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中学生編
怒ってるんだよ
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律は俺にたくさん会うため帰宅部……部活に入ってはいない。
お友達とは遊んでるみたいだけど、これでいいのかたまに不安になる。
僕には兄さんと一緒にいる時間の方が大事だからって言ってくれるけど……。
中2になったら部活に入ってもいいんじゃないかと言うと、思い切り睨まれてしまった。
「僕のこと嫌いになった?」
「そんな訳ないだろう」
「だって前なら、もっと僕に会いたいって気持ち優先させてくれてたのに」
「家に閉じ込めて出したくないくらい好きだ。でも俺は外へ出て楽しそうに笑ってる律も好きだから」
「兄さん……」
「できればあまりえっちな知識は仕入れてこないで欲しいけど」
「それは無理。自分の中学生活思い返してみなよ」
「……無理だな」
「大体、僕の知識の半分は兄さんがさ……」
「……そうだな」
結局律は部活に入る様子はないようだし、機嫌を悪くさせるだけで終わってしまった。
そんなつもりじゃなかったのに。せっかく律が傍にいるのに、こんな雰囲気は嫌だ。
でも俺といることで無理をして欲しくなかった。俺は律の恋人だけどそれ以前に兄なんだ。大好きな弟の幸せを祈るのは当然じゃないか。
愛して欲しいけど、好きなように生きて欲しいとも思うんだよ。
俺がそう思うのを律が好まないのも判ってる。それは俺のことをそれだけ好きだからだと感じられて嬉しい。
もし律が俺に対して恋愛感情を失って別れたとしても、兄弟の絆まで消えることはない。普通の恋人同士とはそこが違う。
毎日毎日幸せだけど、俺はどこかでその日を覚悟して生きている。
だって君が好きだから。
だって俺は君の兄だから。
そして両親のことも大好きだから。
降って湧いた幸せ。いられる限りはずっとずっと噛み締めていたい。傍にいられる貴重な時間、背を背けられているのは悲しいよ。
「律、ごめん……」
俺のことを無視するようにソファに座ってテレビを見ている律の背中に額をことんと乗せる。
「テレビ、見てるから」
嘘つき。律、そのドラマ追ってないじゃないか。
「大好きだ。ずっと傍にいてほしい。本当は部活なんてしないで、家で待ってて欲しい」
「……馬鹿」
律が顔をあげて、下から俺にキスをする。そのまま振り返って抱きしめてきた。
「兄さんはさ、どこかで僕に一線引いてる。愛されてるのは判るよ。でも、いつまで彼女の代わりをしてるつもりなの?」
「律……」
「僕は兄さんが好きなんだよ? 代わりなんかじゃない。ちゃんと愛しいって思ってる。可愛くて可愛くてたまらないんだよ」
嬉しくて目眩がした。涙も出た。
「兄さんの泣き顔、凄く好き。昔からそう。だから優しくしたいのに、たまに酷く泣かせたくなる」
引き寄せられて背もたれ側からソファに落ちた。
「だから、今日は泣くまでするから」
「……もう泣いてる」
「もっと」
押し倒されて涙を舐めとられる。
俺が泣く度、慰めのようにされていたことなのに胸の奥も身体の奥も熱くなった。
「僕は怒ってるんだからね。わかってる?」
「うん。……して」
「わかってないでしょ。もー」
全体重をかけてのしかかられると、重くて息ができなくなる。
いつからこんなに重くなったんだっけ。いつからこんな、大人びた表情をするようになった?
