姫と王子

いちご

文字の大きさ
上 下
5 / 7
イザヤSIDE 1

ファーストキスは幼馴染。

しおりを挟む
目が覚めるとスッキリサッパリ。
俺、深く考えるのって向いてないんだよね。
今更前世の事考えてもどうしようもない。
もうあの世界に俺居ないんだし、どうする事も出来ないしさ?
スッゲェ薄情だが、仕方ない。
取り敢えず、今の事だけを考えよう。
そう、今の事だけを。

「オイッ、何してんだ、バカ」
「あっ、起きたんだ。おはよう」
「おはよう。って、違うわ。何やってんだって」

アレクと一緒に寝た俺が馬鹿でした。

「ちょっ、バカ。何処触ってんだよ?」
「ん?可愛いおっぱい」

……………………。

バカだ。
コイツどうしようもない位のバカ。
男の胸なんか触って何が楽しいんだよ?

脱がされていた服。
ベッドの横に綺麗に畳んであるのは几帳面だと褒めてやろう。
だが、何故脱がした。
流れ的にコレ、皺になっちゃいけないからって理由じゃないよな。
コレ明らかヤバい感じじゃね?


「泣きながら抱き付くイザヤが可愛い過ぎて。えっと、勃っちゃいました。エヘッ?」
エヘッ、じゃねぇ。

胸に舌を這わせようとしていたアレクの頬を抓って止めさせ、この流れになった理由を聞いた俺が馬鹿だったよ。

つまり、コレ俺が悪いってヤツだよな?
好きな相手に甘えられながら密着されたら、反応しちゃうよなぁ。

「ごめん」
「え?」
俺が謝るとは思っていなかったらしいアレク。
驚いて固まった。

「えっとさ、こういう場合ってどうしたら良い?」
俺は性に関して非常に淡白だ。
前世で俺は彼女にキスした事も、ましてや自慰さえ無い。
した事は手を繋いだ事位だ。
って、ちょっと一般的に見たらオカシイが、ソレが俺だった。

アレクの現状は朝勃ちってヤツなんだろうけど、俺経験無いからなぁ。
どう触ったら気持ち良いとか全然分かんねぇ。 
あっ、でも布団濡れてた時あったから、夢精はあると思う。
どんな夢かは全く記憶にないが。

「えっ、してくれんの?」
「するって何を?」
「……っ!!」
あっ、赤面した。
何?その可愛い反応。

「えっと、その。本当は抱きたいんだけど、ソレはまだ急いでないから、その、あの」
ん? 
スッゴイ小さい声だから、何言ってるのか聞こえないぞ?

「なぁ、アレク。俺何したら良いの?」
「と、取り敢えず、その」
ん?

「コレどうにかして欲しい」
チラリ視線をズラすと
「うっわっ、ちょっ、何!?」
異常な位成長した物がありました。

最近ずっと一緒にお風呂入ってなかったから知らなかったけれど、アレク成長し過ぎ。
色も形もサイズも何もかも俺と違う。
未だお子ちゃまな俺に比べて、アレクのは完全に大人だ。
負けた。
なんかスッゲェ敗北感を感じるのは何故だ。
まぁ、こんな有り得ない美形が俺と同じサイズや形だったら逆に同情するけどさぁ。
なんか悔しい。

「ヤリ方分かんない」
「は?」
キョトンとした顔すんじゃねぇ。
前世では流星が〈お前は何も知らなくて良い〉とかワケ分かんねぇ理由で性に関して何も教えてくれなかったんだ。
今世ではアレクしか友達居ないし、周囲の大人に聞くのも恥ずかしいって事でやっぱり知らないままなんだよ。
って、アレクしか居ないって、寂しいヤツだな俺。
泣いて良い?

「へぇ~。なんだ。前と変わんねぇじゃん」
ん、何か言ったか?

何やら嬉しそうに笑うアレクに、既視感を覚えるのは何故だろう。
たまに感じるソレは、俺が前世の彼女の容姿になってしまった事に気付いた時のに似ている。
2歳の時から一緒に居るせいだろうけれど、アレクと居ると安心する。
でもそれ以上に何か不思議な物を感じるんだ。
懐かしい様な、もっとずっと前から知っている様な、う~ん?
それが何かはサッパリ分からないが。

「取り敢えず最初はさ、触って?」
ゆっくり伸ばす手。
「握ってみて?」
うわっ、大きい。
あっ、俺が触ったらドクンッて反応した。

「おっきい」
「イザヤが可愛いからな」
それ関係なくね?

