39 / 82
第一期 1話~40話
第三十九話 豊かな国家を実現する方法
しおりを挟む
アルカナ川が復活してから一年が経った。
未だに洞窟に国王一行を閉じ込めた犯人の特定には至っていない。カザルに大金を貸し付けていたのは金貸し商のシャイロックという男だったが、シャイロックを問い詰めても証拠は出てこなかった。ただ、このシャイロックという男が貴族のジェイソンの屋敷に出入りしている様子がしばしば目撃されているらしい。
一方、俺たちの閉じ込められた鉱山には、その後の調査で赤い魔法石が豊富に存在することがわかり、ルミアナを中心とする魔法石採掘隊を編成して魔法石を採取した。赤い魔法石については、俺とルミアナが使うには十分な量を確保できた。
この一年の間に俺の魔法はかなり上達し、様々な攻撃魔法を習得した。補助系、幻惑系の魔法もある程度使えるようになった。
俺は主だった仲間を集めて、今後の政策などについて話し合っていた。
総務大臣のミックが現状について報告した。
「農業生産に関しては、穀物の収穫量が以前の二倍に増え、その他の野菜類の収穫に関しては、種類も量も増えております。これにはアルカナ川による灌漑と人糞を利用した肥料の効果が大きいです。何と言っても、アカイモは食糧の増産や食生活の改善に大きく貢献しています。今のところ食料の増産計画は順調です」
キャサリンがはしゃいでいる。
「素晴らしいですわ、お兄様。このままいけば人口も順調に増えますし、人口が増えれば、国民たちの生活も豊かになりますわね」
「そうだな、確かに食料生産が増えれば人口は増加するが、人口が増えれば国民も豊かになるという単純な話ではないんだ」
「あら、それはどういうことですの?人口が増えれば、より多くの食料や物資が生産できますのに」
「確かに人口が増えるほど食料や物資の生産量は増えるが、同時に人々の生活を支えるための食料や物資も、より多く必要になる。だから人口が増えて国の生産量が増えても、人々の生活が豊かになるわけじゃない。実際、巨大な人口を抱える国の国民が、非常に貧しい生活をしている例は数多くある。人口が増えるだけでは豊かにならないんだ」
「でも、大きな国の王族や貴族の生活は、小さな国の王族や貴族よりはるかに豊かですわ」
「それは、国民から搾取できる富の量が、大きい国ほど多くなるからだ。だから大きい国ほどその国の王族や貴族は豊かになり、他国にマネできないほど豪華な王宮や巨大な寺院を建設することができる。その一方で国民の生活は貧しいままだ」
「それは酷いですわ。それじゃあ、どうすればアルカナの国民は豊かになれるのかしら」
「アルカナの国民が豊かになる方法は大きく二つある。一つ目は他国を侵略する方法だ。二つ目は技術を開発することだ」
「『他国を侵略する』か、『技術を開発する』のどちらかなの?」
「そうだ。他国を侵略する方法の場合は、侵略先の国から財産や食料を奪ったり、属国として支配下に置いて重税を課したり、あるいは人々を奴隷として連れ去って、強制労働をさせる。その方法を採用しているのがトカゲ族の国であるジャビ帝国だ」
「そんな方法が長続きするはず無いのですわ」
「その通りだ。だからジャビ帝国は常に侵略戦争を行い、富を奪い、奴隷を連れ去る。侵略を止めると衰退する運命にあるからだ」
「もう一つの『技術を開発する』とは、どんな意味ですの?」
「技術を説明するのは難しいが、匠の技(わざ)のようなものだ。そうした技を使うことで、例えば家を一軒建てる場合も、より短い期間で建てることができたり、同じ面積の畑でも、より多くの作物を収穫できるようになる。つまり生産の効率が高まる」
「生産の効率が高まるとどうなるの?」
「生産の効率が高まると人手が余るようになる。すると、余った人手を他のモノを作る仕事に費やすことができるようになり、同じ人口でも、より多くの種類の富を生み出すことができるようになる。人数が増えずに生み出される富の量が増えるのだから、国民一人当たりに分配される富の量も増えることになる」
