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小学校中学年編
恋人とクリスマス
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恋人同士の夏休みが過ぎて、冬がきた。冬と言えば一大イベント、クリスマスがある。
もちろん恋人同士二人きりで過ごすつもりだったんだけど……。
今年は両親が一緒にパーティーをできると言ってきた。
いつも家族の揃わないイベントをこなしてきたからか、律は凄く喜んだ。
その気持ちは判るけど、恋人である俺としては寂しい気分になってしまう。
とはいえ、俺だって母さんも父さんも大好きだ。家族への好きは、恋人への好きとは違う、比べられないものだ。
でも俺の場合どっちを選んでも、そこに律がいる。
「今年は家族揃ったクリスマスだねー」
なんて無邪気に、嬉しそうに笑っちゃってさ。
可愛いけど、俺がどんな気持ちでいるか判ってるのかよ。
……家族も嬉しいけど、二人きりでクリスマスもしたかった。
今年のプレゼントは、律が欲しがってたゲームソフト。
それと、新しい洋服を上から一式買ってみた。
俺の選んだ服に身を包む恋人。それを脱がしたりできる……。
そんなただれたことを考えながら、それなりに楽しくクリスマスパーティを家族でした。
表面上はいいお兄ちゃんでいられたと思う。
部屋へ戻って、俺は速攻でベッドの中へ潜り込んだ。
やらしい意味じゃない。俺たちは部屋が一緒だから、拗ねた時はトイレにこもるとかベッドの中に潜り込むしかない。
ベッドを選んだのは拗ねつつも構って欲しかったからだ。
「もー。お兄ちゃん、何拗ねてるの」
律が優しい声で、丸まってる俺の背中を掛け布団の上から撫でてくる。
「だって、恋人同士のクリスマスじゃないのに、律はしゃぎすぎなんだもん。二人きりよりどーせ、母さんと父さんがいた方がいいんだろ」
「僕、お兄ちゃんの方が好きだよ。恋人としてじゃないとしても」
「え!」
俺は慌ててベッドから顔を出す。
律が笑って、俺の頬を挟み込んで甘いキスをした。
「捕まえた」
「……今の、本当?」
「うん。どうして驚くの? お父さんとお母さんのかわりに、ずーっと近くにいて遊んでくれて、甘く優しくして。一番になっちゃうの、当たり前じゃない?」
そのままぎゅーっと抱きしめられる。温かい律の体温に泣きたくなった。俺もぎゅーっとした。
「好き。大好きだよ、律」
「うん、知ってる」
「恋人同士でクリスマス、過ごしたかったんだ」
「今だってまだ、クリスマスだよ」
「うん……」
律が俺の頬に、触れるだけのキスを繰り返す。
「今年はお兄ちゃんに、僕からプレゼントがあります」
えっ……。まさか、僕の身体をあげる、みたいな!?
待て、それはまだ早い、律!
「はい!」
差し出されたそれは、俺が去年律に買ってやったマフラーと色違いのマフラー。
これ、結構値張ったはずなのに、小学生の律が……。よほど頑張ってお小遣を貯めてくれたんだろう。
「嬉しい?」
「凄い嬉しい」
「あとね、恋人同士のクリスマス、あげるから。一緒にたくさん、いちゃいちゃしようね」
そう言って、ベッドに滑り込んできた。
今度は触れるだけじゃないキスが落ちてくる。
「ん、律……」
「部屋に戻ったら、二人きりのクリスマス、しようと思ってたよ。大好き、お兄ちゃん」
「律ー……」
可愛い可愛い俺の律。今までのクリスマスで一番幸せ。きっと俺、世界で今一番幸せ。
律も俺のプレゼント、喜んでくれて、服は早速着てくれて……だけど、脱がした。
律と過ごす初めての、恋人同士としてのクリスマスは、暖房もついてないのに凄く凄く熱かった。
もちろん恋人同士二人きりで過ごすつもりだったんだけど……。
今年は両親が一緒にパーティーをできると言ってきた。
いつも家族の揃わないイベントをこなしてきたからか、律は凄く喜んだ。
その気持ちは判るけど、恋人である俺としては寂しい気分になってしまう。
とはいえ、俺だって母さんも父さんも大好きだ。家族への好きは、恋人への好きとは違う、比べられないものだ。
でも俺の場合どっちを選んでも、そこに律がいる。
「今年は家族揃ったクリスマスだねー」
なんて無邪気に、嬉しそうに笑っちゃってさ。
可愛いけど、俺がどんな気持ちでいるか判ってるのかよ。
……家族も嬉しいけど、二人きりでクリスマスもしたかった。
今年のプレゼントは、律が欲しがってたゲームソフト。
それと、新しい洋服を上から一式買ってみた。
俺の選んだ服に身を包む恋人。それを脱がしたりできる……。
そんなただれたことを考えながら、それなりに楽しくクリスマスパーティを家族でした。
表面上はいいお兄ちゃんでいられたと思う。
部屋へ戻って、俺は速攻でベッドの中へ潜り込んだ。
やらしい意味じゃない。俺たちは部屋が一緒だから、拗ねた時はトイレにこもるとかベッドの中に潜り込むしかない。
ベッドを選んだのは拗ねつつも構って欲しかったからだ。
「もー。お兄ちゃん、何拗ねてるの」
律が優しい声で、丸まってる俺の背中を掛け布団の上から撫でてくる。
「だって、恋人同士のクリスマスじゃないのに、律はしゃぎすぎなんだもん。二人きりよりどーせ、母さんと父さんがいた方がいいんだろ」
「僕、お兄ちゃんの方が好きだよ。恋人としてじゃないとしても」
「え!」
俺は慌ててベッドから顔を出す。
律が笑って、俺の頬を挟み込んで甘いキスをした。
「捕まえた」
「……今の、本当?」
「うん。どうして驚くの? お父さんとお母さんのかわりに、ずーっと近くにいて遊んでくれて、甘く優しくして。一番になっちゃうの、当たり前じゃない?」
そのままぎゅーっと抱きしめられる。温かい律の体温に泣きたくなった。俺もぎゅーっとした。
「好き。大好きだよ、律」
「うん、知ってる」
「恋人同士でクリスマス、過ごしたかったんだ」
「今だってまだ、クリスマスだよ」
「うん……」
律が俺の頬に、触れるだけのキスを繰り返す。
「今年はお兄ちゃんに、僕からプレゼントがあります」
えっ……。まさか、僕の身体をあげる、みたいな!?
待て、それはまだ早い、律!
「はい!」
差し出されたそれは、俺が去年律に買ってやったマフラーと色違いのマフラー。
これ、結構値張ったはずなのに、小学生の律が……。よほど頑張ってお小遣を貯めてくれたんだろう。
「嬉しい?」
「凄い嬉しい」
「あとね、恋人同士のクリスマス、あげるから。一緒にたくさん、いちゃいちゃしようね」
そう言って、ベッドに滑り込んできた。
今度は触れるだけじゃないキスが落ちてくる。
「ん、律……」
「部屋に戻ったら、二人きりのクリスマス、しようと思ってたよ。大好き、お兄ちゃん」
「律ー……」
可愛い可愛い俺の律。今までのクリスマスで一番幸せ。きっと俺、世界で今一番幸せ。
律も俺のプレゼント、喜んでくれて、服は早速着てくれて……だけど、脱がした。
律と過ごす初めての、恋人同士としてのクリスマスは、暖房もついてないのに凄く凄く熱かった。
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