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帽子屋の回想
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空の色が青いだなんて誰が言ったんだ? 少なくとも俺の頭上はピンクで、紫で、しかもマーブル模様だ。ぐるぐると回ってる時も、誰かからの伝言が書いてある時だってあるさ。
俺はこのヘンテコな世界に生まれた。そう思うのは別の世界を見たからで、それまでは普通だと思っていたけど。
メルヘンでいかれたパーティーは毎日繰り返される。暴れる女王のやらかしだっていつものことだ。その中でいつの間にか、俺も帽子屋になっていた。と言っても金なんか存在していないし、せっせと食べ物を作る必要もないから、それぞれが自由に好きなことをして生きている。帽子屋らしいところはせいぜい、帽子屋を被っている事ぐらいだ。
ある時、俺は思った。自分は何者なんだ? 俺は誰かの単なる空想で、その中で存在しているだけのなんじゃないかと。だとしたら、何の為に毎日過ごしているんだ?
周りの奴らも変なのばっかりで、俺の話は分からない、つまらないと言われた。
そんなとき森を散歩していると、猫に会った。面白いものがある。そう言われ木と木の隙間を覗くと、突然この世界が映った。始めて見る世界に興味深々になった。それは人間界だという。沢山の信じられない数の人がいた。
因みに俺と格好が変わらないから同じだと思ったが、人間は空を飛んだりする事はできないらしい。
ある時、一人の少女を見つけた。数ある人間の中でも何故か気になり、その少女に絞って観察することにした。明らかに住んでいる所がおかしかったりしているけど、そんなことではなく、不思議な魅力があった。
それから数日経ってから気がついた。俺は何故か彼女と同じ夢を見ている。そう分かったのは夢を見た次の日、同じ内容を彼女が話しているからだ。一人何役をコロコロと夢そっくり演じている。その夢に少年が出てきた。それまでは実にヘンテコリンな、俺から見てもよく分からない夢だったけど、その少年が出てきてからはどこか現実的で、普通の会話をしていた。彼女はそれが終わると急に静かになり、人形のように動かなくなった。
俺はその少年を見つけた。彼もやっぱり同じ夢を見ているらしい。起きたその次にはこの女の子を想定してなのか、人形を持ち出し、いないハズの相手と遊ぶなんてことが多々あった。
俺は急にぱたりと夢を見なくなった。気になりすぐ見に行くと、壁は壊れていて、もう彼女はそこにいなかった。
しばらく探していると彼女は仲間を集い、そこで何か始めていた。彼女に会いたい、近くに行きたいと、素直にそう思った。
猫がニヤリと笑う……向こうの世界に飲み込まれるなよ。俺は扉を開いた。
薄暗い路地裏、そこに彼女達が来る。なのでわざと服を引き千切り、ボロボロの格好で待つことにした。なんとなく騙しているようで罪悪感があったけど、好奇心が勝っていたのだろう。あの世界の奴らは人間界なんて面倒くさいところ、わざわざ行きたくないなんて毛嫌いするけど、初めての世界にはドキドキが止まらなかった。
彼女に声をかけて貰えますように。そう願いながらずっと道路に突っ伏していた。それにしても雨のせいで寒い。遠慮なく全身に降りかかる水は、心まで冷たくしていくようだ。
「ねぇ、大丈夫?」
どのぐらい経っただろうか。本当に寒さと疲労で体が動かくなっていた。ずっと見ていた彼女の顔が、目の前に現れる。
「ボロボロだけど、結構良いお洋服着てるのね。もしかして大きいお屋敷に住んでいたの?」
俺はどんな顔をしていただろう。話しかけられてるのに、反応ができない。何か言わないとこのチャンスが無駄に……。
「まぁ良いわ。とりあえず今日は休んで頂戴、ね?」
彼女の笑顔は輝いて見えた。
「ほら! この人を運んであげて」
パンパンッと手を叩くと、その集団は動き出した。そっと近くにいた大きな男に抱き上げられる。顔を隠しているのでよく見えないが、その背中は暖かかった。
次の日、目を覚ますと綺麗な部屋にいた。ちゃんとしたパジャマにも着替えさせられている。俺はあの後寝てしまったけど、ここは彼女の部屋……というか家なのだろうか?
