23 / 23
第二章
第五話 オークの掃討戦
しおりを挟む
村でもらった地図の印の部分に来てみたが、オークはいなかった。
「いねぇな」
「ええ」
「うむ……あちらじゃな」
ヴェレッドが村を出てすぐに発動していた《気配察知》と《魔力探知》にオークの反応はあった。しかし場所はここではなく、少し行った先だ。
「どのくらいいるのか、分かるか?」
「ふーむ、五十二……じゃな」
「ご、五十二体って……お姉様、そんなに?」
「うむ。じゃが、問題はそこではないぞ」
気配を探るように一度目を閉じると、ヴェレッドは再び目を開け口を開いた。
「この気配……おそらくはオークキングがおる」
「「オークキング!?」」
オークキング。オークの中の王だ。オークはオーク<ハイオーク<オークジェネラル<オークキング<オークロード、といった具合に進化していく。ただでさえオークジェネラルがいるのに、その中のオークキングがいると言うのだから、二人が驚くのも無理はない。
オークキングの討伐ランクはAだ。二人にはまだ、討伐するのは難しいだろう。
「案ずるな、奴とオークジェネラルは妾が相手をする。こなた達は他のオークを頼むのじゃ」
「ああ」
「分かったわ」
「オークアーチャーとオークメイジもおるようじゃ。気をつけよ」
ヴェレッドの忠告に一瞬驚いた後、二人は重く頷いた。
確かに弓を操るオークアーチャーと、魔法に特化したオークメイジがいるのは面倒だ。事前に知っていれば戦いが有利になる。
それぞれ獲物を『アイテムバッグ』から取り出し、警戒しながらヴェレッドを先頭にオークの群れの中へ一気に飛び込む。オークキングはその群れを超えた先にある洞窟の中だ。まずは目の前のオーク達を狩らなければならない。
「ハイオークも何体かおるようじゃ、気をつけよ。では――行くぞ!」
ヴェレッドの言葉を皮切りに、ヘリオスは剣を片手に、セレーネは弓を構え攻撃を開始した。
「いねぇな」
「ええ」
「うむ……あちらじゃな」
ヴェレッドが村を出てすぐに発動していた《気配察知》と《魔力探知》にオークの反応はあった。しかし場所はここではなく、少し行った先だ。
「どのくらいいるのか、分かるか?」
「ふーむ、五十二……じゃな」
「ご、五十二体って……お姉様、そんなに?」
「うむ。じゃが、問題はそこではないぞ」
気配を探るように一度目を閉じると、ヴェレッドは再び目を開け口を開いた。
「この気配……おそらくはオークキングがおる」
「「オークキング!?」」
オークキング。オークの中の王だ。オークはオーク<ハイオーク<オークジェネラル<オークキング<オークロード、といった具合に進化していく。ただでさえオークジェネラルがいるのに、その中のオークキングがいると言うのだから、二人が驚くのも無理はない。
オークキングの討伐ランクはAだ。二人にはまだ、討伐するのは難しいだろう。
「案ずるな、奴とオークジェネラルは妾が相手をする。こなた達は他のオークを頼むのじゃ」
「ああ」
「分かったわ」
「オークアーチャーとオークメイジもおるようじゃ。気をつけよ」
ヴェレッドの忠告に一瞬驚いた後、二人は重く頷いた。
確かに弓を操るオークアーチャーと、魔法に特化したオークメイジがいるのは面倒だ。事前に知っていれば戦いが有利になる。
それぞれ獲物を『アイテムバッグ』から取り出し、警戒しながらヴェレッドを先頭にオークの群れの中へ一気に飛び込む。オークキングはその群れを超えた先にある洞窟の中だ。まずは目の前のオーク達を狩らなければならない。
「ハイオークも何体かおるようじゃ、気をつけよ。では――行くぞ!」
ヴェレッドの言葉を皮切りに、ヘリオスは剣を片手に、セレーネは弓を構え攻撃を開始した。
0
お気に入りに追加
1,584
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(33件)
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた
甘党羊
ファンタジー
唐突に異世界に飛ばされてしまった主人公。
降り立った場所は周囲に生物の居ない不思議な森の中、訳がわからない状況で自身の能力などを確認していく。
森の中で引きこもりながら自身の持っていた能力と、周囲の環境を上手く利用してどんどん成長していく。
その中で試した能力により出会った最愛のわんこと共に、周囲に他の人間が居ない自分の住みやすい地を求めてボヤきながら異世界を旅していく物語。
協力関係となった者とバカをやったり、敵には情け容赦なく立ち回ったり、飯や甘い物に並々ならぬ情熱を見せたりしながら、ゆっくり進んでいきます。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ヴェレッド、有能過ぎ😳。
すみません、私はチートものが大好きなもので……(>人<;)
なろうさんの(改)一気に読みました。面白くこれからも両方楽しみしてます。
感想ありがとうございます!
なろうの方まで読んでいただけるとは(^^)
再開を楽しみに待っています。
はい、ありがとうございます!