47 / 91
47.たとえ正しくはなくても
しおりを挟む
ベッドから立ち上がり、髪を一つにまとめる。
「……レーナ」
さあ行こう、と気合いを入れたタイミングで遠慮がちなノックと声が聞こえた。
「どうぞ」
対する私の声はいつも通りだ。
遠慮がちに扉から顔を覗かせたアランが、私の顔を見てホッとした表情をした。
「元気……?」
「うん。アランは元気なさそう」
「そんなことはないけど……」
言いたいことはたくさんあるのだろうに、言えなくてつらそうなアランに苦笑する。
「こっち来て」
扉から動こうとしないアランに手招きすると、叱られた犬みたいな顔のまま部屋に入ってきた。
近い距離で向き合って、アランの両手を握る。
「私は大丈夫だから。気遣ってくれてありがとう」
「……嫌いになってない?」
「なるわけない」
きっぱりと答えて笑ってみせる。
そう、嫌いになんてなるわけがない。
いつもと違う一面に戸惑って、恐ろしく思って、どうしていいのか分からなくなっただけ。
でもきっと今私に見せてくれるこの表情だって嘘ではないのだ。
テオだってそうだ。
問い詰められるだろうことは分かっていたはずなのに、それでもタオルを持ってきてくれた。あの優しさは、彼本来のものに違いない。
商船の乗組員に見せた冷徹な表情もまた本当なのだとしても、それで今までの彼がなくなるわけではない。
だから信じることにしたのだ。
この船に私を迎え入れてくれた彼らのことを。
船長の言いつけを守って、私に何の手出しもせず紳士的でいてくれる彼らのことを。
もちろん今日の行いを正当化する気はない。
何か理由があってそうせざるを得なかったとしても、犯罪は犯罪だ。
でも、私は逃げないし誤魔化さない。
そういう船に乗って、そういう人たちとこの先も生きる。
染まるのではなく、ただ受け入れる。
何も事情を知らないのだから、今はもうそれでいい。
開き直りだと言われても構わなかった。
彼らを断罪して責めるより、理解するために努力をしたかった。
「ね。だから一緒にお昼ご飯の準備しましょ?」
「……うん。オレ、頑張るよ」
明るく言うと、アランの憂鬱な表情が少しだけ晴れた。
私のせいで彼が胸を痛めていたのだと思うと悲しかった。
彼らが悪人だというのなら、商船の人たちが困窮するであろうことへの危惧より、アランが今元気かどうかの方が気になる私も、立派な悪者だ。
だからもういい。
相手が誰であろうと、どんな立場であろうと、私はここの人たちを優先する。
そう決めた。
「行こう、アラン」
「うん! オレね、結構料理上手になったと思うんだ」
部屋を出て、並んで歩き出す。
やっぱりアランは笑顔が一番いい。
「本当に上手になったと思う。簡単なのならもう一人で出来そうよね」
「味付けのコツもなんとなくわかってきたよ。味見って大事だね」
話すうちに少しずつ元気を取り戻すアランが微笑ましくて、ニコニコ笑いながら聞いているとアランが照れたように俯いた。
「……レーナ。大好きだよ」
「うん、私も。アランが大好きよ」
「俺のことは?」
背後から唐突に声が掛かって、アランと同時に振り返る。
自分の部屋に戻ろうとしていたらしいアルフレッドが、どこか皮肉気な笑みを浮かべて立っていた。
商船での険しい顔も初めて見るものだったが、こんな表情をする彼も珍しい。
「軽蔑した?」
あくまでも軽い口調で、軽薄な笑みで、何気なさを装ってまるで冗談みたいに彼は問う。
「ううん、大好きよ」
だから躊躇もなく笑顔で答える。
アルは一瞬毒気を抜かれたような表情をして、それからいつものキザな笑みに戻った。
「俺もレーナが好きだよ。本当に。大好きだ」
少し真剣みを帯びた声で、噛みしめるように言う。
そうして一歩近づいて、おもむろに両腕を広げた。
「ハグしていい?」
「ダメ」
「アランには聞いてないんだけど」
「絶対ダメ」
きっぱりと断るアランに、アルがうんざりした顔をする。
「レーナ?」
「あはは」
催促するように私に視線を向けるアルと、威嚇するように私の前に立つアラン。
