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「い、いやその……。」
オロオロ……。
「本人に直接言えば良いじゃないですか……。」
「出来ないよ、恥ずかしい!」
「えぇ……。」
困惑。
ただただ困惑する真優であった。
「分かりましたよ……。言います、言いますよ。それで良いでしょ?」
「ありがとう。雨枝さんならそう言ってくれると思ったよ。」
何をいけしゃあしゃあと……。
ため息をつく真優。
ただ根負けしただけであった。
「まぁ、またタイミングあったら言いますよ……。」
「いや、今言ってよー。」
「え?」
何を言っているのだ?
急過ぎないか?
「ほら、後ろ後ろっ!」
卯佐子の声。
それに反応し、振り返る真優。
「……あっ、え?海部……しょ、翔子さん……。」
そこにいた人物。
「あ、あはは……奇遇だね……。」
翔子であった。
奇偶。
そんなわけがない。
こんな人気のない場所、誰も寄り付かない。
だからこそ、卯佐子も選んだのだ。
「ちなみに前回もいたよね?」
苦笑いの卯佐子。
そんなことを言う彼女は、そっぽを向いている。
「え、えっと……その……。」
ぷいっ。
卯佐子のように、目を背ける翔子。
しかし、明らかに彼女とは雰囲気が違う。
やましいことがあるのだろう。
つまり、それは卯佐子に指摘されたことが、正しかったということを意味しているのだろう。
それは分かる。
おおよその見当はつくのだ。
しかし、卯佐子が目を背けている理由は分からない。
「う、うわぁ……あまりにも美人過ぎるじゃん……。もうこれは嘘じゃん、架空の人物じゃん……。近くで見ると顔小さっ……。足細っ……。まつ毛長っ……て言うか、綺麗過ぎて目が焼けそうなんだけど……。」
ボソボソ……。
卯佐子は頬を染め、そう呟いていた。
話が逸れてしまったようだ。
「ところで昨日遊んだのは、この人で間違いないありませんか?」
「う、うん。そうだよ、このお姉さんだよ。」
意外なところで繋がるものだな。
そう思う真優であった。
「くぅ……羨ましい……。」
ギリギリギリ……。
相等悔しかったのだろう。
歯ぎしりする卯佐子。
「な、なら今度三人でどこか遊びに行きませんか?」
完全に無意識。
脳内で言おうか迷っていたもの。
そんなものが、真優の口から出た。
三人。
自分も含めている。
決して卯佐子の為だけではない提案。
自身の欲も含むものだ。
オロオロ……。
「本人に直接言えば良いじゃないですか……。」
「出来ないよ、恥ずかしい!」
「えぇ……。」
困惑。
ただただ困惑する真優であった。
「分かりましたよ……。言います、言いますよ。それで良いでしょ?」
「ありがとう。雨枝さんならそう言ってくれると思ったよ。」
何をいけしゃあしゃあと……。
ため息をつく真優。
ただ根負けしただけであった。
「まぁ、またタイミングあったら言いますよ……。」
「いや、今言ってよー。」
「え?」
何を言っているのだ?
急過ぎないか?
「ほら、後ろ後ろっ!」
卯佐子の声。
それに反応し、振り返る真優。
「……あっ、え?海部……しょ、翔子さん……。」
そこにいた人物。
「あ、あはは……奇遇だね……。」
翔子であった。
奇偶。
そんなわけがない。
こんな人気のない場所、誰も寄り付かない。
だからこそ、卯佐子も選んだのだ。
「ちなみに前回もいたよね?」
苦笑いの卯佐子。
そんなことを言う彼女は、そっぽを向いている。
「え、えっと……その……。」
ぷいっ。
卯佐子のように、目を背ける翔子。
しかし、明らかに彼女とは雰囲気が違う。
やましいことがあるのだろう。
つまり、それは卯佐子に指摘されたことが、正しかったということを意味しているのだろう。
それは分かる。
おおよその見当はつくのだ。
しかし、卯佐子が目を背けている理由は分からない。
「う、うわぁ……あまりにも美人過ぎるじゃん……。もうこれは嘘じゃん、架空の人物じゃん……。近くで見ると顔小さっ……。足細っ……。まつ毛長っ……て言うか、綺麗過ぎて目が焼けそうなんだけど……。」
ボソボソ……。
卯佐子は頬を染め、そう呟いていた。
話が逸れてしまったようだ。
「ところで昨日遊んだのは、この人で間違いないありませんか?」
「う、うん。そうだよ、このお姉さんだよ。」
意外なところで繋がるものだな。
そう思う真優であった。
「くぅ……羨ましい……。」
ギリギリギリ……。
相等悔しかったのだろう。
歯ぎしりする卯佐子。
「な、なら今度三人でどこか遊びに行きませんか?」
完全に無意識。
脳内で言おうか迷っていたもの。
そんなものが、真優の口から出た。
三人。
自分も含めている。
決して卯佐子の為だけではない提案。
自身の欲も含むものだ。
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