はりぼてスケバン弐

あさまる

文字の大きさ
上 下
35 / 118
3

3

しおりを挟む
「あ、え?か、唐揚げ……?」
ノンフィルターで脳内の疑問が彼女の口から出る。

「……あぁ、そうだが?それ以外のものに見えるか?」

「いや、見えないけど……。」

「ならなぜ聞いた?」

「……ご、ごめん。」
なぜここまで煽られなければならないのだろうか。
謝罪こそしたが、亥玄の言葉に少し苛立つ華子であった。

「……あいつら……。」
ボソリ。
呟く丸雄。
その視線の先には、先ほど華子を睨んでいた者達があった。

「……鼬原。」
彼女を呼ぶのは亥玄。

「……え?な、何?」
頼んだものではない。
しかし、先ほど亥玄に差し出された唐揚げを早速食べていた。
その為、意識がそちらへ向いていたのだ。
そして、呼び掛けへの反応が少し遅れてしまった。

「これからは校内では俺か尾谷……生徒会長といろ。校外であれば、白辰の頭か尾谷の妹でも良い。とにかく一人にはなるな。」

「え?え?え?」
何が何だか分からない。
困惑するしかない華子。

「……鯉崎、それって……。」
彼女は理解出来ていなかった。
しかし、丸雄には、彼のその言葉の意味が分かったようだ。

「……気分を害したのであれば謝る。しかし、撤回するつもりはない。」

「……。」

「ちょ、ちょっと二人とも……。」
明らかにピリピリしている。
そんな空気を察した華子が二人の間に割って入る。

「……分かってるっすよ……。分かってる……そのくらい……。」

「……。」

「……ふ、二人とも……?」

「だ、大丈夫っす。姐さん、大丈夫っすから。」
苦笑い。
どこか悔しそうな丸雄が彼女へ言う。

「そ、そっか……。……えっと、鯉崎君、理由を聞いても良い?」

「あいつら、何か企んでいた。今お前に何かあれば停戦協定だけでなく、黒校全体に響くからな。」

「何かあればって、そんな物騒な……。」

「黒校の頭になったってことはそういうことだ。自覚を持て。」

「……ごめん。」

「別に……謝ってほしいわけでは……。」

「ほ、ほら!二人ともっ!話がまとまったなら終わりっす!」
パン!
手を叩き、この話題を半ば強制的に終わらせる丸雄であった。


所変わり、白辰高校。
その空き教室の一つ。
そこに、辰美と蝶華、そして本来この場にいるはずのない者がいた。
心司だ。

「……恐らく、近々動くだろうな。」

「まぁ……そうだろうねー……。」

「……。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ロリっ子がおじさんに種付けされる話

オニオン太郎
大衆娯楽
なろうにも投稿した奴です

はりぼてスケバン

あさまる
青春
※完結済、続編有ります。 なぜこうなってしまったのだろう。 目の前の惨劇は、確かに自身が起こしてしまった。 しかし、それは意図したものではない。 病弱で、ろくに中学生生活を送ることの出来なかった鼬原華子。 そんな彼女は志望校に落ち、滑り止めとして入る予定のなかった高校に入学することとなる。 ※この話はフィクションであり、実在する団体や人物等とは一切関係ありません。 また、作中に未成年飲酒、喫煙描写が含まれますが、あくまで演出の一環であり、それら犯罪行為を推奨する意図はありません。 誤字脱字等ありましたら、お手数かと存じますが、近況ボードの『誤字脱字等について』のページに記載して頂けると幸いです。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

夫が留守のとき新妻が男に襲われた!! ああ、どうしたらいいの!!

マッキーの世界
大衆娯楽
新婚夫婦の新妻。 「あなた、いってらっしゃい」 新妻はかわいらしい笑顔で夫を見送る。 「ああ、いってくるよ」 玄関先で熱いキスをする2人。 マイカは出勤した夫を

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

お父さん!義父を介護しに行ったら押し倒されてしまったけど・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
今年で64歳になる義父が体調を崩したので、実家へ介護に行くことになりました。 「お父さん、大丈夫ですか?」 「自分ではちょっと起きれそうにないんだ」 「じゃあ私が

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

処理中です...