二人のやり取りが面白くて、思わず声を上げて笑ってしまった。
「十秒だけ。ダメ?」
「うーん、恥ずかしいからダメ、かな」
そう言ってアランと同じ答えを返す。
アルが残念そうな顔をして腕をおろした。
しつこく食い下がる気はなかったらしい。
「ほらね。オレの言った通りだろ。アルはすけべだからダメ」
「しょうがない、じゃあアランで我慢しよう」
「は? ぎえっ、」
不本意そうに言って、宣言通りにアルフレッドがアランに抱き着く。
アランは船の軋みのような悲鳴を上げ、アルの腕から抜け出そうともがいたが叶わなかった。
ようやくアランをいじめることに満足したアルが手を離す頃には、アランの息が上がっていた。
「じゃあねレーナ。俺が恋しくなったらいつでも呼んで」
「ありがとうアル。覚えておくわ」
ひらひらと手を振るアルに手を振り返し、ぐったりしたアランの腕を引いて今度こそ厨房へと向かう。
そこにはテオが待っていた。
「やぁ、二人とも」
「テオ」
いるかもしれない、とは思っていたが、実際に顔を合わせると少し気まずかった。
テオには一番混乱している姿を見られている。
びしょ濡れのままの、みっともない姿だ。
「あのー、その、……さっきはごめ、」
照れ隠しに頬を掻きながら口を開いたが、最後まで言い終わる前に抱き竦められる。
テオの身体で視界が遮られ、一瞬混乱する。
アランが「あー!」と叫ぶのが聞こえた。
「テオずるい!」
「良かった……」
耳元で小さな呟きが聞こえる。安堵の声だった。
私の表情を見ただけで、混乱も拒絶感もなくなったことを察してくれたのだろう。
心配してくれたことへの感謝の意を込めて、軽く抱き返す。
「嫌な気持ちにさせてしまってごめんなさい」
「そんなこと思ってない。謝らないで」
「いいな! オレも!」
「ふふっ、じゃあアランも」
「ホント⁉」
私たちの周りでピョコピョコしてるアランに言えば、パッと顔を輝かせて飛びついてきた。
「うわっ」
突進してきたアランの体重を受け止めてテオが呻く。
そのまま三人でもみくちゃになりながらぎゅうぎゅう抱きしめ合った。
なんてことないことで、笑い合えるのが嬉しかった。
ようやく離れて、深く息をする。
まだ少し心にわだかまるものは残っていたが、それでもこの日常が大事で、手放したくはなかった。
「髪、やってもらってもいい? 自分でやっても上手く出来なくて」
「もちろん」
昼食の準備に取り掛かる前に、髪をほどいてテオにお願いする。
いつもの紳士的で優しい笑みで、彼は髪飾りを受け取ってくれた。
「……レーナ」
さあ行こう、と気合いを入れたタイミングで遠慮がちなノックと声が聞こえた。
「どうぞ」
対する私の声はいつも通りだ。
遠慮がちに扉から顔を覗かせたアランが、私の顔を見てホッとした表情をした。
「元気……?」
「うん。アランは元気なさそう」
「そんなことはないけど……」
言いたいことはたくさんあるのだろうに、言えなくてつらそうなアランに苦笑する。
「こっち来て」
扉から動こうとしないアランに手招きすると、叱られた犬みたいな顔のまま部屋に入ってきた。
近い距離で向き合って、アランの両手を握る。
「私は大丈夫だから。気遣ってくれてありがとう」
「……嫌いになってない?」
「なるわけない」
きっぱりと答えて笑ってみせる。
そう、嫌いになんてなるわけがない。
いつもと違う一面に戸惑って、恐ろしく思って、どうしていいのか分からなくなっただけ。
でもきっと今私に見せてくれるこの表情だって嘘ではないのだ。
テオだってそうだ。
問い詰められるだろうことは分かっていたはずなのに、それでもタオルを持ってきてくれた。あの優しさは、彼本来のものに違いない。
商船の乗組員に見せた冷徹な表情もまた本当なのだとしても、それで今までの彼がなくなるわけではない。
だから信じることにしたのだ。
この船に私を迎え入れてくれた彼らのことを。
船長の言いつけを守って、私に何の手出しもせず紳士的でいてくれる彼らのことを。