「なんか難しいわね。それで、その技術ってのを開発するにはどうするの」
「『王立研究所』を設立しようと考えているんだ」
「研究所って何、何をする場所なの?」
「様々な分野の職人、専門家のような人々を集めて、より優れたモノを、より効率的に作るための方法を試行錯誤して、新たな技術を獲得する場所だ。例えば、錬金術師を研究所に呼び、新しい薬の研究をしてもらう場所だ」
「なるほど、アルカナ全土から優れた人材を集めるのね」
「確かにそうだが、優れている人物や有名な人物だけを研究所に集めてもダメなんだ。そうしたすでに成果を出している人物だけではなく、まったく世間から評価されていない奇人や変人の類(たぐい)を集めることも重要だ。つまり『狂ったように何かに打ち込んでいる人物』が必要だ」
「奇人や変人をいっぱい集めるの?」
「いや、単なる奇人や変人ではなく、狂ったように何かの研究に打ち込んでいる人物だ。一見すると奇人や変人の趣味のようにしか思えない、何の役に立つかまったくわからないような研究の中から、世の中を変えるほどの大発見が飛び出すこともある。そういう例が異世界では多いんだ。
ところが、役人の多くは、すでに有名になった人物だけを集めて、カネを出して目標を与えれば成果が出ると勘違いしている。おまけに、その方がカネがかからないから都合が良い。しかし、大発見は狙って出てくるものじゃない。偶然の産物だ。つまり『数を打たないと大当たりが出ない』。
だから、とにかく大勢の研究者を王都に集めて、なんだかわからない研究であっても、どんどんやらせるのだ。当然ながら膨大なおカネが必要となる。だからこそ、おカネを発行するために銀行制度を立ち上げたんだ」
「なるほどですわ。傍から見ると変な人に見えるけど、何かに打ち込んでいる人が大切なのね。それで、変態のカザルも王国の役に立っているのね」
「相変わらずお嬢様は口が悪いぜ」
「おお、カザルか。例のものの開発は順調か?」
「順調ですぜ、旦那。中庭に試射の準備をしていますので、ご覧くだされ」
「何の準備ですの?」
俺は椅子から立ち上がりながら言った。
「鉄砲だ。鉄砲というのは異世界の武器だ。これは硬い鱗で全身を覆われているトカゲ族の兵士を倒すための、強力な武器になる」
俺たちは王城の中庭へ出た。中庭の奥にはプレートアーマーを付けた三体の人形が標的として立てられており、その百メートルほど手前には、台の上に三丁の火縄銃が置かれていた。火縄銃であれば中世時代の技術でも十分に作ることは可能だ。昔、俺は火縄銃に興味があって構造などを調べたことがあるのだが、その知識が役に立った。火薬の原料となる硝石は堆肥から抽出できたし、硫黄も温泉の近くで採取できた。
キャサリンもレイラも、見たこともない武器に興味津々といった顔つきだ。俺は鉄砲を両手で持ち上げると、皆に説明した。
「これが鉄砲というものだ。これは異世界で使われていた武器だ。火薬という薬品に火をつけて爆発させ、その勢いでこの鉛の丸い玉を鉄砲の筒先から飛ばす。まあ、見てもらったほうが早いだろう。ものすごい音が出るから気をつけてくれ」
俺がカザルに目配せすると、カザルは俺から鉄砲を受け取り、的となる鎧を着た人形に狙いを付けた。中庭は緊張感に包まれ、静まり返っている。ややおいて、俺の合図と同時に中庭に雷が落ちたかと思われるほどの轟音が響き渡り、鉄砲から大量の白煙が吹き出した。あまりの音の大きさにキャサリンが悲鳴を上げた。あらかじめ弾が込められていた三丁の鉄砲が続いて発射された。すべてが人形に命中した。
衛兵たちが人形を抱えて俺の方へ運んできた。人形のプレートアーマーには三つの穴が空いており、中の丸太に鉛玉が食い込んでいた。衛兵がそれを高く掲げると、どよめきが起こった。
レイラが言った。
「弓矢で貫くことができない鉄のプレートアーマーが、三発とも完全に貫通している。これは恐ろしい武器ですね陛下。これなら硬い鱗の体を持つトカゲ族であっても、ひとたまりもありません」
