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ヤクザと政略結婚!?
ヤクザと政略結婚!?⑬
しおりを挟む昨夜、尊と初めての夜を過ごしたラグジュアリーなホテルの豪華な浴室には到底及ばないが、それでも一般家庭にあるそれとは違っていた。
もちろん、天澤家の浴室も総檜造りで贅を極めたものではあったが、こちらは西洋風で、なんと四方をガラスで覆われており、床は大理石。浴槽に至っては、ジャグジーまで装備されていた。
そしてその隣のスペースには、近頃流行っているという、サウナ室まで完備されている。
その中で、美桜が非常に気にかかったのは、ガラス張りという点だ。
かいつまんで設備の説明をしてくれていた尊の声音に耳を傾けつつも、美桜は、そのことにばかり意識が逸れてしまっていた。
そうこうしているうち、いつしか説明を終えた尊に、背後から両肩を掴まれていて、美桜がドキドキと胸を高鳴らせているうち、さっさと帯を解き、襦袢一枚にひん剥かれてしまっていて。
ハッとした美桜が思わず胸元を隠して肩を竦ませている間に、尊は自分の身につけている、ネクタイを緩めてシュルっと外し、ベストを脱ぎ去り、あっという間に一糸纏わぬ裸体を惜しげもなく晒しており、美桜は羞恥に身悶え両手で顔を覆い隠すのに精一杯。
だが尊は、そんなことなどまったく意に介さず、とうとう美桜は肌襦袢まで剥ぎ取られてしまったのである。
さっき尊からの提案に、美桜はいつものように羞恥を煽られ真っ赤になって身を竦めていた。
そんな美桜に対してこれまで同様に、尊に『真に受けるな、冗談だ』と言われたのだが、『入りますッ!』そう言い放ったのは自分だ。
今さら、やっぱり恥ずかしいのでやめますなんて、言えるわけがない。
少々刺激の強すぎる経過を経た美桜は、たった今、『綺麗にしてやるからじっとしてろ』と命じてきた尊によって、適温に設定されたシャワーのお湯をかけてもらっているところである。
当然、お互い素っ裸な状態だ。
視線をどこへ向けようが、あれこれが視界に割り込んできてしまう。
それと同様に、一部始終を尊にも見られているのかと思うと、それだけでどうにかなってしまいそうだ。
余りの羞恥に、美桜は身を縮こめてギュッと瞼を閉ざしてみる。
けれど、それはそれで、尊になにをされるのかと気が気ではない。
冗談だとも言ってたし、『手始めに一緒に風呂に入るってのはどうだ?』といわれただけなので、それ以上のことはないとは思うが、念のために確認しただけだった。
「あっ、あの。ま、まさか……、こんなところで、その、さっ……最後まで……しないですよね」
羞恥に塗れながらも、思い切って尋ねた美桜に対して、やはりなにやら愉しげに見える尊からは、揶揄するような声音が返されてしまったことにより。
「さぁ、どうだろうなぁ。お前には、昨日も今日も散々煽られてるからなぁ。俺というより、コイツ次第じゃないか?」
たっぷりと含みをもたせた意味深な言葉の裏をなんとか探ろうと、思考を巡らせるまでもなく。
「……ん? こ、コイツってーーキャッ!?」
言われた言葉を反芻しかけた美桜の身体は、いきなりクルリと反転させられ、殿部にまだ充分に滾ってはいない半勃ち状態の尊のソレをグリグリと擦りつけることで、『コイツ』がなんたるかを知らしめられたのだった。
驚愕した美桜は、高い声をあげたきり、身動ぎさえもままならない有様だ。
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