ノックが響き、やけに行儀の良さそうな男が入ってきた。
正装一式を用意され、首元にはリボンタイをつけられる。こんな格好はしたことがない。今から改めてお嬢さん……彼女の元へ行くらしい。
「あら、おはよう」
昨日と変わらない明るい調子で、俺を部屋の中へ招いた。いくつか質問を受けたが、世間知らずな俺は彼女の言うことに上手い嘘も思いつかない。
「貴方はどこに勤めていたの?」
「……えっと」
「あら、良かった喋れるみたいね。どこか体が痛いとかはない?」
「……平気だ」
「そう良かったわ。貴方は……まあ話したくないことは誰にでもあるものね。貴方も辛かったのかしら。ここにいる皆も、ちょっとワケありばっかりでね。もちろん私も」
そこで彼女は近寄って、手を差し出してきた。
「だから貴方も仲間よ」
部屋に差し込んだ陽が彼女を照らして、その姿はキラキラして見えた。
「そういえば名前は?」
俺には帽子屋以外の呼び名はないが、いきなりそれを言っても常識的でないことを知っている。黙っていると勝手に察したらしい。
「名前無いの……? うん気にしない気にしない! 私も無かったから自分でアリスと名付けたのよ。じゃああたしが考えてあげる! うーん……そうね。ジャックなんてどうかしら」
俺の、名前……。気づいたら顔が濡れていた。ある部分から水が止まらない。人が泣いている姿は見たことがあるけど、あれは苦しい痛いなど痛覚からくるものだと思っていた。この感情はなんだ? どこも痛くはないのに……。
俺の体が暖かいものに包まれている。実際には、側にいた二人が抱きしめてくれていた。人ってこんなに暖かいんだ……。
「アリスお茶が入ったよ」
「わぁ! 本当にジャックが入れるお茶は美味しいわよね」
まぁあっちでは紅茶ばかり飲んでたしな……。
「ねぇ、私の側で働いてくれないかしら?」
「え、でももう……」
その役目を果たしている男はいる。チラッと視線を向けると、男はにこりと笑った。
「貴方、教えてあげられるわよね?」
「もちろんですよ」
俺はアリスの一番側にいることになった。
初めてのことだらけの毎日。一緒に遊んだり、仕事を教えてもらったり。皆がいて、俺は満たされていた。
しかしお決まりと言うべきか、幸せというのは長くは続かない。彼女はどんどん力をつけていき、居座る場所も豪華になっていった。それでは満足せず、度を越す無理難題を言うようになった。
あっちの世界に飲み込まれるなよと、猫の言葉を思い出す。
周りはつまらない大人ばかりになっていたから、俺はそろそろ戻ろうかと考えていた。彼女のおじさんが耐えられず逃げたのも無理はない。だから俺も……。
そんなときに彼女があの少年を見つけた。
この少年今まで忘れていたが、今の彼女に合わせたらどうなる? 俺が覚えている限り、彼女の夢の中で彼は本当に大切な立ち位置にいた。彼女は絶対に彼を手に入れるだろう。別に俺には守る義理なんてないんだけど……他人とは思えなかった。
この少年ならもしかしたら、彼ならこの現状を変えられるかもしれない。そんな俺の都合に彼を巻き込んでしまった。わざわざあのクマにも伝えにいった。
少年を見守らなくちゃいけない。それが俺がまだここにいる理由だ。
……いや。こんな状況でも、やはり俺は不思議な国の住人らしい。面白い状況になりそうだ。さぁ君はどう出るのかな? アリスに同情する? それとも全てぶっ壊す? 仕方ないだろ。俺はいかれ帽子屋だ。女王に似て、楽しいぐちゃぐちゃな世界が好きなんだ。だからお茶でも飲んで高みの見物といこう……そう思っていた。俺はいざとなったらいつでも帰ってもいいし、自分自身は汚さない。そのつもりだっただろ?
