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とある幼馴染みと姉妹の日常

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なぜこうなってしまったのだろうか。
これほど酷いことになる前に止めることは出来なかったのだろうか。
目の前で繰り広げられる光景に、利奈はただただ呆気に取られることしか出来なかった。

「ど、どうすれば……。」


事の発端は、今から数十分前に遡る。
しかし、それだけでは不十分なので、さらに遡らなければならない。


「あー……なんで因数分解なんてやらなきゃいけないんだよ……。」

「本当だよな……全く……。こんなこと、意味ないだろー……。」

ある日の休日。
平盆市。

その中にある数少ないファミリーレストラン。
店内の、四人掛けのソファー席に座る者達。
海部照姉妹と美佳絵、佐多江の計四名がそこにいた。
勉強会。
彼女らの行っているのはそれであった。

「もう、二人ともなに言ってるの……。」

「そうですよ、学業は学生の本分ですよ?」

蜜柑と美佳絵が二人の言葉に反論する。
美佳絵の発言は、ぐうの音も出ない正論であるが、それでも彼女らは納得出来なかった。
理性ではなく感情が否定したのだ。

皆が同じ学年ではない。
しかし、教えることで自身の理解を深めることが出来る。
それに、教わる方も、教科担任に聞くよりも聞きやすく理解を深めることが出来るだろう。
蜜柑が提案し、実行されたそれは、中弛みのくる時間帯に差し掛かっていた。

「でもさー……。」

「……何よ。」

いつもなら、このような機会を作っても欠席するあずさ。
そんな彼女が珍しく来てくれた。
そして、何かを言いたげだ。
それならば、聞いてやるのも吝かではない。
蜜柑が矢面に立つ。

「ようやく学生になれたのにいつも同じメンツで集まってるじゃん……。もしかして、あんたら友達いないの?」


静寂。
ピシッという周囲が凍るような幻聴。
あずさの言葉で三人が固まってしまった。

「……あー……私、余計なこと言っちゃった?」
決して訂正するわけではない。
苦笑いで再度あずさが口を開いた。

「だ、大丈夫です、そんなことありません!わ、私……み、皆さん以外にもお友達いますから!」

「わ、私だってそうだし!姐さん的外れなこと言わないで下さいよ!」

「わ、私だって皆から慕われてるし!?私がいないと始まらないって言われるし!?だって私、生徒会長だよ!?一番偉いんだよ!?」

美佳絵が発したのを皮切りに、佐多江と蜜柑も彼女に反論する。
しかし、皆動揺を隠しきれていない。
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