「そのままゆっくり上下に動かして?」
なんかアレクの熱い。
「ココも触れる?」
「ココ?」
そっと触れるとピクリ跳ねたアレクの物。
「ココは優しく触って?」
壊れ物を扱うかの様に先端をなぞると
「え?」
何やら割れ目から液体が少しずつ溢れてきた。
あっ、気持ち良いんだ。

そう分かった瞬間
「うわっ、ちょっ、イザヤ!???」
無意識に身体が動いた。

「甘い」
どうやらこの世界の精液は甘いらしい。

溢れる液体が勿体無くて、ペロリ舐め取った。

「あっ、スッゴイ出てきた」
「っ、イザヤ」
アレクが焦った声を出す。
でも何故だろう?俺、止まんない。

チュッ、クチュッ、ジュゥ、ペロッ。
アレクのスッゲェ甘くて美味しいんだ。
もっと舐めたい。

「イザヤ」
我慢出来なくなったのか
「んっ、アレク」
アレクは俺の口から自分のを離すと
「ふぁ、んっ、んんん」
初めて俺の唇に自分のを重ねた。

あっ、コレファーストキスだ。

「んっ、ふ、ぅん」
ヤバい。スッゲェ気持ち良い。
キスってこんなに気持ち良かったんだ。
勿体無い。
そうなら前世でもしとくんだった流星と。

って、違うだろ俺。彼女とだろ。
でもコレ多分俺がリードしてもこんなにはならない。
受け身だから気持ち良いんだ。
アレクが上手だから。

うん、なんかムカつく。
キス迄俺より巧いってどういう事?
アレクって経験者?

「なぁ、アレク。お前キスとか巧くね?」
「嗚呼、それはお前が鈍いから他で処理してたからで」
ん?
なんか又小さくて聞こえないぞ?

「まぁ、男の性ってヤツだ」
何それ?
「生きてりゃ普通は溜まるんだよ、色々とな」
溜まるってストレスとかか?
「今迄は他ので代用してたけど、なんか我慢すんの馬鹿らしくなった」
我慢って、何?どういう事?
「これからは我慢しねぇから、覚悟しな?」
って、ちょっ、え?

「ゃっ、何?ぁっ、ん、ゃあ」
突然押し倒された俺。
全身に唇を這わされた。

舐められ吸われ触られ、熱くなる身体。

何これ?
気持ち良い。
ふわふわする。
何も考えられない。

「アレク」
熱に侵されたまま無意識に伸ばした手。
アレクの首に腕を回すと、ゆっくり唇を近付けた。

「イザヤ」
あと僅かで唇が触れ合うその瞬間
コンコンッ
「「……っ!??」」
ドアをノックされ慌てて互いに離れた。

「イザヤ様。そろそろ朝食の御時間ですが、起きてますか?」
ヤバい、ネイサンが来た。


Nathan(ネイサン)。
年は俺より2つ上だが、いつもアニメやドラマで見る様な執事服を着て髪も綺麗に整えているからか、実際より遥かに老けて見える。
仕事も早く真面目な為、俺を含めて評判が良い。
俺の身の回りのお世話をしてくれる頼れるお兄さん的な存在だ。

「イザヤ様。入っても宜しいでしょうか?」
って、ちょっと待て。
今入られたらスッゴク困る。

「ネイサン。起きてるから入らなくて大丈夫」
話ながら慌てて洋服を着る。
ソレ仕舞え、目でアレクに訴えながら。

「ですが、お着替えとか」
「食後に頼むから」
「そうですか。かしこまりました」
ドアの外で俺の用意を大人しく待っているであろうネイサン。
無理矢理入って来ない辺り、気が利く。

互いに服や髪等を整え、ゆっくりドアを開けると
「おはようございます、イザヤ様」
ネイサンは俺に挨拶をした直後
「何故この部屋に居た?アレク」
激しく不機嫌になった。

