はりぼてスケバン弐

あさまる

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「おーい、尾谷ー?ちゃんと真面目に……すまない、やってるか……。」
飛鳥が彼を注意しようとした。
しかし、その成果を目の当たりにしてそれを中止せざるを得なかった。

「嫌だなー、もちろんやってますよーっと。」

「あ、あぁ……そうだな。」
納得出来ない。
しかし、そうであっても飛鳥はこう言うしか出来なかった。


こうして、心司の提案を華子が具体的に動き始まったボランティアは初日を終えた。
今回だけでは成功か失敗かは分からない。
しかし、これを継続していくことで正しいかどうかが分かっていくだろう。

「よしっ!次も頑張るぞー!」
オレンジに染まる街。
そこで帰宅中の華子が一人言を言うのであった。


第二回。
今回は少し早めに到着するように集合場所へと向かった華子。
そんな彼女の目に飛び込んで来たのは彼女にとって喜ばしいものであった。

「この前より増えてる……?」
そう。
この前集まった人数よりも多かったのだ。

「おう、今日は早いな。」

「おはようございます、姐さん!」

既に掃除をしていた亥玄と丸雄。
手を止めることはなかったが、彼女の元へと歩み寄って来た。

「皆早いねー。それに、この前より多いねっ!」
ニコニコ。
嬉しそうに話す華子。

「……あぁ……まぁ、そう……だろうな。」

「あはは……そうっすね……。」

華子とは真逆だ。
二人の顔は曇っている。
心なしかどこかこの状況を好ましく思っていないように見える。

「……二人とも?」

「いや、何でもない。」

「そ、そうっす!何でもないっすよ。」

「そ、そう?」
本当にそうか?
そんなわけがない。
華子が再度質問する。

「そうだ。」

「そうっす、そうっす!さ、今回も頑張るっすよー!エイエイオー!」

「お、おー……?」
丸雄の勢いに負けてしまった。
彼とともに競争でも何でもないのに鬨を上げてしまうのであった。


「つ、疲れた……。」
フラフラ……。
足元が覚束ない華子。

「姐さん、大丈夫っすか?」

「公園にでも行ってベンチに座るか?」

両サイドにいる丸雄と亥玄。
彼らが心配そうに彼女へ声をかける。

「い、いや……私より二人の方が疲れてないか心配なんだけど……。」
申し訳なさそうに返事をする華子。

華子よりも彼らの方が疲れているのではないか。
それは、本当に彼女が心配していることであった。
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