ネットカフェと年下男子(仮)

②

「……カタく、なってる」
「やっ……」

私の好きな、低く甘い声で耳許で囁かれ、その声と台詞にカーッと頬に熱が集まる。

「莉子も、俺に触れられるの、待ってた？
」
「ん、ダメ……はぁ、んっ……」

そのまま掌で先端を転がすように撫でられ、唇も激しく奪われ、徐々に身体に力が入らなくなっていく。

「……コッチは、どうかな？」
「ん……」

“コッチ”の意味が分からなくて、いつの間にか彼の首に回していた腕を解くと、彼の顔をぼんやりと見詰めた。

「確認、しないと、ね？」
「――え？」

あ、と思った時には既に遅く。彼はニヤリと笑ってこう言うと私の素足の膝をクルリと撫で、スカートの裾から手を忍ばせ下着のクロッチに触れてきた。

「……濡れてる」
「――っ」

そしてそこから一度手を引き抜くと、掌を私の目の前に翳すと指先に付いたヌルリとした液体を舐め取ったのだ。

「…ん。美味しい♪」
「や……っ」
「こんな場所で――」

そして更に、その言葉と視線に耐えられず俯いた私の顎を取り上向かせると、

「気持ちヨク、なっちゃった？」

と意地悪く微笑んだ。

「ち、違っ……」
「…くないでしょ？　ほら」

真っ赤になって否定の言葉を口にしてる間に、亮太の手は再びスカートの中へ戻ると下着のクロッチの脇から指を差し入れ、泥濘んだその場所を撫でた。

……クチュリ。

静かな店内に、微かな水音が木霊する。

それは、私と彼にしか聞こえない程度の音だったけれど、私の頬を羞恥で赤く染め上げるには充分だった。

「あ、ダメ……んぁっ…いやぁ……」

『もう止めて』とフルフルと首を横に振るものの、彼の手は休むことなく私の弱い場所を的確に責めてくる。

「こんなにシちゃって…。莉子はえっちだなぁ」
「ちが……ぁうんっ」

秘所の入口を擽られ、赤く充血してるであろう秘芽の廻りをクルクルと弄られる。

「ん……莉子…」
「やぁ、んっ…ぁ…りょ、たぁ…」

彼からの甘い“責め苦”にビクビクと震える身体を止められず、まるで子供のように甘えた声で彼の名を呼び、その逞しい背中を自ら強く抱き締めた。

「莉子…可愛い……りこ……」
「ん、ふぁ、んぅ…っ」

今日何度目か分からない、激しいキス。

彼の右手で硬くなった胸の先端をコリコリと摘まれ、左手ではパンティの中の敏感な場所を弄られ。

私の頭の中は、快楽と、こんな場所で“イケナイコト”をしているというドキドキで、ぐちゃぐちゃになっていた。

「莉子、もう……い。……ても、良い？」

そうでなければ、彼の話をちゃんと聞いていただろうし、頷いたりもしなかっただろう。

「ん、ぁう……」

生理的に出た涙で滲んだ視界で彼を見詰め、考えもせずにコクリと頷くと、

「良かった。じゃあ、早く行こ♪」

と満面の笑顔を貼り付けた彼は私を解放するとイソイソと帰り支度を始めたのだ。

「……え、え？」

急に快楽から解放された私は、訳が分からず目をパチクリ。

「ほら、莉子も早く出る支度して♪」

先程駅で会った時のくたびれた様子はどこへやら。涼太はニッコニコとご機嫌な様子でクイッと私の手を取ると、あれよあれよという間にネットカフェの会計を素早く済ませ店を後にした。

そして、火照ったままの身体を持て余しつつ、頭の上にハテナマークを浮かべる私を連れ彼が向かった先は、

「……っ!?!?」

入口の横に、『ご休憩○○○○円～』と書かれた建物。

所謂ラブホテル、という場所で。

「え？　りょ、亮太？」

あまりの展開にプチパニックを起こしている私を後目に、彼は手慣れた様子で部屋を決め鍵を持ってエレベーターに乗り込み。

「……」

私が我に返ったのは、既に彼が浴室にシャワーを浴びに行った後だった……。

「ちょ、デートはぁ……？」

『折角の久し振りのデートが！』とシクシクと嘆く私を余所に、その後夕方まで彼に放して貰えなかった私が痛む腰を擦りつつ夕食デートへと向かった先で、腹いせに一番高いメニューを注文したのは当然の権利だと思う。

それにしても。

年下の体力、半端ない……！



おわり