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4th sense
4th sense 5
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いけない!
こんなダークなこと思ってたら、余計に闇に引きずられちゃう。
もっと前向きに考えなきゃ!
『想いが昂じたとき、現世にも物理的な影響を与えることができる』
如月はそう言ってくれた。
それは、殺風景でおどろおどろしいこの世界のなかで、ひと筋の希望の光。
あたしが航平くんのことを想い続けてれば、いつかは航平くんにも姿が見えるようになって、触れ合うのだってできるってこと。
そうすれば航平くんも、あたしのこと忘れないで、一生いっしょにいてくれる。
今はまだ、あたしの想いが足りないだけなんだ。
だったらこれから、いつでも航平くんといっしょにいて、この気持ちを伝え続けていこう。
航平くんの隣で、ひたすら愛の念波を送ってみよう。
そうすれば航平くんもいつか、それに気づいてくれるに違いない。
そう決めたあたしは、夜も昼もいつでも航平くんの隣にいることにした。
この日も遅くまで航平くんの隣にいて、ひたすら彼のことを見つめてた。
今まで知らなかった彼が、あたし目の前にいる。
見られてることも知らず、航平くんは赤裸々な姿を見せてくれる。
おかげで今じゃ、航平くんのいろんなことがわかった。
多分どこのだれよりも、あたしは航平くんのことをいろいろ知ってるんじゃないかな?
学校の帰り道、航平くんは必ずコンビニに寄って、お好み棒と唐揚げ棒塩味を買う。
友達といっしょのときは、コンビニの駐車場で食べるけど、ひとりのときは近くの公園で、ベンチに座って食べてることもある。
買い食いをすまして家に帰った航平くんは、すぐに自分の部屋に入ってジャージに着替え、ベッドに転がって、パソコンにヘッドフォンをつないで音楽を聞きながら、『航平ごはんよ』とお母さんが呼ぶまで、ネットを見てる。
一階のダイニングで食事をとって一息つくと、部屋に戻ってしばらくは雑誌を読んだり、ラケットの手入れ。
そんな助走が終わって、夜中になってやっとエンジンがかかってくるらしく、机について教科書と参考書を広げ、勉強をはじめるのだ。
お風呂に入ってるとこだって、もうたくさん見ちゃったな~。
航平くんはまず髪から洗う派だ。
そのあと顔を洗い、からだを洗う時は必ず右腕から。
そして、、、
大事なとこは、けっこう念入りに洗ってる。
あれの洗い方って、なかなか複雑なんだ。女の子の知らない衝撃の事実w
ふつーなら、そんな姿を見ることなんて絶対できないけど、今のあたしは堂々と航平くんの真っ正面に座り込んで、その光景を眺められる。
いまだにちょっと恥ずかしくなっちゃうけど、興味の方が勝っちゃって、つい見ちゃう。
こういうときは姿が見えなくてラッキーかも。
、、、って、あたしってただのストーカーじゃん;;
そうして一日過ごしながらも、航平くんはときどき思い出したように、スマホからあたしの画像を出し、しばらくの間、じっと眺めてる。
航平くん、、、
まだ、思い出してくれてる。
その瞬間が、あたしは一番幸せ。
お互い住む世界が変わってずいぶんになるけど、航平くんはあたしのことを忘れてない。
『早く忘れた方がいい』
と言いながらも、こうしていつまでも思い出してくれる。
画像を見ながら、航平くんはきっと、心の中で何度も、あたしの名前を呼んでくれてるんだろな。
早く、本物のあたしを見せてあげたい。
ちゃんと声に出して、航平くんの名前を呼んであげて、『あずさ』と、航平くんからも呼ばれたい。
そのあとは、航平くんと手をつなぐんだ。
手をつないだまま、部屋のベッドに寝っ転がって、いっしょに航平くんの好きな音楽を聴く。
そうしてると、きっと心もひとつになって、お互いのことをもっと知りたくなるはず。
だんだん気持ちが高まってきて、あたしの瞳を熱く見つめながら、航平くんは顔を近づけてくる。
あたしは拒んだりしない。
目を閉じて、あたしたちはキスを交わす。
そのあとはもう、どうなってもいいよ。
ふたりの情熱のなすがまま。
あたしは航平くんに、すべてをささげたい!
