はりぼてスケバン弐

あさまる

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「な、なるほど……っす。」
華子と行動を共にしてしている丸雄。
だからこそ、納得するのであった。

「……それで?俺達はどうすれば良い?」

「おっ、鯉崎君は話が早くて助かるねー。」
へらへら。
やはり半笑い。
真剣さが伺えない。
しかし、一見そのようなものでも彼は確かに本気であった。

「……。」
御託は良い。
早く要件を言え。
無言の中に、そんな意味を含む亥玄であった。

「じゃあ、今から話すねー。」
そうして、心司は話し出した。

なぜ、彼が二人の居場所が分かったのか。
そして、協定反対派への対策を話し合っているのかを知っているのかは分からず仕舞いであった。


「……なるほど、確かにこれが上手く行けば奴らを黙らせられるな。」

「……そうっすね。」

「なら決定だねー。」
ニコニコ。
二人の賛同を得ることが出来た。
思惑通りだ。
嬉しそうな心司が言う。

「……。」

「……。」

無言の二人。
しかし、その中でも雰囲気は違う。
何かを考え込む亥玄。
そして、悔しそうにする丸雄であった。

「……もうー、シバ犬ちゃん!そんな顔しないのー。ある意味君が一番重要なんだからねー?」
くしゃくしゃ……。
そう言いながら、乱暴にの頭を撫でる心司。

「……うっす。」
そうは言うが、結局終始浮かない顔の丸雄であった。

彼自身が一番よく分かっていたのだ。
心司の言葉には偽りがあった。
一番重要。
そんなわけがない。
そんなわけがないのだ。


「何か最近、鯉崎君って別行動多いよね……。」

「そ、そうっすか?気のせいなんじゃないっすか?」

心司の作戦。
それが遂行されてから、数日が経過した。
華子の登下校には丸雄が隣を歩くのみとなっていた。
亥玄や蝶華はなぜか所用があると言い、共に歩くのを断り続けていたのだ。

「そうだよー、気のせいなんかじゃないよ。……それに、蝶華ちゃんも最近忙しいって遊べてないし……。私、二人に何かしちゃったかな……?」
しょんぼり。
終始落ち込んだ様子で呟く華子。

「ほ、ほらっ!俺がいるっすよ、姐さん!さ、寂しくないっす!」
あせあせ。
慌てながら丸雄が彼女を慰めるように言う。

「……ふふふ、そうだね、ありがとう。よしっ!行こっか!」

「さ、さぁ!行くっすよー!」

空元気。
もちろん、無理をしている彼女の表情は未だに晴れないままであった。
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