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14 Summer Vacation
Summer Vacation あとがき
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<弥生家の九州土産顛末記>
さつき母:「さつき。あんた東京の友だちん家に一週間もお世話になるんやろ? なんかお土産持っていかんね」
さつき:「うん。わたしもそうした方がいいと思ってたけど、なにがいいかな? やっぱり博多名物、福屋の『辛子明太子』かな?」
さつき母:「バカタレ。この夏の暑い時期に、東京まで明太子持っていくバカがどこにおる? いっぺんで腐るやろ」
さつき父:「ほな、『博多とおりもん』はどうやろか? モンドセレクション11年連続金賞っち、テレビでも言いよるし、東京の人の評判もよかよ」
さつき:「お父さんは『通りもん』好きね~。でも東京に持って行くには、なんかあんまり福岡らしくないよね。もっと、伝統的っていうか、福岡らしいお菓子ってない?」
さつき父:「なら、『博多ぶらぶら』かなぁ?」
さつき母:「あれはわたし、コマーシャルが好かん。なんか下品ち言うか、田舎丸出しで、見ていて恥ずかしいんよ。味はおいしいけど、伊勢名物『赤福』のパクリやん」
さつき父:「ん~、、お母さんは厳しいなぁ」
さつき母:「湖月堂の『栗まんじゅう』とかどうね? 女の子で、栗まんじゅうが嫌いって人はおらんから、それが無難やない?」
さつき父:「栗まんじゅう? なんか庶民的やなぁ。その、森田さんち言う人は、お金持ちのお嬢さんなんやろ? 舌が肥えとるのと違うん?」
さつき:「栗まんじゅう、美味しいじゃない。みっこは美味しいもの好きだし、栗まんじゅうも好きだと思うよ」
さつき母:「なら、栗まんじゅうにしとき。庶民的っち言うなら、『一つ栗』がいいんやない? 栗まんじゅうより高級品で、美味しいし」
さつき:「一つ栗? わたし食べたことないけど、お母さん,なんでそんなの知ってるの?」
さつき母:「…」
さつき父:「あ~あ。『語るに落ちる』っちゃこのことや。お母さん、日頃さつきに黙ってこっそり『湖月』に行って、美味しいもん食べよるのがバレたなぁ」
さつき:「お母さん、それほんと? 今度わたしにも買ってきてよね!」
さつき母:「一つ栗は高いんよ。ふつうの栗まんじゅうの倍も値段がすると! 子供が食べるお菓子と違うんよ!」
さつき:「え~。お母さんばっかりそんな美味しいお菓子食べてて、ずるい!」
さつき父:「まあまあ。栗まんじゅうもいいけど、いまいちマイナーやろ。東京の人にも『これは有名なお菓子だ』ち言う、全国区のお菓子の方がいいんやない? 九州の意地のためにも」
さつき:「なにそれ?」
さつき母:「そうやね~。東京の人に、『九州ち辛子明太子とラーメンしかない』ち思われたら、癪やもんね」
さつき:「そんなのはどうでもいいけど、なにか有名なお菓子ってある?」
さつき父:「そりゃ。九州名菓ち言えば、長崎のカステラやろ」
さつき母:「そうそう。カステラは有名よね」
さつき:「カステラなんて、日本中どこにでもあるし、スーパーにだって売ってるから、全然珍しくないじゃない」
さつき父:「さつきは小説家志望のくせに、なんも知らんなぁ。カステラは長崎が発祥の地やん。
日本中に広まった有名なお菓子で、九州が元祖ち言うのは、いわば九州の誇りやろ。東京の『人形焼き』だって、カステラが元や。それくらい有名なんよ」
さつき:「九州びいきはいいけど、『『文明堂』のカステラでいいの? テレビで宣伝してる」
さつき母:「さつきはほんとになんにも知らんのやね~。カステラ通は『福砂屋』を選ぶんよ」
さつき父:「そう、『福砂屋』が一番美味しいな。日本中にあるカステラ屋の最高峰が九州にあるち、九州の誉れやろ」
さつき母:「『福砂屋』は創業が寛永元年ち、パンフレットに書いとったよ」
さつき父:「寛永元年ち、いつやろ? さつきちょっと調べり」
さつき:「も~。仕方ないなぁ、、(間)、、1624年だって!」
さつき父:「そりゃ由緒あるお菓子や。よし! 森田さんちへのお土産は、『福砂屋』のカステラや」
さつき母:「『福砂屋』なら福岡にも直売店があるし、長崎まで行かんでも買えるから、ちょうどいいんやない? 日持ちもするしね」
さつき:「まあ、カステラ美味しいし。それでいいかな?」
さつき父:「カステラは牛乳といっしょに食べると旨いんよ」
さつき母:「わたしは緑茶の方が好きやけどな」
さつき:「そんなん、どっちでもいいやん、、、って、久し振りに福岡弁が出ちゃったじゃない。お母さん。今度『一つ栗』買ってきてよね!」
おしまい
というわけで、今回はさつきちゃんの妄想爆裂で、なんとも煮え切らない、ムズムズ感が漂うお話しになっていまいました。
いったん迷宮に入ってしまうと、なかなか抜けられないのは人の性。
