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番外編
ポッキーゲーム
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「兄貴、ポッキーゲームしようぜ」
今日はポッキーの日。苺のチョコレートポッキーを買ってきた。
兄貴は合コン未経験だと言ってたし、ポッキーゲームなんてやったことがないだろう。存在自体も知らないかもしれない。
世の中のすべてを知っている、みたいな顔をしている兄貴に新しいことを染み込ませていくのは、正直とても気持ちがいい。
しかし、俺の言葉に兄貴は心得たという表情をして頷いた。
「わかった」
そしてパソコン前に座った。
……いや。まあ、確かにゲーム、とは言うけどな?
「そういうゲームじゃなくて。機械を使わないというか」
「ポッキーを使うのか。……部屋でできるものなのか?」
部屋じゃ無理とか、どんだけアクロバティックなポッキーゲームだよ。
多少気になったが、早くイチャイチャしたかったので、おとなしくパッケージを開ける。
「これの端と端をくわえて……先に顔を背けたほうが負けってゲームだ。背けないとチュッてなる」
「なるほど。でも、これはゲームとして成立しないだろう」
「いや、合コンとかだと結構盛り上がるんだぜ」
兄貴はポッキーを一本引き抜くと、チョコレート側を端にくわえた。
差し出されたので反射的に食いついたが、迫りくる綺麗な顔に焦って思わず身を引いた。
ポキッとあっさり折れて、俺はピンクの部分を食べ損ねた。
「……僕の勝ちだな」
「急なのは狡い! もう一回だ」
「そうなったらお前、避けないだろう?」
「まあ避ける意味がないし」
「僕も避けない。だから、ゲームとして成立しない」
「あ、そういう……」
単にポッキーにかこつけてキスをしたい恋人心はどこへ行くのか。
ゲームに対して真摯すぎるだろ兄貴。
でも、避けるつもりがまったくないっていうのはいいな。兄貴もキスしたいってことだし。
にやけていると、顎をぐいっと持ち上げられた。
「こんなものなくても、好きなだけキスしたらいい」
「は? ちょ……っ、ん……」
焦っている間に口付けられて、歯茎をなぞられる。口の中を散々掻き回された。
さっき食べ損ねてしまった、甘い苺の味が広がっていく。
「先に口付けずにいられなくなったほうが負けならば、ゲームとして成立するか……」
兄貴は一本ポッキーを取り出して首を傾げた。
「どうする?」
いやもう、俺の完敗です。
今日はポッキーの日。苺のチョコレートポッキーを買ってきた。
兄貴は合コン未経験だと言ってたし、ポッキーゲームなんてやったことがないだろう。存在自体も知らないかもしれない。
世の中のすべてを知っている、みたいな顔をしている兄貴に新しいことを染み込ませていくのは、正直とても気持ちがいい。
しかし、俺の言葉に兄貴は心得たという表情をして頷いた。
「わかった」
そしてパソコン前に座った。
……いや。まあ、確かにゲーム、とは言うけどな?
「そういうゲームじゃなくて。機械を使わないというか」
「ポッキーを使うのか。……部屋でできるものなのか?」
部屋じゃ無理とか、どんだけアクロバティックなポッキーゲームだよ。
多少気になったが、早くイチャイチャしたかったので、おとなしくパッケージを開ける。
「これの端と端をくわえて……先に顔を背けたほうが負けってゲームだ。背けないとチュッてなる」
「なるほど。でも、これはゲームとして成立しないだろう」
「いや、合コンとかだと結構盛り上がるんだぜ」
兄貴はポッキーを一本引き抜くと、チョコレート側を端にくわえた。
差し出されたので反射的に食いついたが、迫りくる綺麗な顔に焦って思わず身を引いた。
ポキッとあっさり折れて、俺はピンクの部分を食べ損ねた。
「……僕の勝ちだな」
「急なのは狡い! もう一回だ」
「そうなったらお前、避けないだろう?」
「まあ避ける意味がないし」
「僕も避けない。だから、ゲームとして成立しない」
「あ、そういう……」
単にポッキーにかこつけてキスをしたい恋人心はどこへ行くのか。
ゲームに対して真摯すぎるだろ兄貴。
でも、避けるつもりがまったくないっていうのはいいな。兄貴もキスしたいってことだし。
にやけていると、顎をぐいっと持ち上げられた。
「こんなものなくても、好きなだけキスしたらいい」
「は? ちょ……っ、ん……」
焦っている間に口付けられて、歯茎をなぞられる。口の中を散々掻き回された。
さっき食べ損ねてしまった、甘い苺の味が広がっていく。
「先に口付けずにいられなくなったほうが負けならば、ゲームとして成立するか……」
兄貴は一本ポッキーを取り出して首を傾げた。
「どうする?」
いやもう、俺の完敗です。
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