「使用人には関係ねぇだろ」
「イザヤ様の神聖なる寝室に入るなんて、烏滸がましいにも程があります」
「テメェに言われる筋合いはねぇ」
「イザヤ様は私の大切な御主人様です。主人に近付く虫螻むしけらは廃除するのが仕事です」
「はっ、馬鹿じゃねぇの?俺は虫ケラじゃなくて恋人だ」
は?
今何て言った?
「死んで下さい」
「はぁ?テメェが死ねよ」

何故だろう。
この二人は異常な位仲が悪い。
特に俺が関わると。
こんな時口出しすると巻き込まれる。経験上分かっている。

今にも殴り合いになりそうな二人を止めるにはこの方法しかない。

「ねぇ、ネイサン。抱っこして?」

「「…………………………」」

「はい」
満面の笑みで俺を抱き上げるなよ、ネイサン。
で、何故お前はそんなに落ち込んでる、アレク。

「ねぇ、朝御飯アレクも一緒で良い?」
可愛らしく首を傾げながら上目遣い。
「……はい」
俺、マジキメェ。

でも、熱くなったネイサンを止めるのは甘え攻撃しかないんだ。
恥ずかしいし、精神的に死ぬが仕方ない。
場を沈める為だ。妥協しよう。

「食事を終えお着替えされましたら、旦那様から大切な話があります」
大切な話?何だろう?
よく分からないが、ネイサンの眉間に寄ってる皺が物語っている。

これは、良くない話だと。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【R18百合】女子寮ルームメイトに夜な夜なおっぱいを吸われています。

千鶴田ルト
恋愛
本編完結済み。細々と特別編を書いていくかもしれません。 風月学園女子寮。 私――舞鶴ミサが夜中に目を覚ますと、ルームメイトの藤咲ひなたが私の胸を…! R-18ですが、いわゆる本番行為はなく、ひたすらおっぱいばかり攻めるガールズラブ小説です。 おすすめする人 ・百合/GL/ガールズラブが好きな人 ・ひたすらおっぱいを攻める描写が好きな人 ・起きないように寝込みを襲うドキドキが好きな人 ※タイトル画像はAI生成ですが、キャラクターデザインのイメージは合っています。 ※私の小説に関しては誤字等あったら指摘してもらえると嬉しいです。(他の方の場合はわからないですが)

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

愛していないと離婚を告げられました。

杉本凪咲
恋愛
公爵令息の夫と結婚して三年。 森の中で、私は夫の不倫現場を目撃した。

エッチな下着屋さんで、〇〇を苛められちゃう女の子のお話

まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*) 『色気がない』と浮気された女の子が、見返したくて大人っぽい下着を買いに来たら、売っているのはエッチな下着で。店員さんにいっぱい気持ち良くされちゃうお話です。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

絶倫獣人は溺愛幼なじみを懐柔したい

なかな悠桃
恋愛
前作、“静かな獣は柔い幼なじみに熱情を注ぐ”のヒーロー視点になってます。そちらも読んで頂けるとわかりやすいかもしれません。 ※誤字脱字等確認しておりますが見落としなどあると思います。ご了承ください。

女の子がひたすら気持ちよくさせられる短編集

恋愛
様々な設定で女の子がえっちな目に遭うお話。詳しくはタグご覧下さい。モロ語あり一話完結型。注意書きがない限り各話につながりはありませんのでどこからでも読めます。pixivにも同じものを掲載しております。

【※R-18】私のイケメン夫たちが、毎晩寝かせてくれません。

aika
恋愛
人類のほとんどが死滅し、女が数人しか生き残っていない世界。 生き残った繭(まゆ)は政府が運営する特別施設に迎えられ、たくさんの男性たちとひとつ屋根の下で暮らすことになる。 優秀な男性たちを集めて集団生活をさせているその施設では、一妻多夫制が取られ子孫を残すための営みが日々繰り広げられていた。 男性と比較して女性の数が圧倒的に少ないこの世界では、男性が妊娠できるように特殊な研究がなされ、彼らとの交わりで繭は多くの子を成すことになるらしい。 自分が担当する屋敷に案内された繭は、遺伝子的に優秀だと選ばれたイケメンたち数十人と共同生活を送ることになる。 【閲覧注意】※男性妊娠、悪阻などによる体調不良、治療シーン、出産シーン、複数プレイ、などマニアックな(あまりグロくはないと思いますが)描写が出てくる可能性があります。 たくさんのイケメン夫に囲まれて、逆ハーレムな生活を送りたいという女性の願望を描いています。

処理中です...