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「あはは、いやぁ、ご名答です……。流石ですなぁ、名探偵ゆかりちゃん……。」
あはは……。
ゆかりの質問に、再び苦笑いをしてしまうかすみ。

「……いぇーい。正解した私、磯飛ゆかりさんには、かすみちゃんポイントが一ポイント入ります。」
抑揚のない声を出すゆかり。

「え?か、かすみちゃんポイント?なにそれ?」
自身の名前を含んだもの。
そして、初耳であるそれを聞き返すかすみ。

「……そう。かすみちゃんにまつわることに対して正解すると入るポイント。」

「ちなみにそれが貯まるとどうなるの?」

「……。」

「ゆかりちゃん?」

「……け、検討中。」

なるほど、検討中か。
特に何も考えずに言ったのだろうな。

「ま、まぁそれはそのままずっと検討中でいてもらうとして……。」

「……。」
かすみの言葉を聞くと、そのまま彼女をジッと見つめているだけになったゆかり。

真っ赤な瞳。
彼女のキラキラと輝くそれは、しっかりとかすみを捉えている。
そんな彼女の口角。
それは、かすみには心なしか、少し上がっているように見えた。

「え?ど、どうしたの?」

「……ふふ、何でもないよ。見てるだけ。……あっ、かすみちゃんポイント使って頬っぺたツンツンして良い?」

「え?」

ツンツン。
許可をする前にゆかりがかすみの頬を突っついた。

いつもならば、これほど活発な姿を見せることのないゆかり。
話し方と同じく、ゆっくりと動き、無駄なことは一切しないのだ。

珍しく朝から機嫌が良いのだな。
彼女を見て、そんなことを思うかすみであった。

「ぬくぬくー。はぁ……幸せぇ……。かすみさんに包まれてるみたい……。」
言葉の通り、幸せそうな腑抜けた声を出すエル。

彼女はいつの間に布団に潜り込んだのだろうか。
そこは、先ほどまでかすみが寝ていた場所だ。
その中にいるエル。
そんな彼女はあろうことか、かけ布団を顔が半分隠れるところまで被っている。

なぜそんな幸せそうな表情で寝ていられるのだろう。
先ほどまで自分がいた為、熱が残っているはずだ。
それなのに、エルの顔には汗も見えない。
相変わらず不思議だな。
そう思うかすみであった。


「ごめんね、着替えるからリビングにいてもらって良い?」

「……お構いなく。ここにいるから大丈夫。」

「のーぷろぶれむです!この中で暖まってるから気にしないで下さい!」
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