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困った。
困ってしまった。
困り果ててしまった。
だらだらだらだら……。
運動している訳ではない。
それなのに、真優の身体中から汗が止まらない。
「楽しみだなー。」
ニコニコ。
一方翔子は笑みを浮かべ、楽しそうだ。
「そ、そ、そそそソウデスネー……。」
「どこ行く?」
「あ、お、オナカ……お、お腹空きません?」
「あー、そうだね。うん、ペコペコだなぁ。」
ニコニコ。
相変わらず機嫌が良さそうだ。
「で、ではお昼食べましょう、そうしましょう。」
「うん、そうしよう、そうしましょう!」
ふふふ。
微笑みながら真優の真似をしてみせる翔子であった。
さて、第二の困難。
どこで昼食をとろうか。
「海部江さん、何か食べたいものはありますか?」
「うーん……。雨枝さんは?」
質問を質問で返された。
どうしようか。
無難な答えは何だろう。
「私?私は……そうですね……。」
「うんうん。」
視界に入る。
もうこの際ここで良いか。
「ハンバーガーですかね。ちょうど見つけましたし、良かったらここに入りませんか?」
「ハンバーガー!?うん!食べよう、食べよう!」
パーッと弾ける笑顔を見せる翔子。
幼い少女のような無邪気な笑み。
それにつられ、つい真優も微笑んでしまう。
店内は昼時ということもあり、若者を中心に賑わっていた。
二人はレジに並ぶと、注文するメニューを吟味した。
「雨枝さんはもう決まった?」
「え、えぇ。」
決まった。
というより、普段のセットで良いだろう。
そう思った真優であった。
「そっか。」
「……海部江さんはどうですか?」
コミュニケーションの基本。
聞かれたことを聞き返す。
それで、会話の糸口を探そう。
「私も決まったよ、あれ。」
そう言い、店内の看板を指さす翔子。
そこには新商品の写真が載っていた。
真っ赤な文字で、辛さをアピールしたそれ。
随分冒険するな。
それとも辛いものが好きなのだろうか?
そんなことを思う真優であった。
「いらっしゃいませ、店内でお召し上がりでしょうか?」
二人の番がやってきた。
店員の声に、小声でボソボソと囁くように反応する翔子。
隣にいる真優でさえ、そんな彼女の声は聞こえない。
仕方がない。
彼女の代わりに彼女の分も注文する真優であった。
「……ご、ごめんね。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
困ってしまった。
困り果ててしまった。
だらだらだらだら……。
運動している訳ではない。
それなのに、真優の身体中から汗が止まらない。
「楽しみだなー。」
ニコニコ。
一方翔子は笑みを浮かべ、楽しそうだ。
「そ、そ、そそそソウデスネー……。」
「どこ行く?」
「あ、お、オナカ……お、お腹空きません?」
「あー、そうだね。うん、ペコペコだなぁ。」
ニコニコ。
相変わらず機嫌が良さそうだ。
「で、ではお昼食べましょう、そうしましょう。」
「うん、そうしよう、そうしましょう!」
ふふふ。
微笑みながら真優の真似をしてみせる翔子であった。
さて、第二の困難。
どこで昼食をとろうか。
「海部江さん、何か食べたいものはありますか?」
「うーん……。雨枝さんは?」
質問を質問で返された。
どうしようか。
無難な答えは何だろう。
「私?私は……そうですね……。」
「うんうん。」
視界に入る。
もうこの際ここで良いか。
「ハンバーガーですかね。ちょうど見つけましたし、良かったらここに入りませんか?」
「ハンバーガー!?うん!食べよう、食べよう!」
パーッと弾ける笑顔を見せる翔子。
幼い少女のような無邪気な笑み。
それにつられ、つい真優も微笑んでしまう。
店内は昼時ということもあり、若者を中心に賑わっていた。
二人はレジに並ぶと、注文するメニューを吟味した。
「雨枝さんはもう決まった?」
「え、えぇ。」
決まった。
というより、普段のセットで良いだろう。
そう思った真優であった。
「そっか。」
「……海部江さんはどうですか?」
コミュニケーションの基本。
聞かれたことを聞き返す。
それで、会話の糸口を探そう。
「私も決まったよ、あれ。」
そう言い、店内の看板を指さす翔子。
そこには新商品の写真が載っていた。
真っ赤な文字で、辛さをアピールしたそれ。
随分冒険するな。
それとも辛いものが好きなのだろうか?
そんなことを思う真優であった。
「いらっしゃいませ、店内でお召し上がりでしょうか?」
二人の番がやってきた。
店員の声に、小声でボソボソと囁くように反応する翔子。
隣にいる真優でさえ、そんな彼女の声は聞こえない。
仕方がない。
彼女の代わりに彼女の分も注文する真優であった。
「……ご、ごめんね。」
「いえ、大丈夫ですよ。」
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