142 / 154
21
21ー1
しおりを挟む
「……う、うーん。」
唸る翔子。
自室のベッドで横になっている。
そして、天井を見て悩んでいる。
ごろごろ……ごろごろ……。
ベッド上を転がる。
意味は特にない。
休日の朝。
いつもよりも少し早く起きてしまったのは、気がかりなことがあったからだろう。
「……特別な……存在……。」
特別な存在になりたい。
友人だと思っていた二人から、そんなことを言われた。
つまり、親友になりたいということだろうか?
それならば、大歓迎だ。
むしろ、そうなりたい。
しかし、どうやらそうではないらしい。
「どうすれば良いんだろう……?」
親友。
それ以上の存在があるのだろうか?
分からない。
きっと、このまま一人で考えていても無意味なのだろう。
それならどうすべきか?
「よしっ!」
勢いをつけ、起き上がる。
そして、部屋を出た。
翔子の目的地。
それは、梨華の部屋だ。
しっかり者の梨華のことだ。
きっと休日でも早く起きているだろう。
そう思い、部屋の扉をノックする。
すると、案の定、彼女の声がした。
「何ー?お母さん?」
廊下側の人物へ返事をする梨華。
「梨華ちゃん、私だよ、翔子。」
「え!?しょ、翔子ちゃん!?」
扉の外が翔子だと気づくと、梨華は大慌てになった。
声が大きくなり、語尾が必要以上に上がり、上擦っていた。
「だ、大丈夫?」
ドアノブに手をかける。
「だ、大丈夫!大丈夫だからちょっと待って!」
今までよりもやや大きめな声で制止する。
そして、ドタバタと部屋の中が騒がしくなった。
「ほ、本当に大丈夫?」
心配になる翔子。
「だ、大丈夫だから開けないで!開けたら双方損しかないから!」
「そ、損……?うん、分かった。待ってるね。」
何を言っているのだろう?
梨華の言葉を理解出来ない翔子。
しかし、開けてほしくないということだけは分かった。
それなら、彼女が嫌がるのであれば、止めよう。
ノブから手を離す。
「え、えっと……翔子ちゃんの部屋に行って良い?」
「え?い、良いけど……。」
「ありがとう、なら先に待ってて?」
「うん。」
本当にどうしたのだろう?
そんな疑問を抱きながらも、彼女に言われた通り引き返す翔子であった。
どれくらい待っただろう。
梨華を待つこと数分。
ベッドに腰かけている翔子。
そんな彼女の耳に届く扉を叩く音。
唸る翔子。
自室のベッドで横になっている。
そして、天井を見て悩んでいる。
ごろごろ……ごろごろ……。
ベッド上を転がる。
意味は特にない。
休日の朝。
いつもよりも少し早く起きてしまったのは、気がかりなことがあったからだろう。
「……特別な……存在……。」
特別な存在になりたい。
友人だと思っていた二人から、そんなことを言われた。
つまり、親友になりたいということだろうか?
それならば、大歓迎だ。
むしろ、そうなりたい。
しかし、どうやらそうではないらしい。
「どうすれば良いんだろう……?」
親友。
それ以上の存在があるのだろうか?
分からない。
きっと、このまま一人で考えていても無意味なのだろう。
それならどうすべきか?
「よしっ!」
勢いをつけ、起き上がる。
そして、部屋を出た。
翔子の目的地。
それは、梨華の部屋だ。
しっかり者の梨華のことだ。
きっと休日でも早く起きているだろう。
そう思い、部屋の扉をノックする。
すると、案の定、彼女の声がした。
「何ー?お母さん?」
廊下側の人物へ返事をする梨華。
「梨華ちゃん、私だよ、翔子。」
「え!?しょ、翔子ちゃん!?」
扉の外が翔子だと気づくと、梨華は大慌てになった。
声が大きくなり、語尾が必要以上に上がり、上擦っていた。
「だ、大丈夫?」
ドアノブに手をかける。
「だ、大丈夫!大丈夫だからちょっと待って!」
今までよりもやや大きめな声で制止する。
そして、ドタバタと部屋の中が騒がしくなった。
「ほ、本当に大丈夫?」
心配になる翔子。
「だ、大丈夫だから開けないで!開けたら双方損しかないから!」
「そ、損……?うん、分かった。待ってるね。」
何を言っているのだろう?
梨華の言葉を理解出来ない翔子。
しかし、開けてほしくないということだけは分かった。
それなら、彼女が嫌がるのであれば、止めよう。
ノブから手を離す。
「え、えっと……翔子ちゃんの部屋に行って良い?」
「え?い、良いけど……。」
「ありがとう、なら先に待ってて?」
「うん。」
本当にどうしたのだろう?
そんな疑問を抱きながらも、彼女に言われた通り引き返す翔子であった。
どれくらい待っただろう。
梨華を待つこと数分。
ベッドに腰かけている翔子。
そんな彼女の耳に届く扉を叩く音。
0
お気に入りに追加
28
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる