間、尊の昂りを奥深くまで受け入れている子宮口が窄まるように戦慄き、キューキューと締め上げた肉棒から精を搾取するかのような動きで激しく収縮する。
その収縮に合わせて、尊の昂りもまた怒張し、吐精感を堪えるようにぶるぶると打ち震える。
その動きは、あたかも尊自身の形を美桜の身体に刻み込むかのように、まざまざと存在感を誇示してくる。
「……くっ。俺の奥さんは愛らしい見かけとは違って意外と強情だし、厭らしいなぁ。こんなに強く締め付けてきて、そんなに俺に孕ませられたいか? ちょうど安全日だし、今夜は目一杯可愛がって、嫌ってほど注ぎ込んでやる」
「はぁ、はぁ……ひゃッ、あぁ、んんッ」
尊は端正か顔を歪ませ僅かに堪えるような呻き声を上げるも、まだまだ飽き足らないというように、いつも以上に意地の悪い言葉攻めを炸裂させる。
尊に上も下も耳まで犯され、カアッと全身が滾るように熱くなる。
これまで与えられた快感のせいで、身体の深部に蓄積され、募りに募った熱が極限まで膨張し、今にも爆ぜてしまいそうだ。
けれども絶頂まであと少しというところで、尊の攻め立てが緩められ、こうして言葉攻めによって、意識もろとも引き戻される。
さっきからその繰り返しで、もう狂ってしまいそうだ。
なのになおも追い立てるように、背後から耳朶に熱くねっとりした舌を絡められ、耳孔にピチャクチャと厭らしく濡れた音を響かせつつ舌を捩じ込んでくる。
尊に限界を伝えようにも、だらしなく半開きとなった唇からはあられもない声が出るばかりだ。
「あっ、やぁん……ダメぇ……あっ、ひゃんッ!?」
晴れて尊と正真正銘の夫婦となったこの夜。美桜は尊に翻弄される狭間でーー
やっと手に入れることのできた、心の底から欲しいと願い、自分の手ずから掴み取ったこの幸せを、どんなことがあっても守り切ってみせる。
極道者である尊の妻としての覚悟を決めて、尊にすべてを委ね、甘やかで濃厚な快感の坩堝へと身を投じた。
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