「さ、さすがお兄様ですわ。これなら、アルカナの軍隊は無敵になりますわ」
「そうだ。これもいわば『技術の開発』から生まれた成果だ。技術が進んでいた異世界の鉄砲は、こんなものではない。一つの鉄砲が、一秒間に何発も発射できる。いかに技術の開発が重要かわかるだろう。技術の開発にカネを惜しんではいられないのだ」
ミックが言った。
「陛下よくわかりました。王立研究所の件、早速準備に取り掛かろうと思います」
「頼んだぞ。財源は王立銀行から借りれば何の問題もない。ただし以前も話したが、おカネを増やしすぎるとモノの値段が上がって国民の暮らしに影響する。無計画におカネを増やしてはいけない。市場における物価の調査は毎月、しっかり行って報告してくれ。それを見ながら毎月の借入額を決定する」
「かしこまりました」
未だに洞窟に国王一行を閉じ込めた犯人の特定には至っていない。カザルに大金を貸し付けていたのは金貸し商のシャイロックという男だったが、シャイロックを問い詰めても証拠は出てこなかった。ただ、このシャイロックという男が貴族のジェイソンの屋敷に出入りしている様子がしばしば目撃されているらしい。
一方、俺たちの閉じ込められた鉱山には、その後の調査で赤い魔法石が豊富に存在することがわかり、ルミアナを中心とする魔法石採掘隊を編成して魔法石を採取した。赤い魔法石については、俺とルミアナが使うには十分な量を確保できた。
この一年の間に俺の魔法はかなり上達し、様々な攻撃魔法を習得した。補助系、幻惑系の魔法もある程度使えるようになった。
俺は主だった仲間を集めて、今後の政策などについて話し合っていた。
総務大臣のミックが現状について報告した。
「農業生産に関しては、穀物の収穫量が以前の二倍に増え、その他の野菜類の収穫に関しては、種類も量も増えております。これにはアルカナ川による灌漑と人糞を利用した肥料の効果が大きいです。何と言っても、アカイモは食糧の増産や食生活の改善に大きく貢献しています。今のところ食料の増産計画は順調です」
キャサリンがはしゃいでいる。
「素晴らしいですわ、お兄様。このままいけば人口も順調に増えますし、人口が増えれば、国民たちの生活も豊かになりますわね」
「そうだな、確かに食料生産が増えれば人口は増加するが、人口が増えれば国民も豊かになるという単純な話ではないんだ」
「あら、それはどういうことですの?人口が増えれば、より多くの食料や物資が生産できますのに」
「確かに人口が増えるほど食料や物資の生産量は増えるが、同時に人々の生活を支えるための食料や物資も、より多く必要になる。だから人口が増えて国の生産量が増えても、人々の生活が豊かになるわけじゃない。実際、巨大な人口を抱える国の国民が、非常に貧しい生活をしている例は数多くある。人口が増えるだけでは豊かにならないんだ」
「でも、大きな国の王族や貴族の生活は、小さな国の王族や貴族よりはるかに豊かですわ」
「それは、国民から搾取できる富の量が、大きい国ほど多くなるからだ。だから大きい国ほどその国の王族や貴族は豊かになり、他国にマネできないほど豪華な王宮や巨大な寺院を建設することができる。その一方で国民の生活は貧しいままだ」
「それは酷いですわ。それじゃあ、どうすればアルカナの国民は豊かになれるのかしら」
「アルカナの国民が豊かになる方法は大きく二つある。一つ目は他国を侵略する方法だ。二つ目は技術を開発することだ」
「『他国を侵略する』か、『技術を開発する』のどちらかなの?」
「そうだ。他国を侵略する方法の場合は、侵略先の国から財産や食料を奪ったり、属国として支配下に置いて重税を課したり、あるいは人々を奴隷として連れ去って、強制労働をさせる。その方法を採用しているのがトカゲ族の国であるジャビ帝国だ」
「そんな方法が長続きするはず無いのですわ」
「その通りだ。だからジャビ帝国は常に侵略戦争を行い、富を奪い、奴隷を連れ去る。侵略を止めると衰退する運命にあるからだ」