これからのさつきとみっこ、そして川島君と藤村さんの恋の行方を見届けてあげてください、
さつき母:「さつき。あんた東京の友だちん家に一週間もお世話になるんやろ? なんかお土産持っていかんね」
さつき:「うん。わたしもそうした方がいいと思ってたけど、なにがいいかな? やっぱり博多名物、福屋の『辛子明太子』かな?」
さつき母:「バカタレ。この夏の暑い時期に、東京まで明太子持っていくバカがどこにおる? いっぺんで腐るやろ」
さつき父:「ほな、『博多とおりもん』はどうやろか? モンドセレクション11年連続金賞っち、テレビでも言いよるし、東京の人の評判もよかよ」
さつき:「お父さんは『通りもん』好きね~。でも東京に持って行くには、なんかあんまり福岡らしくないよね。もっと、伝統的っていうか、福岡らしいお菓子ってない?」
さつき父:「なら、『博多ぶらぶら』かなぁ?」
さつき母:「あれはわたし、コマーシャルが好かん。なんか下品ち言うか、田舎丸出しで、見ていて恥ずかしいんよ。味はおいしいけど、伊勢名物『赤福』のパクリやん」
さつき父:「ん~、、お母さんは厳しいなぁ」
さつき母:「湖月堂の『栗まんじゅう』とかどうね? 女の子で、栗まんじゅうが嫌いって人はおらんから、それが無難やない?」
さつき父:「栗まんじゅう? なんか庶民的やなぁ。その、森田さんち言う人は、お金持ちのお嬢さんなんやろ? 舌が肥えとるのと違うん?」
さつき:「栗まんじゅう、美味しいじゃない。みっこは美味しいもの好きだし、栗まんじゅうも好きだと思うよ」
さつき母:「なら、栗まんじゅうにしとき。庶民的っち言うなら、『一つ栗』がいいんやない? 栗まんじゅうより高級品で、美味しいし」
さつき:「一つ栗? わたし食べたことないけど、お母さん,なんでそんなの知ってるの?」
さつき母:「…」
さつき父:「あ~あ。『語るに落ちる』っちゃこのことや。お母さん、日頃さつきに黙ってこっそり『湖月』に行って、美味しいもん食べよるのがバレたなぁ」
さつき:「お母さん、それほんと? 今度わたしにも買ってきてよね!」
さつき母:「一つ栗は高いんよ。ふつうの栗まんじゅうの倍も値段がすると! 子供が食べるお菓子と違うんよ!」
さつき:「え~。お母さんばっかりそんな美味しいお菓子食べてて、ずるい!」
さつき父:「まあまあ。栗まんじゅうもいいけど、いまいちマイナーやろ。東京の人にも『これは有名なお菓子だ』ち言う、全国区のお菓子の方がいいんやない? 九州の意地のためにも」
さつき:「なにそれ?」
さつき母:「そうやね~。東京の人に、『九州ち辛子明太子とラーメンしかない』ち思われたら、癪やもんね」
さつき:「そんなのはどうでもいいけど、なにか有名なお菓子ってある?」
さつき父:「そりゃ。九州名菓ち言えば、長崎のカステラやろ」
さつき母:「そうそう。カステラは有名よね」
さつき:「カステラなんて、日本中どこにでもあるし、スーパーにだって売ってるから、全然珍しくないじゃない」
さつき父:「さつきは小説家志望のくせに、なんも知らんなぁ。カステラは長崎が発祥の地やん。
日本中に広まった有名なお菓子で、九州が元祖ち言うのは、いわば九州の誇りやろ。東京の『人形焼き』だって、カステラが元や。それくらい有名なんよ」
さつき:「九州びいきはいいけど、『『文明堂』のカステラでいいの? テレビで宣伝してる」
さつき母:「さつきはほんとになんにも知らんのやね~。カステラ通は『福砂屋』を選ぶんよ」
さつき父:「そう、『福砂屋』が一番美味しいな。日本中にあるカステラ屋の最高峰が九州にあるち、九州の誉れやろ」
さつき母:「『福砂屋』は創業が寛永元年ち、パンフレットに書いとったよ」
さつき父:「寛永元年ち、いつやろ? さつきちょっと調べり」
さつき:「も~。仕方ないなぁ、、(間)、、1624年だって!」
さつき父:「そりゃ由緒あるお菓子や。よし! 森田さんちへのお土産は、『福砂屋』のカステラや」
さつき母:「『福砂屋』なら福岡にも直売店があるし、長崎まで行かんでも買えるから、ちょうどいいんやない? 日持ちもするしね」
さつき:「まあ、カステラ美味しいし。それでいいかな?」
さつき父:「カステラは牛乳といっしょに食べると旨いんよ」
さつき母:「わたしは緑茶の方が好きやけどな」
さつき:「そんなん、どっちでもいいやん、、、って、久し振りに福岡弁が出ちゃったじゃない。お母さん。今度『一つ栗』買ってきてよね!」
おしまい
というわけで、今回はさつきちゃんの妄想爆裂で、なんとも煮え切らない、ムズムズ感が漂うお話しになっていまいました。
いったん迷宮に入ってしまうと、なかなか抜けられないのは人の性。
これからのさつきとみっこ、そして川島君と藤村さんの恋の行方を見届けてあげてください、
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