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第三幕
6踏目
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そして僕は、相当頑張りすぎてしまったらしい。
「……初心者相手に5回も6回もするとか信じられん」
「えー。でも、直人さん、セックス自体は慣れてるじゃないですかー」
マジ殴りされた。でも力が抜けているせいかダメージはあまりない。残念……。
「確かに俺は精力はある方だし、慣れてもいるがな、ネコはこの前のアレが初めてなんだぞ」
初めて……。いい響き。
「えー、でも僕だって直人さんで童貞きっちゃいましたよー」
僕は直人さんが初めてで凄い嬉しかったのに、何でか嫌そうな顔をされた。
直人さんは力尽きた様子で俯せになりながら僕を見ていたけど、顔まで枕に埋めてしまった。
「う、嬉しくないんですか? 僕は貴方が初めての人なんですよ!?」
「お前が後ろの初めても捧げてくれるなら、喜んでやってもいい」
それでも、嬉しい……じゃなく、喜んでやってもいい、なんだ……。
「そういうつれないところも大好きです」
うなじにキスをすると、びくりと身を竦ませて、手の平で顔を張ってくる。
「そういうのやめろ」
「え、発言ですか? うなじちゅーですか?」
「両方だ」
もうっ、照れ屋なんだからぁ、直人さんってば!
「カッコイイのにそういうとこ、可愛いです」
「本気で一度死んでおくか?」
「だって本当、可愛いです。大好き」
直人さんは深く溜息をついて、僕を抱き寄せた。
「お前を好きになったのは、本当に一生の不覚だ。可愛いなんて言われるのも心外だ」
なんかそんな、僕を好きになったらいけないみたいな。よく判らないけど、でも僕のこと好きだって思ってくれてるならいい……。いい、のかな……?
「後悔するはめになるぞ」
「しません、後悔なんて」
「今のは自分に言い聞かせた」
それどういう意味?
「複雑そうな表情をするな。一応愛の告白だぞ」
「もっと甘いのがいいです。セックスの時以外は優しくしてくれるって言ったのに」
「それじゃ物足りないくせに」
「そんなことないです。それに、言葉はきちんと欲しいです」
直人さんは僕を腕に抱きながら、じいっと顔を見つめて、ふっと笑った。
「悔しいが気持ち良かった。惚れた相手とだからな。好きだ、望」
甘い言葉と一緒にキスが落ちる。
なっ、直人さん……。あぁ、もうメロメロすぎる。
腰とかお尻とか今散々痛いだろうにそんなそぶりも見せないし!
「……人に言わせておいてお前は無言か? 何か言えよ」
どこか照れたように言う貴方がとても愛おしい。
凄いたくさん愛を紡ぎたいけど、今はちょっと無理です。
言葉と一緒に心臓が出てしまいそうな勢いなんで。
言葉にならないくらい、貴方のことが大好きです。
「……初心者相手に5回も6回もするとか信じられん」
「えー。でも、直人さん、セックス自体は慣れてるじゃないですかー」
マジ殴りされた。でも力が抜けているせいかダメージはあまりない。残念……。
「確かに俺は精力はある方だし、慣れてもいるがな、ネコはこの前のアレが初めてなんだぞ」
初めて……。いい響き。
「えー、でも僕だって直人さんで童貞きっちゃいましたよー」
僕は直人さんが初めてで凄い嬉しかったのに、何でか嫌そうな顔をされた。
直人さんは力尽きた様子で俯せになりながら僕を見ていたけど、顔まで枕に埋めてしまった。
「う、嬉しくないんですか? 僕は貴方が初めての人なんですよ!?」
「お前が後ろの初めても捧げてくれるなら、喜んでやってもいい」
それでも、嬉しい……じゃなく、喜んでやってもいい、なんだ……。
「そういうつれないところも大好きです」
うなじにキスをすると、びくりと身を竦ませて、手の平で顔を張ってくる。
「そういうのやめろ」
「え、発言ですか? うなじちゅーですか?」
「両方だ」
もうっ、照れ屋なんだからぁ、直人さんってば!
「カッコイイのにそういうとこ、可愛いです」
「本気で一度死んでおくか?」
「だって本当、可愛いです。大好き」
直人さんは深く溜息をついて、僕を抱き寄せた。
「お前を好きになったのは、本当に一生の不覚だ。可愛いなんて言われるのも心外だ」
なんかそんな、僕を好きになったらいけないみたいな。よく判らないけど、でも僕のこと好きだって思ってくれてるならいい……。いい、のかな……?
「後悔するはめになるぞ」
「しません、後悔なんて」
「今のは自分に言い聞かせた」
それどういう意味?
「複雑そうな表情をするな。一応愛の告白だぞ」
「もっと甘いのがいいです。セックスの時以外は優しくしてくれるって言ったのに」
「それじゃ物足りないくせに」
「そんなことないです。それに、言葉はきちんと欲しいです」
直人さんは僕を腕に抱きながら、じいっと顔を見つめて、ふっと笑った。
「悔しいが気持ち良かった。惚れた相手とだからな。好きだ、望」
甘い言葉と一緒にキスが落ちる。
なっ、直人さん……。あぁ、もうメロメロすぎる。
腰とかお尻とか今散々痛いだろうにそんなそぶりも見せないし!
「……人に言わせておいてお前は無言か? 何か言えよ」
どこか照れたように言う貴方がとても愛おしい。
凄いたくさん愛を紡ぎたいけど、今はちょっと無理です。
言葉と一緒に心臓が出てしまいそうな勢いなんで。
言葉にならないくらい、貴方のことが大好きです。
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