「もう一つの『技術を開発する』とは、どんな意味ですの?」
「技術を説明するのは難しいが、匠の技(わざ)のようなものだ。そうした技を使うことで、例えば家を一軒建てる場合も、より短い期間で建てることができたり、同じ面積の畑でも、より多くの作物を収穫できるようになる。つまり生産の効率が高まる」
「生産の効率が高まるとどうなるの?」
「生産の効率が高まると人手が余るようになる。すると、余った人手を他のモノを作る仕事に費やすことができるようになり、同じ人口でも、より多くの種類の富を生み出すことができるようになる。人数が増えずに生み出される富の量が増えるのだから、国民一人当たりに分配される富の量も増えることになる」
「なんか難しいわね。それで、その技術ってのを開発するにはどうするの」
「『王立研究所』を設立しようと考えているんだ」
「研究所って何、何をする場所なの?」
「様々な分野の職人、専門家のような人々を集めて、より優れたモノを、より効率的に作るための方法を試行錯誤して、新たな技術を獲得する場所だ。例えば、錬金術師を研究所に呼び、新しい薬の研究をしてもらう場所だ」
「なるほど、アルカナ全土から優れた人材を集めるのね」
「確かにそうだが、優れている人物や有名な人物だけを研究所に集めてもダメなんだ。そうしたすでに成果を出している人物だけではなく、まったく世間から評価されていない奇人や変人の類(たぐい)を集めることも重要だ。つまり『狂ったように何かに打ち込んでいる人物』が必要だ」
「奇人や変人をいっぱい集めるの?」
「いや、単なる奇人や変人ではなく、狂ったように何かの研究に打ち込んでいる人物だ。一見すると奇人や変人の趣味のようにしか思えない、何の役に立つかまったくわからないような研究の中から、世の中を変えるほどの大発見が飛び出すこともある。そういう例が異世界では多いんだ。
ところが、役人の多くは、すでに有名になった人物だけを集めて、カネを出して目標を与えれば成果が出ると勘違いしている。おまけに、その方がカネがかからないから都合が良い。しかし、大発見は狙って出てくるものじゃない。偶然の産物だ。つまり『数を打たないと大当たりが出ない』。
だから、とにかく大勢の研究者を王都に集めて、なんだかわからない研究であっても、どんどんやらせるのだ。当然ながら膨大なおカネが必要となる。だからこそ、おカネを発行するために銀行制度を立ち上げたんだ」
「なるほどですわ。傍から見ると変な人に見えるけど、何かに打ち込んでいる人が大切なのね。それで、変態のカザルも王国の役に立っているのね」
「相変わらずお嬢様は口が悪いぜ」
「おお、カザルか。例のものの開発は順調か?」
「順調ですぜ、旦那。中庭に試射の準備をしていますので、ご覧くだされ」
「何の準備ですの?」
俺は椅子から立ち上がりながら言った。
「鉄砲だ。鉄砲というのは異世界の武器だ。これは硬い鱗で全身を覆われているトカゲ族の兵士を倒すための、強力な武器になる」
俺たちは王城の中庭へ出た。中庭の奥にはプレートアーマーを付けた三体の人形が標的として立てられており、その百メートルほど手前には、台の上に三丁の火縄銃が置かれていた。火縄銃であれば中世時代の技術でも十分に作ることは可能だ。昔、俺は火縄銃に興味があって構造などを調べたことがあるのだが、その知識が役に立った。火薬の原料となる硝石は堆肥から抽出できたし、硫黄も温泉の近くで採取できた。
キャサリンもレイラも、見たこともない武器に興味津々といった顔つきだ。俺は鉄砲を両手で持ち上げると、皆に説明した。
「これが鉄砲というものだ。これは異世界で使われていた武器だ。火薬という薬品に火をつけて爆発させ、その勢いでこの鉛の丸い玉を鉄砲の筒先から飛ばす。まあ、見てもらったほうが早いだろう。ものすごい音が出るから気をつけてくれ」
