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「なんか……うん、大丈夫そうだね。」
かすみが苦笑いしながら言った。

「さて……。」

「……それじゃあ邪魔者……じゃない、一人いなくなったけど……。」

「え?も、もしかしてまだやるの?」

「当たり前です!」

「……当然っ!」

ここがチャンス。
彼女らの表情がそう語っている。

「で、でも……。」

「……途中棄権は許されない。」
そんなルールあっただろうか?
ゆかりが言う。

「え?そ、そうなの?」
初耳だ。
そんなもの知らない。
戸惑うかすみ。

「そうです!そうなんです!そういうものなんです!」
ぐいぐいっ!
かすみに対して物凄い圧をかけるエル。

「う、うん……分かったよ……。」
その圧に負け、苦笑いで継続してしまう。

思えば彼女らもずいぶん変化したものだ。
どちらかと言えば、ゆかりは口数少ない。
そして、普段どのようなことを考えているのかがいまいち掴めないような子であった。

エルは、もっと大人っぽい雰囲気であった。
その為、偽りとはいえ幼馴染でなければ近づくことも躊躇してしまうような人物であった。

「……かすみちゃんを自由に出来るなんて……神の遊び……一生やっていたい……。」

「楽しみです……楽しみ過ぎます!どんな命令をしましょうかね……ぐへ、ぐへへへへ……。」

それがどうだろう。
今や、目先の欲に食らい付こうとしているのがすぐに分かる。
本当に、変わった。

これが良いのか、悪いのか。
きっと、今はまだ分からないだろう。
しかし、停滞して偽物の関係を築き続けるよりはましだろう。

「……ふひひ……。」

「きしぇしぇ……。」

前言撤回。
もしかしたら前の方が良かったかもしれない。
幸せそうに気絶している美咲。
そして、怪しげな笑いをしているゆかりとエル。
彼女らを見て、苦笑いでそう思うかすみであった。
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