もちろん今日の行いを正当化する気はない。
何か理由があってそうせざるを得なかったとしても、犯罪は犯罪だ。
でも、私は逃げないし誤魔化さない。
そういう船に乗って、そういう人たちとこの先も生きる。
染まるのではなく、ただ受け入れる。
何も事情を知らないのだから、今はもうそれでいい。
開き直りだと言われても構わなかった。
彼らを断罪して責めるより、理解するために努力をしたかった。
「ね。だから一緒にお昼ご飯の準備しましょ?」
「……うん。オレ、頑張るよ」
明るく言うと、アランの憂鬱な表情が少しだけ晴れた。
私のせいで彼が胸を痛めていたのだと思うと悲しかった。
彼らが悪人だというのなら、商船の人たちが困窮するであろうことへの危惧より、アランが今元気かどうかの方が気になる私も、立派な悪者だ。
だからもういい。
相手が誰であろうと、どんな立場であろうと、私はここの人たちを優先する。
そう決めた。
「行こう、アラン」
「うん! オレね、結構料理上手になったと思うんだ」
部屋を出て、並んで歩き出す。
やっぱりアランは笑顔が一番いい。
「本当に上手になったと思う。簡単なのならもう一人で出来そうよね」
「味付けのコツもなんとなくわかってきたよ。味見って大事だね」
話すうちに少しずつ元気を取り戻すアランが微笑ましくて、ニコニコ笑いながら聞いているとアランが照れたように俯いた。
「……レーナ。大好きだよ」
「うん、私も。アランが大好きよ」
「俺のことは?」
背後から唐突に声が掛かって、アランと同時に振り返る。
自分の部屋に戻ろうとしていたらしいアルフレッドが、どこか皮肉気な笑みを浮かべて立っていた。
商船での険しい顔も初めて見るものだったが、こんな表情をする彼も珍しい。
「軽蔑した?」
あくまでも軽い口調で、軽薄な笑みで、何気なさを装ってまるで冗談みたいに彼は問う。
「ううん、大好きよ」
だから躊躇もなく笑顔で答える。
アルは一瞬毒気を抜かれたような表情をして、それからいつものキザな笑みに戻った。
「俺もレーナが好きだよ。本当に。大好きだ」
少し真剣みを帯びた声で、噛みしめるように言う。
そうして一歩近づいて、おもむろに両腕を広げた。
「ハグしていい?」
「ダメ」
「アランには聞いてないんだけど」
「絶対ダメ」
きっぱりと断るアランに、アルがうんざりした顔をする。
「レーナ?」
「あはは」
催促するように私に視線を向けるアルと、威嚇するように私の前に立つアラン。
二人のやり取りが面白くて、思わず声を上げて笑ってしまった。
「十秒だけ。ダメ?」
「うーん、恥ずかしいからダメ、かな」
そう言ってアランと同じ答えを返す。
アルが残念そうな顔をして腕をおろした。
しつこく食い下がる気はなかったらしい。
「ほらね。オレの言った通りだろ。アルはすけべだからダメ」
「しょうがない、じゃあアランで我慢しよう」
「は? ぎえっ、」
不本意そうに言って、宣言通りにアルフレッドがアランに抱き着く。
アランは船の軋みのような悲鳴を上げ、アルの腕から抜け出そうともがいたが叶わなかった。
ようやくアランをいじめることに満足したアルが手を離す頃には、アランの息が上がっていた。
「じゃあねレーナ。俺が恋しくなったらいつでも呼んで」
「ありがとうアル。覚えておくわ」
ひらひらと手を振るアルに手を振り返し、ぐったりしたアランの腕を引いて今度こそ厨房へと向かう。
そこにはテオが待っていた。
「やぁ、二人とも」
「テオ」
いるかもしれない、とは思っていたが、実際に顔を合わせると少し気まずかった。
テオには一番混乱している姿を見られている。
びしょ濡れのままの、みっともない姿だ。
「あのー、その、……さっきはごめ、」
照れ隠しに頬を掻きながら口を開いたが、最後まで言い終わる前に抱き竦められる。
テオの身体で視界が遮られ、一瞬混乱する。
アランが「あー!」と叫ぶのが聞こえた。
「テオずるい!」
「良かった……」
耳元で小さな呟きが聞こえる。安堵の声だった。