気がついたら木から飛び降り、彼の前に出ていた。
俺は戦闘なんてしたことないんだけどな。まぁなんとかなるか……あれ、これが俺の血か? 初めて見た……こんな色をしていたんだな。全く俺は何をしてるんだろう。楽しければそれで良かった。ただの暇潰しで、高みの見物じゃなかったのかよ……っ、痛い……体が、切り裂かれた部分が燃えそうに熱い、苦しい。
目の前の怪物の巨体が倒れていった。景色が勝手に動いている。何故かゆっくりと、スローモーションで。
遠くで少年の声が聞こえた。
俺を呼んでいるのか……? ああ……全く、こんな状態じゃ、お茶も飲めないじゃないか……。
俺はこのヘンテコな世界に生まれた。そう思うのは別の世界を見たからで、それまでは普通だと思っていたけど。
メルヘンでいかれたパーティーは毎日繰り返される。暴れる女王のやらかしだっていつものことだ。その中でいつの間にか、俺も帽子屋になっていた。と言っても金なんか存在していないし、せっせと食べ物を作る必要もないから、それぞれが自由に好きなことをして生きている。帽子屋らしいところはせいぜい、帽子屋を被っている事ぐらいだ。
ある時、俺は思った。自分は何者なんだ? 俺は誰かの単なる空想で、その中で存在しているだけのなんじゃないかと。だとしたら、何の為に毎日過ごしているんだ?
周りの奴らも変なのばっかりで、俺の話は分からない、つまらないと言われた。
そんなとき森を散歩していると、猫に会った。面白いものがある。そう言われ木と木の隙間を覗くと、突然この世界が映った。始めて見る世界に興味深々になった。それは人間界だという。沢山の信じられない数の人がいた。
因みに俺と格好が変わらないから同じだと思ったが、人間は空を飛んだりする事はできないらしい。
ある時、一人の少女を見つけた。数ある人間の中でも何故か気になり、その少女に絞って観察することにした。明らかに住んでいる所がおかしかったりしているけど、そんなことではなく、不思議な魅力があった。
それから数日経ってから気がついた。俺は何故か彼女と同じ夢を見ている。そう分かったのは夢を見た次の日、同じ内容を彼女が話しているからだ。一人何役をコロコロと夢そっくり演じている。その夢に少年が出てきた。それまでは実にヘンテコリンな、俺から見てもよく分からない夢だったけど、その少年が出てきてからはどこか現実的で、普通の会話をしていた。彼女はそれが終わると急に静かになり、人形のように動かなくなった。
俺はその少年を見つけた。彼もやっぱり同じ夢を見ているらしい。起きたその次にはこの女の子を想定してなのか、人形を持ち出し、いないハズの相手と遊ぶなんてことが多々あった。
俺は急にぱたりと夢を見なくなった。気になりすぐ見に行くと、壁は壊れていて、もう彼女はそこにいなかった。
しばらく探していると彼女は仲間を集い、そこで何か始めていた。彼女に会いたい、近くに行きたいと、素直にそう思った。
猫がニヤリと笑う……向こうの世界に飲み込まれるなよ。俺は扉を開いた。
薄暗い路地裏、そこに彼女達が来る。なのでわざと服を引き千切り、ボロボロの格好で待つことにした。なんとなく騙しているようで罪悪感があったけど、好奇心が勝っていたのだろう。あの世界の奴らは人間界なんて面倒くさいところ、わざわざ行きたくないなんて毛嫌いするけど、初めての世界にはドキドキが止まらなかった。
彼女に声をかけて貰えますように。そう願いながらずっと道路に突っ伏していた。それにしても雨のせいで寒い。遠慮なく全身に降りかかる水は、心まで冷たくしていくようだ。
「ねぇ、大丈夫?」
どのぐらい経っただろうか。本当に寒さと疲労で体が動かくなっていた。ずっと見ていた彼女の顔が、目の前に現れる。
「ボロボロだけど、結構良いお洋服着てるのね。もしかして大きいお屋敷に住んでいたの?」
俺はどんな顔をしていただろう。話しかけられてるのに、反応ができない。何か言わないとこのチャンスが無駄に……。
「まぁ良いわ。とりあえず今日は休んで頂戴、ね?」
彼女の笑顔は輝いて見えた。
「ほら! この人を運んであげて」
パンパンッと手を叩くと、その集団は動き出した。そっと近くにいた大きな男に抱き上げられる。顔を隠しているのでよく見えないが、その背中は暖かかった。
次の日、目を覚ますと綺麗な部屋にいた。ちゃんとしたパジャマにも着替えさせられている。俺はあの後寝てしまったけど、ここは彼女の部屋……というか家なのだろうか?