俺がカザルに目配せすると、カザルは俺から鉄砲を受け取り、的となる鎧を着た人形に狙いを付けた。中庭は緊張感に包まれ、静まり返っている。ややおいて、俺の合図と同時に中庭に雷が落ちたかと思われるほどの轟音が響き渡り、鉄砲から大量の白煙が吹き出した。あまりの音の大きさにキャサリンが悲鳴を上げた。あらかじめ弾が込められていた三丁の鉄砲が続いて発射された。すべてが人形に命中した。
衛兵たちが人形を抱えて俺の方へ運んできた。人形のプレートアーマーには三つの穴が空いており、中の丸太に鉛玉が食い込んでいた。衛兵がそれを高く掲げると、どよめきが起こった。
レイラが言った。
「弓矢で貫くことができない鉄のプレートアーマーが、三発とも完全に貫通している。これは恐ろしい武器ですね陛下。これなら硬い鱗の体を持つトカゲ族であっても、ひとたまりもありません」
「さ、さすがお兄様ですわ。これなら、アルカナの軍隊は無敵になりますわ」
「そうだ。これもいわば『技術の開発』から生まれた成果だ。技術が進んでいた異世界の鉄砲は、こんなものではない。一つの鉄砲が、一秒間に何発も発射できる。いかに技術の開発が重要かわかるだろう。技術の開発にカネを惜しんではいられないのだ」
ミックが言った。
「陛下よくわかりました。王立研究所の件、早速準備に取り掛かろうと思います」
「頼んだぞ。財源は王立銀行から借りれば何の問題もない。ただし以前も話したが、おカネを増やしすぎるとモノの値段が上がって国民の暮らしに影響する。無計画におカネを増やしてはいけない。市場における物価の調査は毎月、しっかり行って報告してくれ。それを見ながら毎月の借入額を決定する」
「かしこまりました」
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
私が幼馴染の婚約者と浮気をしていた? そんな事実はないのですが?
柚木ゆず
恋愛
私が籍を置いている王立リュナレック学院、その創立記念パーティーに出席していた際のことだった。幼馴染の子爵令嬢ダリアが、青ざめた男性を――ダリアの婚約者である男爵令息ファビオ様を連れてやって来て、涙目で私を睨みつけてきた。
彼女がそうしている理由は、私とファビオ様が浮気をしている姿を目撃したから、みたいなのだけれど――。
私はそんな真似はしていないし、そもそもファビオ様とは面識がほぼないのよね。
なのにダリアは見たと言っていて、ファビオ様は浮気を認めている。
これはいったい、どういうことなのかしら……?
今さら、私に構わないでください
ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。
彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。
愛し合う二人の前では私は悪役。
幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。
しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……?
タイトル変更しました。
その悲劇、大嘘ですよね?元婚約者の私に慰めてもらえるとでも?
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢シンシアの婚約者パトリックは悲劇のヒロインぶる令嬢リリアナに心を奪われ、リリアナを救う為にシンシアとの婚約を破棄してしまう。そして非難轟々の中リリアナと結婚してしまった。
2年後、シンシアは宮廷に仕え異国から迎えた妃殿下の侍女として特殊な宝飾品を管理する充実した日々を送っていた。
しかし元婚約者パトリックはその頃、被害妄想の強い幼稚な妻リリアナの我儘と奇行に辟易する毎日を送っていたようで……
「彼女が家族に虐げられているなんて大嘘だよ。騙された」
知ったことではないと接触を拒むシンシアにパトリックは復縁まで持ちかけてくる。
「いえ、お断りですが?」
なぜならシンシアは既に異国の王子と……
【誤字報告お礼】
複数の読者様から誤字報告をいただきました。ありがとうございます!