「わかってるよ。ただ……俺にも、酷くして欲しい時があるってこと」
「じゃあ、今日は凄い優しくする。いっぱい優しくして、もう挿れてってねだりだすまで、触るだけする」
「……優しくないよ、それ。意地悪」
「兄さんが思うよりずっとさ、僕は兄さんのことが好きなんだよ。どれだけ言ってどれだけしたら伝わるのかな……」
律は少し考えて、俺の耳元で囁いた。
「つけないで、していい? 初めてした時みたいに、中で出していい?」
そのまま甘く耳を噛まれ、身体がぞくりと震えた。言われた内容もあわせて芯から熱くなる。
性器を直に挿れられて、擦り上げられ中で吐き出される。想像するだけでどうにかなりそうだ。
「だ、ダメだ」
「どうして?」
「どうにかなる……」
「なってほしい」
「ん、ダメ……ッ」
首筋に吸い付かれて、腰が重くなる。まずい。このままだとなし崩しにされる。
「あ……、あとちょっとでバレンタインがあるから、その日なら」
「本当? 約束だよ。クリスマスの日みたいに、兄さんをプレゼントしてくれるんだね」
クリスマスのことを思い出してはやまったかと思ったけど、嬉しそうな律に今更訂正することもできなくて、ごまかすようにキスをした。
「だから今日は普通に……しよ。触らせて。律に触りたい。いっぱいいちゃいちゃしたい」
「うん、ごめんね」
仲直り後のエッチが盛り上がるって本当なんだなーと知ったある冬の日のこと。
お友達とは遊んでるみたいだけど、これでいいのかたまに不安になる。
僕には兄さんと一緒にいる時間の方が大事だからって言ってくれるけど……。
中2になったら部活に入ってもいいんじゃないかと言うと、思い切り睨まれてしまった。
「僕のこと嫌いになった?」
「そんな訳ないだろう」
「だって前なら、もっと僕に会いたいって気持ち優先させてくれてたのに」
「家に閉じ込めて出したくないくらい好きだ。でも俺は外へ出て楽しそうに笑ってる律も好きだから」
「兄さん……」
「できればあまりえっちな知識は仕入れてこないで欲しいけど」
「それは無理。自分の中学生活思い返してみなよ」
「……無理だな」
「大体、僕の知識の半分は兄さんがさ……」
「……そうだな」
結局律は部活に入る様子はないようだし、機嫌を悪くさせるだけで終わってしまった。
そんなつもりじゃなかったのに。せっかく律が傍にいるのに、こんな雰囲気は嫌だ。
でも俺といることで無理をして欲しくなかった。俺は律の恋人だけどそれ以前に兄なんだ。大好きな弟の幸せを祈るのは当然じゃないか。
愛して欲しいけど、好きなように生きて欲しいとも思うんだよ。
俺がそう思うのを律が好まないのも判ってる。それは俺のことをそれだけ好きだからだと感じられて嬉しい。
もし律が俺に対して恋愛感情を失って別れたとしても、兄弟の絆まで消えることはない。普通の恋人同士とはそこが違う。
毎日毎日幸せだけど、俺はどこかでその日を覚悟して生きている。
だって君が好きだから。
だって俺は君の兄だから。
そして両親のことも大好きだから。
降って湧いた幸せ。いられる限りはずっとずっと噛み締めていたい。傍にいられる貴重な時間、背を背けられているのは悲しいよ。
「律、ごめん……」
俺のことを無視するようにソファに座ってテレビを見ている律の背中に額をことんと乗せる。
「テレビ、見てるから」
嘘つき。律、そのドラマ追ってないじゃないか。
「大好きだ。ずっと傍にいてほしい。本当は部活なんてしないで、家で待ってて欲しい」
「……馬鹿」
律が顔をあげて、下から俺にキスをする。そのまま振り返って抱きしめてきた。
「兄さんはさ、どこかで僕に一線引いてる。愛されてるのは判るよ。でも、いつまで彼女の代わりをしてるつもりなの?」
「律……」
「僕は兄さんが好きなんだよ? 代わりなんかじゃない。ちゃんと愛しいって思ってる。可愛くて可愛くてたまらないんだよ」
嬉しくて目眩がした。涙も出た。
「兄さんの泣き顔、凄く好き。昔からそう。だから優しくしたいのに、たまに酷く泣かせたくなる」
引き寄せられて背もたれ側からソファに落ちた。
「だから、今日は泣くまでするから」
「……もう泣いてる」
「もっと」
押し倒されて涙を舐めとられる。
俺が泣く度、慰めのようにされていたことなのに胸の奥も身体の奥も熱くなった。
「僕は怒ってるんだからね。わかってる?」
「うん。……して」
「わかってないでしょ。もー」
全体重をかけてのしかかられると、重くて息ができなくなる。
いつからこんなに重くなったんだっけ。いつからこんな、大人びた表情をするようになった?
「わかってるよ。ただ……俺にも、酷くして欲しい時があるってこと」
「じゃあ、今日は凄い優しくする。いっぱい優しくして、もう挿れてってねだりだすまで、触るだけする」
「……優しくないよ、それ。意地悪」
「兄さんが思うよりずっとさ、僕は兄さんのことが好きなんだよ。どれだけ言ってどれだけしたら伝わるのかな……」
律は少し考えて、俺の耳元で囁いた。
「つけないで、していい? 初めてした時みたいに、中で出していい?」
そのまま甘く耳を噛まれ、身体がぞくりと震えた。言われた内容もあわせて芯から熱くなる。
性器を直に挿れられて、擦り上げられ中で吐き出される。想像するだけでどうにかなりそうだ。
「だ、ダメだ」
「どうして?」
「どうにかなる……」
「なってほしい」
「ん、ダメ……ッ」
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「あ……、あとちょっとでバレンタインがあるから、その日なら」
「本当? 約束だよ。クリスマスの日みたいに、兄さんをプレゼントしてくれるんだね」
クリスマスのことを思い出してはやまったかと思ったけど、嬉しそうな律に今更訂正することもできなくて、ごまかすようにキスをした。
「だから今日は普通に……しよ。触らせて。律に触りたい。いっぱいいちゃいちゃしたい」
「うん、ごめんね」
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