私の表情を見ただけで、混乱も拒絶感もなくなったことを察してくれたのだろう。
心配してくれたことへの感謝の意を込めて、軽く抱き返す。
「嫌な気持ちにさせてしまってごめんなさい」
「そんなこと思ってない。謝らないで」
「いいな! オレも!」
「ふふっ、じゃあアランも」
「ホント⁉」
私たちの周りでピョコピョコしてるアランに言えば、パッと顔を輝かせて飛びついてきた。
「うわっ」
突進してきたアランの体重を受け止めてテオが呻く。
そのまま三人でもみくちゃになりながらぎゅうぎゅう抱きしめ合った。
なんてことないことで、笑い合えるのが嬉しかった。
ようやく離れて、深く息をする。
まだ少し心にわだかまるものは残っていたが、それでもこの日常が大事で、手放したくはなかった。
「髪、やってもらってもいい? 自分でやっても上手く出来なくて」
「もちろん」
昼食の準備に取り掛かる前に、髪をほどいてテオにお願いする。
いつもの紳士的で優しい笑みで、彼は髪飾りを受け取ってくれた。
14
お気に入りに追加
1,206
あなたにおすすめの小説
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
未亡人メイド、ショタ公爵令息の筆下ろしに選ばれる。ただの性処理係かと思ったら、彼から結婚しようと告白されました。【完結】
高橋冬夏
恋愛
騎士だった夫を魔物討伐の傷が元で失ったエレン。そんな悲しみの中にある彼女に夫との思い出の詰まった家を火事で無くすという更なる悲劇が襲う。
全てを失ったエレンは娼婦になる覚悟で娼館を訪れようとしたときに夫の雇い主と出会い、だたのメイドとしてではなく、幼い子息の筆下ろしを頼まれてしまう。
断ることも出来たが覚悟を決め、子息の性処理を兼ねたメイドとして働き始めるのだった。
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
騎士団長の欲望に今日も犯される
シェルビビ
恋愛
ロレッタは小さい時から前世の記憶がある。元々伯爵令嬢だったが両親が投資話で大失敗し、没落してしまったため今は平民。前世の知識を使ってお金持ちになった結果、一家離散してしまったため前世の知識を使うことをしないと決意した。
就職先は騎士団内の治癒師でいい環境だったが、ルキウスが男に襲われそうになっている時に助けた結果纏わりつかれてうんざりする日々。
ある日、お地蔵様にお願いをした結果ルキウスが全裸に見えてしまった。
しかし、二日目にルキウスが分身して周囲から見えない分身にエッチな事をされる日々が始まった。
無視すればいつかは収まると思っていたが、分身は見えていないと分かると行動が大胆になっていく。
文章を付け足しています。すいません
貴方の愛人を屋敷に連れて来られても困ります。それより大事なお話がありますわ。
もふっとしたクリームパン
恋愛
「早速だけど、カレンに子供が出来たんだ」
隣に居る座ったままの栗色の髪と青い眼の女性を示し、ジャンは笑顔で勝手に話しだす。
「離れには子供部屋がないから、こっちの屋敷に移りたいんだ。部屋はたくさん空いてるんだろ? どうせだから、僕もカレンもこれからこの屋敷で暮らすよ」
三年間通った学園を無事に卒業して、辺境に帰ってきたディアナ・モンド。モンド辺境伯の娘である彼女の元に辺境伯の敷地内にある離れに住んでいたジャン・ボクスがやって来る。
ドレスは淑女の鎧、扇子は盾、言葉を剣にして。正々堂々と迎え入れて差し上げましょう。
妊娠した愛人を連れて私に会いに来た、無法者をね。
本編九話+オマケで完結します。*2021/06/30一部内容変更あり。カクヨム様でも投稿しています。
随時、誤字修正と読みやすさを求めて試行錯誤してますので行間など変更する場合があります。
拙い作品ですが、どうぞよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる