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信じない信じたくない信じられない

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「ほらよ、どうだ。上玉だろ?」
何が起こっているのか理解できなかった。後ろ手に縛られた手首は恋人のはずの男に握られていて、目の前には見たことのない男が立っていた。声を出そうにも猿轡のせいでろくに喋ることもできない。先ほどまで恋人との甘いひと時を過ごしていたはずなのに。ふわりと眠くなってベッドに横になってからの記憶がない。
「そうだな、譲ってくれ。値段はさっき言ったとおり出す。」
それから布を鼻先に近づけられて、気を失った。

「っあ、あぁあっ」
どうしようもない快楽に責め立てられ、目を覚ました。ずっと気を失っていたのが不思議なくらいに腸内は柔らかくほぐされ、男根はそそり立っている。まるで恋人との情事を思わせる快楽につと期待して後ろを向くと、そこにいたのは先刻の知らない男だった。
「え、あ?うああっやぁああぁあっ」
突き立てられた屹立は彼の腸壁を容赦なく抉る。逃げたくても体がきつく麻縄で縛られて天井から吊るされている。逃げることは許されていなかった。頭がおかしくなりそうな刺激にがくがくと体を震わせ射精する、と同時に腸内に熱い液体が放たれるのを感じた。
「はあっはあっあ、あんた誰?!」
「ふん、お前の主人だ。お前何も知らないんだな。お前は売られたんだよ、お前の“コイビト”にな。」
「はあ?っそんなの、意味わかんねえよ、あいつが?え?ああっやだああっやめってええあぁあ」
夢だと思いたかったが、主人といった男がもう一度彼の秘孔に肥大した男根を突き立て、律動を開始したしゅんかん、すべてが吹き飛んだ。
やめてという懇願は意味を成さず、恋人だったはずの男に開発された躰は素直に快楽を受け入れる。体に食い込む縄がその快楽を増幅させる。それにしてもおかしいくらいの刺激だ。それもそのはず、彼の腕には注射痕とそばのテーブルには皿と注射器があった。薬を打たれているのだろう。彼にとっては今、風ですら辛いほどの快楽への導きとなっていた。
「やあぁああぁあっやめてえ、ああん、ふあぁあぁあっ」
「っは、淫乱が。今かわいがってやるぞ。」
「ああんっあ、あはぁあ、やああああっ」
売られた彼はこれからもきっと薬づけにされながらこうして啼き、壊れていくのだろう。
それでも彼は幸せなほうだ。彼を買った“主人”が快楽を彼に与えようとしているからよかったものの、そのような“主人”の中には苦痛を与えたがる者もいるのだから。
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