つづく
こんなダークなこと思ってたら、余計に闇に引きずられちゃう。
もっと前向きに考えなきゃ!
『想いが昂じたとき、現世にも物理的な影響を与えることができる』
如月はそう言ってくれた。
それは、殺風景でおどろおどろしいこの世界のなかで、ひと筋の希望の光。
あたしが航平くんのことを想い続けてれば、いつかは航平くんにも姿が見えるようになって、触れ合うのだってできるってこと。
そうすれば航平くんも、あたしのこと忘れないで、一生いっしょにいてくれる。
今はまだ、あたしの想いが足りないだけなんだ。
だったらこれから、いつでも航平くんといっしょにいて、この気持ちを伝え続けていこう。
航平くんの隣で、ひたすら愛の念波を送ってみよう。
そうすれば航平くんもいつか、それに気づいてくれるに違いない。
そう決めたあたしは、夜も昼もいつでも航平くんの隣にいることにした。
この日も遅くまで航平くんの隣にいて、ひたすら彼のことを見つめてた。
今まで知らなかった彼が、あたし目の前にいる。
見られてることも知らず、航平くんは赤裸々な姿を見せてくれる。
おかげで今じゃ、航平くんのいろんなことがわかった。
多分どこのだれよりも、あたしは航平くんのことをいろいろ知ってるんじゃないかな?
学校の帰り道、航平くんは必ずコンビニに寄って、お好み棒と唐揚げ棒塩味を買う。
友達といっしょのときは、コンビニの駐車場で食べるけど、ひとりのときは近くの公園で、ベンチに座って食べてることもある。
買い食いをすまして家に帰った航平くんは、すぐに自分の部屋に入ってジャージに着替え、ベッドに転がって、パソコンにヘッドフォンをつないで音楽を聞きながら、『航平ごはんよ』とお母さんが呼ぶまで、ネットを見てる。
一階のダイニングで食事をとって一息つくと、部屋に戻ってしばらくは雑誌を読んだり、ラケットの手入れ。
そんな助走が終わって、夜中になってやっとエンジンがかかってくるらしく、机について教科書と参考書を広げ、勉強をはじめるのだ。
お風呂に入ってるとこだって、もうたくさん見ちゃったな~。
航平くんはまず髪から洗う派だ。
そのあと顔を洗い、からだを洗う時は必ず右腕から。
そして、、、
大事なとこは、けっこう念入りに洗ってる。
あれの洗い方って、なかなか複雑なんだ。女の子の知らない衝撃の事実w
ふつーなら、そんな姿を見ることなんて絶対できないけど、今のあたしは堂々と航平くんの真っ正面に座り込んで、その光景を眺められる。
いまだにちょっと恥ずかしくなっちゃうけど、興味の方が勝っちゃって、つい見ちゃう。
こういうときは姿が見えなくてラッキーかも。
、、、って、あたしってただのストーカーじゃん;;
そうして一日過ごしながらも、航平くんはときどき思い出したように、スマホからあたしの画像を出し、しばらくの間、じっと眺めてる。
航平くん、、、
まだ、思い出してくれてる。
その瞬間が、あたしは一番幸せ。
お互い住む世界が変わってずいぶんになるけど、航平くんはあたしのことを忘れてない。
『早く忘れた方がいい』
と言いながらも、こうしていつまでも思い出してくれる。
画像を見ながら、航平くんはきっと、心の中で何度も、あたしの名前を呼んでくれてるんだろな。
早く、本物のあたしを見せてあげたい。
ちゃんと声に出して、航平くんの名前を呼んであげて、『あずさ』と、航平くんからも呼ばれたい。
そのあとは、航平くんと手をつなぐんだ。
手をつないだまま、部屋のベッドに寝っ転がって、いっしょに航平くんの好きな音楽を聴く。
そうしてると、きっと心もひとつになって、お互いのことをもっと知りたくなるはず。
だんだん気持ちが高まってきて、あたしの瞳を熱く見つめながら、航平くんは顔を近づけてくる。
あたしは拒んだりしない。
目を閉じて、あたしたちはキスを交わす。
そのあとはもう、どうなってもいいよ。
ふたりの情熱のなすがまま。
あたしは航平くんに、すべてをささげたい!
つづく
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