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ハニトラリップサーヴィス1
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ホテルにて目覚めた時、夜を共にしたはずの彼女はそこにいなかった。慌ててベッドを出てバスルームに入る。大きな鏡には昨日ねだられて買ってやった口紅——彼女らしい淡いピンク色である——で、”情報をありがとう、さようなら”との文字が綴られていた。
「ボス、本当に間抜けだな。今更そんな古風なハニートラップにひっかかるだなんて」
右腕のチェシャは言う。
「もういいだろ、チェシャ。反省はしてる。まあ良い女すぎたんだ。あれは俺好みだった」
「それでも、どうせあれだろ? 最近台頭してきてる〇〇って組織の女だろ? そんなとこに機密情報取られてどうするんだよ」
この時、俺に隠れてチェシャが彼女を血眼になって探していたことを俺は後日知ることになる。
「何よ、殺すのなら殺しなさい。覚悟ならできてるわ」
五日ぶりに目にした彼女はやつれていた。それでも深紅の口紅をしっかりと塗っていて、その唇の形の良さに今でも嗚呼、見惚れてしまう。唖然としている俺にチェシャは言った。
「さあどうする、ボス。制裁の用意ならもうとっくにしてあるぜ?」
そんなことよりも。そんなことよりもだ。彼女は上着を引き裂かれていて、チューブトップスが露わになっている。つまりは胸が、その豊満な胸がこぼれんばかりにチューブトップスの中に詰まっているのが目の当たりにできるということで。しかも、しかもスカートはスリットが深く入っていて、脚が! 脚が!!! うおおおおおおお! やっぱりサイッコーに俺好みの女だ。何より可愛くて、それでいて艶めかしくて、綺麗だ。そんなことで俺の頭はパンクしそうだ。
「チェ……チェシャ……あの、とりあえず俺が一人で制裁はするからよぉ……どっか部屋を用意してくんねえか……?」
「そんなこと言って、また抱きたいだけだろ?」
「だ、だって俺のものにしなきゃ……どんな目に遭うか……知れたもんじゃない!」
チェシャはため息を吐き、言い捨てた。
「はいはい、またボスの酔狂に付き合わされるのは俺ってことで。わかった。すぐに部屋を手配する」
手配された部屋は急ごしらえという感じはするものの、まあ、最低限のベッドメイキングは済ませてあるので良しとしよう。彼女をベッドに座らせて目線を合わせる。
「リキュール、五日ぶりだな」
リキュールというのが彼女が言った彼女の名だった。
「……情けでもかけたつもり? 良いわよ、どうせ〇〇からは見放されてる。でもあなたの下につく気はないわ。殺すなら今からでも遅くないわよ」
強気な瞳はあの日俺の下で甘く啼いていた彼女の瞳とは違う。でもこれが本当の彼女なのだとしたらやっぱり最高だ。俺好みオブ俺好み。
「なあリキュール……コードネームでいいから、お前の名前を教えてくれよ」
「何? いきなり。私のコードネームなんかあなたの右腕の彼に訊けばいいじゃない。どうせ知られてるわ」
「そうじゃない、お前の口から聞きたいんだ。本名じゃなくていい。だから、あの日のための名前じゃなくて、お前の名を教えてほしい」
「……言いたくないわ」
「そうか、じゃあ体に訊くしかないな」
「何を言っているの? まさか本当にこの状況で私を抱くつもり?」
「そうだが?」
「なっ……っん、むぐっ……っはぁ!」
「いいから名前を言う気になったら俺の背中を三回叩け。そうしたら終わらせてやる」
そうして俺は彼女の体を貪ろうと押し倒した彼女に覆いかぶさった。
「ボス、本当に間抜けだな。今更そんな古風なハニートラップにひっかかるだなんて」
右腕のチェシャは言う。
「もういいだろ、チェシャ。反省はしてる。まあ良い女すぎたんだ。あれは俺好みだった」
「それでも、どうせあれだろ? 最近台頭してきてる〇〇って組織の女だろ? そんなとこに機密情報取られてどうするんだよ」
この時、俺に隠れてチェシャが彼女を血眼になって探していたことを俺は後日知ることになる。
「何よ、殺すのなら殺しなさい。覚悟ならできてるわ」
五日ぶりに目にした彼女はやつれていた。それでも深紅の口紅をしっかりと塗っていて、その唇の形の良さに今でも嗚呼、見惚れてしまう。唖然としている俺にチェシャは言った。
「さあどうする、ボス。制裁の用意ならもうとっくにしてあるぜ?」
そんなことよりも。そんなことよりもだ。彼女は上着を引き裂かれていて、チューブトップスが露わになっている。つまりは胸が、その豊満な胸がこぼれんばかりにチューブトップスの中に詰まっているのが目の当たりにできるということで。しかも、しかもスカートはスリットが深く入っていて、脚が! 脚が!!! うおおおおおおお! やっぱりサイッコーに俺好みの女だ。何より可愛くて、それでいて艶めかしくて、綺麗だ。そんなことで俺の頭はパンクしそうだ。
「チェ……チェシャ……あの、とりあえず俺が一人で制裁はするからよぉ……どっか部屋を用意してくんねえか……?」
「そんなこと言って、また抱きたいだけだろ?」
「だ、だって俺のものにしなきゃ……どんな目に遭うか……知れたもんじゃない!」
チェシャはため息を吐き、言い捨てた。
「はいはい、またボスの酔狂に付き合わされるのは俺ってことで。わかった。すぐに部屋を手配する」
手配された部屋は急ごしらえという感じはするものの、まあ、最低限のベッドメイキングは済ませてあるので良しとしよう。彼女をベッドに座らせて目線を合わせる。
「リキュール、五日ぶりだな」
リキュールというのが彼女が言った彼女の名だった。
「……情けでもかけたつもり? 良いわよ、どうせ〇〇からは見放されてる。でもあなたの下につく気はないわ。殺すなら今からでも遅くないわよ」
強気な瞳はあの日俺の下で甘く啼いていた彼女の瞳とは違う。でもこれが本当の彼女なのだとしたらやっぱり最高だ。俺好みオブ俺好み。
「なあリキュール……コードネームでいいから、お前の名前を教えてくれよ」
「何? いきなり。私のコードネームなんかあなたの右腕の彼に訊けばいいじゃない。どうせ知られてるわ」
「そうじゃない、お前の口から聞きたいんだ。本名じゃなくていい。だから、あの日のための名前じゃなくて、お前の名を教えてほしい」
「……言いたくないわ」
「そうか、じゃあ体に訊くしかないな」
「何を言っているの? まさか本当にこの状況で私を抱くつもり?」
「そうだが?」
「なっ……っん、むぐっ……っはぁ!」
「いいから名前を言う気になったら俺の背中を三回叩け。そうしたら終わらせてやる」
そうして俺は彼女の体を貪ろうと押し倒した彼女に覆いかぶさった。
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