ノックが響き、やけに行儀の良さそうな男が入ってきた。
正装一式を用意され、首元にはリボンタイをつけられる。こんな格好はしたことがない。今から改めてお嬢さん……彼女の元へ行くらしい。
「あら、おはよう」
昨日と変わらない明るい調子で、俺を部屋の中へ招いた。いくつか質問を受けたが、世間知らずな俺は彼女の言うことに上手い嘘も思いつかない。
「貴方はどこに勤めていたの?」
「……えっと」
「あら、良かった喋れるみたいね。どこか体が痛いとかはない?」
「……平気だ」
「そう良かったわ。貴方は……まあ話したくないことは誰にでもあるものね。貴方も辛かったのかしら。ここにいる皆も、ちょっとワケありばっかりでね。もちろん私も」
そこで彼女は近寄って、手を差し出してきた。
「だから貴方も仲間よ」
部屋に差し込んだ陽が彼女を照らして、その姿はキラキラして見えた。
「そういえば名前は?」
俺には帽子屋以外の呼び名はないが、いきなりそれを言っても常識的でないことを知っている。黙っていると勝手に察したらしい。
「名前無いの……? うん気にしない気にしない! 私も無かったから自分でアリスと名付けたのよ。じゃああたしが考えてあげる! うーん……そうね。ジャックなんてどうかしら」
俺の、名前……。気づいたら顔が濡れていた。ある部分から水が止まらない。人が泣いている姿は見たことがあるけど、あれは苦しい痛いなど痛覚からくるものだと思っていた。この感情はなんだ? どこも痛くはないのに……。
俺の体が暖かいものに包まれている。実際には、側にいた二人が抱きしめてくれていた。人ってこんなに暖かいんだ……。
「アリスお茶が入ったよ」
「わぁ! 本当にジャックが入れるお茶は美味しいわよね」
まぁあっちでは紅茶ばかり飲んでたしな……。
「ねぇ、私の側で働いてくれないかしら?」
「え、でももう……」
その役目を果たしている男はいる。チラッと視線を向けると、男はにこりと笑った。
「貴方、教えてあげられるわよね?」
「もちろんですよ」
俺はアリスの一番側にいることになった。
初めてのことだらけの毎日。一緒に遊んだり、仕事を教えてもらったり。皆がいて、俺は満たされていた。
しかしお決まりと言うべきか、幸せというのは長くは続かない。彼女はどんどん力をつけていき、居座る場所も豪華になっていった。それでは満足せず、度を越す無理難題を言うようになった。
あっちの世界に飲み込まれるなよと、猫の言葉を思い出す。
周りはつまらない大人ばかりになっていたから、俺はそろそろ戻ろうかと考えていた。彼女のおじさんが耐えられず逃げたのも無理はない。だから俺も……。
そんなときに彼女があの少年を見つけた。
この少年今まで忘れていたが、今の彼女に合わせたらどうなる? 俺が覚えている限り、彼女の夢の中で彼は本当に大切な立ち位置にいた。彼女は絶対に彼を手に入れるだろう。別に俺には守る義理なんてないんだけど……他人とは思えなかった。
この少年ならもしかしたら、彼ならこの現状を変えられるかもしれない。そんな俺の都合に彼を巻き込んでしまった。わざわざあのクマにも伝えにいった。
少年を見守らなくちゃいけない。それが俺がまだここにいる理由だ。
……いや。こんな状況でも、やはり俺は不思議な国の住人らしい。面白い状況になりそうだ。さぁ君はどう出るのかな? アリスに同情する? それとも全てぶっ壊す? 仕方ないだろ。俺はいかれ帽子屋だ。女王に似て、楽しいぐちゃぐちゃな世界が好きなんだ。だからお茶でも飲んで高みの見物といこう……そう思っていた。俺はいざとなったらいつでも帰ってもいいし、自分自身は汚さない。そのつもりだっただろ?
気がついたら木から飛び降り、彼の前に出ていた。
俺は戦闘なんてしたことないんだけどな。まぁなんとかなるか……あれ、これが俺の血か? 初めて見た……こんな色をしていたんだな。全く俺は何をしてるんだろう。楽しければそれで良かった。ただの暇潰しで、高みの見物じゃなかったのかよ……っ、痛い……体が、切り裂かれた部分が燃えそうに熱い、苦しい。
目の前の怪物の巨体が倒れていった。景色が勝手に動いている。何故かゆっくりと、スローモーションで。
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