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12 CANARY ENSIS
CANARY ENSIS 12
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かすかに上擦った声を漏らした川島くんは、熱くわたしを見つめる。
わたしも、その瞳をじっと見つめ返す。
部屋のランプが彼の瞳の中で揺らめいて、吸い込まれそうになってしまう。
長い沈黙。
南国の太陽をたっぷりと浴びた、生命力のあるような、むせかえる汗の匂い。
川島君の顔を間近で見ながら、漂ってくる彼の香りを匂っていると、頭が朦朧としてくる。
病みつきになりそうなくらい、好きな匂い。
川島君はわたしの頬にそっと手を添え、ゆっくりと顔を近づける。
わたしは瞳を閉じた。
キスのあと、わたしの手をとってベッドにいざない、川島君はわたしのからだをゆっくりと横たえ、自分もその隣に寄り添った。
サンドレスの衣ずれの音と、川島君の熱い吐息だけが、わたしの耳に聞こえてくる。
川島君の手がドレスの肩ひもにかかり、ゆっくりとほどかれていく。なにをすればいいのかもわからず、わたしは川島君のなすがままにしていた。
ドレスの前がはだけ、胸があらわになる。
「さつきちゃん。可愛いよ」
川島君は頬を紅潮させて言う。
「…いや」
恥ずかしさのあまり、うつむいて両手で隠したけど、ほんとに拒むつもりじゃなかった。だけど、わたしのその言葉が合図だったかのように、川島君はわたしの頬や唇、耳に、たくさんのキスをしていった。
ひとつキスをされるたびに、わたしの頭は麻痺したようにぼうっとなってしまい、なんにも考えられなくなっていく。
「さつきちゃん。愛してる」
耳元で何度もささやきながら、川島君はわたしのはだけた胸を、やさしく愛撫する。
大きな手が、ふたつのふくらみを暖かく包み込み、ほぐすようにゆっくりと、たわませる。敏感な神経が、からだの奥で甘くうずいて、くすぐったいような、それでいてたまらない心地。
「…んっ」
わたしは思わず声を漏らした。
「可愛いよ。さつきちゃん」
うっとりと響いてくる、低い声。吐息が熱い。
川島君の唇は、わたしの首筋をなぞり、いつのまにか胸の先を愛撫していた。
気づかないうちにドレスの裾もはだけていて、熱い指が太ももを伝って、潤った部分に近づいてくるのを感じる。
「…恥ずかしい」
そう言ってわたしはからだを固くして脚を閉じ、両手で顔を隠し、小さな抵抗を試みたが、川島君の指は止まることなく、わたしの脚を開いていく。
“カサカサカサ”
衣ずれの音が聞こえてきて、わたしは思わず指の隙間から、川島君を見た。
がっしりとした肩と二の腕。
昼間、太陽の下で飽きるほど見ていた川島くんのはだかだったけど、こうして薄暗いタングステンの光で見ると、やけに艶かしく色っぽく感じる。
ドキドキが止まらない。
ズボンから脚を抜いてトランクスだけの姿になった川島くんは、ベッドにからだを横たえ、わたしにぴったりと寄り添った。
彼の熱くて固いからだが、じかにわたしの肌に重なる。
「肌がふれあうのって、とてもいいね」
唇を耳元に寄せて、川島君はささやく。
うん。
なんだかあったかくて、安心できて、彼のすべてを感じられるようで、嬉しい。
幸せ。
ずっとこのままで、いたい。
つづく
わたしも、その瞳をじっと見つめ返す。
部屋のランプが彼の瞳の中で揺らめいて、吸い込まれそうになってしまう。
長い沈黙。
南国の太陽をたっぷりと浴びた、生命力のあるような、むせかえる汗の匂い。
川島君の顔を間近で見ながら、漂ってくる彼の香りを匂っていると、頭が朦朧としてくる。
病みつきになりそうなくらい、好きな匂い。
川島君はわたしの頬にそっと手を添え、ゆっくりと顔を近づける。
わたしは瞳を閉じた。
キスのあと、わたしの手をとってベッドにいざない、川島君はわたしのからだをゆっくりと横たえ、自分もその隣に寄り添った。
サンドレスの衣ずれの音と、川島君の熱い吐息だけが、わたしの耳に聞こえてくる。
川島君の手がドレスの肩ひもにかかり、ゆっくりとほどかれていく。なにをすればいいのかもわからず、わたしは川島君のなすがままにしていた。
ドレスの前がはだけ、胸があらわになる。
「さつきちゃん。可愛いよ」
川島君は頬を紅潮させて言う。
「…いや」
恥ずかしさのあまり、うつむいて両手で隠したけど、ほんとに拒むつもりじゃなかった。だけど、わたしのその言葉が合図だったかのように、川島君はわたしの頬や唇、耳に、たくさんのキスをしていった。
ひとつキスをされるたびに、わたしの頭は麻痺したようにぼうっとなってしまい、なんにも考えられなくなっていく。
「さつきちゃん。愛してる」
耳元で何度もささやきながら、川島君はわたしのはだけた胸を、やさしく愛撫する。
大きな手が、ふたつのふくらみを暖かく包み込み、ほぐすようにゆっくりと、たわませる。敏感な神経が、からだの奥で甘くうずいて、くすぐったいような、それでいてたまらない心地。
「…んっ」
わたしは思わず声を漏らした。
「可愛いよ。さつきちゃん」
うっとりと響いてくる、低い声。吐息が熱い。
川島君の唇は、わたしの首筋をなぞり、いつのまにか胸の先を愛撫していた。
気づかないうちにドレスの裾もはだけていて、熱い指が太ももを伝って、潤った部分に近づいてくるのを感じる。
「…恥ずかしい」
そう言ってわたしはからだを固くして脚を閉じ、両手で顔を隠し、小さな抵抗を試みたが、川島君の指は止まることなく、わたしの脚を開いていく。
“カサカサカサ”
衣ずれの音が聞こえてきて、わたしは思わず指の隙間から、川島君を見た。
がっしりとした肩と二の腕。
昼間、太陽の下で飽きるほど見ていた川島くんのはだかだったけど、こうして薄暗いタングステンの光で見ると、やけに艶かしく色っぽく感じる。
ドキドキが止まらない。
ズボンから脚を抜いてトランクスだけの姿になった川島くんは、ベッドにからだを横たえ、わたしにぴったりと寄り添った。
彼の熱くて固いからだが、じかにわたしの肌に重なる。
「肌がふれあうのって、とてもいいね」
唇を耳元に寄せて、川島君はささやく。
うん。
なんだかあったかくて、安心できて、彼のすべてを感じられるようで、嬉しい。
幸せ。
ずっとこのままで、いたい。
つづく
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