御厚意に与りコメントは非表示とさせていただきましたが、この場を借りて御礼申し上げます。
これからもお楽しみ頂けましたら幸いです。
こんな国、捨てて差し上げますわ
藍田ひびき
恋愛
「ユリアーナ!本日をもって、お前との婚約を破棄する!」
『豊穣の聖女』ユリアーナは婚約者である王太子アルベリクから、突然に婚約破棄を言い渡された。しかもアルベリクは妹のフランシーヌと新たに婚約すると言う。
聖女を掲げる神殿側はそれを不服とし、ユリアーナとフランシーヌのどちらが聖女に相応しいか、試験をするように助言するが…?
※ 4/27 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
政略結婚の為の婚約破棄など貴方には言えなかった
青空一夏
恋愛
私は、第三王女なので、政略結婚はしなくて良いと父である王様に言われていた。だから私は大好きな騎士団長ワイアットとの愛を育んでいた。けれど、大国の王に望まれた私は戦争を避けるために嫁ぐことになった。その大国の王は老人でその王が亡くなると側妃や愛妾は全て一緒に埋葬されるという風習も知った。
二度とワイアットに会えないことを悟った私は、ワイアットに憎まれることを選んだ。私のことなど忘れてワイアットには幸せになってほしかった。
「あなたみたいな貧乏貴族より、大国の王に嫁ぐわ」そんな心にもないことを言って、私は大好きな男性に恨まれ蔑まれ嫌われた。
泣く泣く嫁入りをした私だが、その3年後に嫁ぎ先の王が亡くなる前に私を祖国に帰してくれた。帰ってきた私に大金持ちになったワイアットが結婚を申し込むが、これは彼の復讐だった。
私は、この結婚で愛が掴めるのでしょうか?
よくありがちなお話の流れです。
ヒロインのシスコンお兄様は、悪役令嬢を溺愛してはいけません!
あきのみどり
恋愛
【ヒロイン溺愛のシスコンお兄様(予定)×悪役令嬢(予定)】
小説の悪役令嬢に転生した令嬢グステルは、自分がいずれヒロインを陥れ、失敗し、獄死する運命であることを知っていた。
その運命から逃れるべく、九つの時に家出して平穏に生きていたが。
ある日彼女のもとへ、その運命に引き戻そうとする青年がやってきた。
その青年が、ヒロインを溺愛する彼女の兄、自分の天敵たる男だと知りグステルは怯えるが、彼はなぜかグステルにぜんぜん冷たくない。それどころか彼女のもとへ日参し、大事なはずの妹も蔑ろにしはじめて──。
優しいはずのヒロインにもひがまれ、さらに実家にはグステルの偽者も現れて物語は次第に思ってもみなかった方向へ。
運命を変えようとした悪役令嬢予定者グステルと、そんな彼女にうっかりシスコンの運命を変えられてしまった次期侯爵の想定外ラブコメ。
※話数は多いですが、1話1話は短め。ちょこちょこ更新中です!
●3月9日19時
37の続きのエピソードを一つ飛ばしてしまっていたので、38話目を追加し、38話として投稿していた『ラーラ・ハンナバルト①』を『39』として投稿し直しましたm(_ _)m
なろうさんにも同作品を投稿中です。
公爵閣下の溺愛花嫁~好色な王の側室になりたくないので国で一番強い公爵閣下に求婚したら、秒で溺愛生活がスタートしました~
しましまにゃんこ
恋愛
16歳の誕生日前日に、突然陛下の側室に選ばれたと聞かされた伯爵家の令嬢アイラ。
小柄で童顔の彼女は、妖艶な美女が揃う陛下の後宮で、たまには変わった毛色の娘がいいと目を付けられてしまったらしい。
だが、後宮は陰謀渦巻く恐ろしい場所。ろくな後ろ盾を持たない自分など、瞬く間に駆逐されてしまうだろう。
困ったアイラは暴挙とも言える行動に出る。それは、この国最強の公爵閣下に求婚すること!
果たしてアイラの無謀な賭けは成功するのか!
元気な小動物系女子と全てを力技で解決する最強魔術師の、溺愛ハッピーエンドストーリーです。
作品はすべて、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+さんでも掲載中、または掲載予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる